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一件落着ですわ…よね?
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「解消になる事に異論はない。家としても王家とどうしても繋がりたいとか思ってなかったし。余計な権力で仕事が増えると、エリとの時間が減っちゃうし。補填と関係良好を見せるため、幾つか重要な取引を任せようとか要らんこと言ってきたけども」
相変わらずエリシアの事が大好きなお父様は、虚な目でぶつぶつ言い出している。
「良いではありませんか、お仕事は…………まぁ、仕方ありません。私も手伝いますわよ」
「仕方ないとはなんだ、お前のせいだろうに。さてどうするかなぁ。留学しているネイトはまだ帰国まで時間があるし。報告だけはしとくか。あー、来年から領地引きこもる予定だったんだけどなぁ~」
「私の結婚後にそんな事を目論んでいましたの?残念でしたわねっ」
「うるさいわぃ。あぁ、お前の相手も一から探さなきゃならんのか。どうしたもんか……」
「ほとぼりが冷めるまで放置でいいですわ。あぁ、お咎め無しで良かったぁ」
「お前の毒舌も間違いじゃ無いからなぁ。その上押し付けた公務も知って、お怒りでらしたよ」
穏和な陛下のお顔でお怒りなんて、よっぽどねぇ…と私は呑気に考えて、お茶をごくりと飲む。
「ざまぁ見ろ……ですわね?」
何はともあれ双方、気にする事なく痛み分け。私の貴重な時間は削られたけれど、最高の教育は施されたのだし、解消なら大した瑕にもならないし良いわよね。
一件落着。
…………と、思っていた事がありましたけれど。
「あ、アデレイズ!起きなさい!」
翌朝、けたたましく寝室に入ってきたのは常ならぬお母様でした。
相変わらずエリシアの事が大好きなお父様は、虚な目でぶつぶつ言い出している。
「良いではありませんか、お仕事は…………まぁ、仕方ありません。私も手伝いますわよ」
「仕方ないとはなんだ、お前のせいだろうに。さてどうするかなぁ。留学しているネイトはまだ帰国まで時間があるし。報告だけはしとくか。あー、来年から領地引きこもる予定だったんだけどなぁ~」
「私の結婚後にそんな事を目論んでいましたの?残念でしたわねっ」
「うるさいわぃ。あぁ、お前の相手も一から探さなきゃならんのか。どうしたもんか……」
「ほとぼりが冷めるまで放置でいいですわ。あぁ、お咎め無しで良かったぁ」
「お前の毒舌も間違いじゃ無いからなぁ。その上押し付けた公務も知って、お怒りでらしたよ」
穏和な陛下のお顔でお怒りなんて、よっぽどねぇ…と私は呑気に考えて、お茶をごくりと飲む。
「ざまぁ見ろ……ですわね?」
何はともあれ双方、気にする事なく痛み分け。私の貴重な時間は削られたけれど、最高の教育は施されたのだし、解消なら大した瑕にもならないし良いわよね。
一件落着。
…………と、思っていた事がありましたけれど。
「あ、アデレイズ!起きなさい!」
翌朝、けたたましく寝室に入ってきたのは常ならぬお母様でした。
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