可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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サイドストーリー フレディ奮闘記

姉妹の手紙

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手紙を送ってから暫くして、アマンダから近況を報せる手紙が届いた。

無事到着した事、翌日から仕事もこなしている事。初めて国から出て、教科書や文献を読むだけでない目の前に広がる生きている異国文化に触れる楽しさに溢れていた。


姉妹で手を繋いで、市場や話題の名所を巡る姿が目に浮かぶ様だよ。


それから、両親へと出奔に至った経緯を手紙を書いて同封したので、申し訳ないが所在がわからない様に渡して欲しいとあった。

確かに、中には小さめの封筒に入った手紙が二通同封されている。表書きには流麗な手で“ジェライト伯爵様“、”ジェライト伯爵夫人様へ“と書かれてある



「隣国とは反対方向の領地からでも出そうか……いや……」



少し考えてから僕は下男を呼び出した。



「これを持ってジェライト伯爵領へ行って、領主館の使用人に手渡してきてくれ。適当な旅装で、“2人連れの女性に頼まれた”とでも言っておけ」



下男は手紙と旅費を受け取ると、早速とばかりに下がっていった。
これで伯爵領近辺か、そこを抜けて港のある街へと抜けた様に思うだろう。そこから消えた足取りは推測するしかない。隣国か、まさか王都とは思わないだろう。


ましてや妻のやらかしでシューコット公爵家からの敵対表明、王宮の出入り禁止措置。
反省と自粛で領地へと引っ込むことは簡単に予想できる。足元を中止して探したとしても見つからず、王宮で働くアマンダに気づくのは年単位で先になるだろう。


「伯爵家の先行きは、暫く暗そうだ」


一緒に下男へと手渡した調査結果の一部を思い出して、僕は柔らかなソファーの背面に深く身を預け、
静かに微笑んだ。
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