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久々に早く帰宅しましたわ

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自邸に帰ると、久しぶりに晩餐の席に顔を出した私に両親が感動していた。

随分と心配をかけていたらしい。


「大丈夫よ、お父様、お母様。婚約破棄されましたの。もう手伝わされて遅くに帰るとか、徹夜するなんて事ありませんわ」


ニコーっとくまの濃いやつれ顔で言うと、両親ともに「はっ?!」と言って固まった。


「文官棟のホールで宣言されましたから、目撃者や証言してくれる方は山ほどおりましたわ。
お手数ですけれどお父様、早々に手続きしてくださいます?」


食後のお茶を嗜みながらそういうと、両親は「どう言うことだ?!」と言って席を立ち上がって詰め寄ってくる。


「真実の愛?なる物を見つけたみたいですわ。お相手は……フェザー?ヘズ……とか言ったかしら。そっちが良いんですって。あぁ、侮辱もされましたわ。私の顔と性格では誰も相手にされないとか何とか?もう破棄一択で宜しいですわよねぇ?」


散々止めどなく言い返したことは、横に置いて説明したら、お父様はワナワナと震えてお怒りでした。お母様もですけれど。仲良し夫婦、良いですわ。


「ぁんのクソガキィィィィ」


なんだか地を這うようなお声で、お父様が何か呟きましたがスルーして、口元をナプキンでチョチョンと拭う。


「流石に連日の超過勤務で寝不足ですので、ゆっくりと休ませていただきますわ。後のことはお願いいたしますわ」


「あぁ、任せなさい」と悪魔の如く微笑むお父様を横目に、カタンと音を鳴らしてしまいながら立ち上がると、自室へと戻る。



「シェリ、明日以降は用事はないわ。早くに起こさなくて良いから」

「畏まりました」



目覚まし侍女機能をOFFにして、寝支度の済んだ私は、シルクのアイマスクをきっちりはめて布団に潜り込むと、夢の国へと旅に出た。

ぜぇったいに明日まで起きないんだからねっ!
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