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サイドストーリー フレディ奮闘記
報告と工作
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出奔計画に際して、準備を一緒にした。
宿泊するのは隣国の王宮近くで、警備がしっかりしたところを押さえる。
鉄道はアデラインが同行するので、2人分並んだ指定席で購入し、アマンダの費用は後で一人分だけ請求するようにする。
これは多忙な僕とアマンダより時間のあるアデラインが予約を取ると、手を上げた。
辻馬車は今から当日は繁忙期だけど、今から予約すれば支障はない。予約違いをしないように、料金を多めに、幾らかは当日完了後に払うことを勧めた。
それとは別に上がってくる調査書には、頭が痛い。
しがない子爵家に生まれた夫人は、領地の特産を伯爵領の職人に加工して、新たな商品を作ると言った事業提携を元にした政略で結ばれた。
牧歌的な領地から伯爵の援助を受けて学園にも入り、王都に初めて来て浮かれてしまったのだろう。趣味嗜好はだんだんと派手になり、王都の社交に浸るうちに、暗黙のルールを知って真に受け、胸をときめかせた。
卒業後すぐに結婚した夫妻の間に、数年後アマンダが生まれる。男児では無かったが一息ついた夫人は、暗黙のルールを思い出す。
出産後すぐに社交へと顔を出し、そういう相手を探し始めた頃にアデルバードに出会う。
出会ったのはとあるワインの品評会に出席した折、出品していたロクザンヌ商会に、アデルバードが見習いで付いてきていたのがきっかけ。
アデルバードは若かった。いや、若すぎたから貴族特有のルールを知らなかった。配慮することも。
求められるままにズルズルと誘いに乗って、遊んで──やらかした。
妊娠に気づいたのは、彼が本国に戻った後だったようだけれど。
隠して流さず産むと決めた伯爵夫人は、どこか壊れていたのではないだろうか。そうでなければ、血筋を重んじる貴族社会で、その蛮行は正気の沙汰とは思えない。
これを踏まえると……
「黒真珠か。通りでそんな名がデビュー前にも関わらずに着くわけだ」
調査書をパサリと机に置き、眉間を揉む。
「それとフレディ様。潜ませている侍女からの報告ですが、アマンダ様にお金の催促を手紙で送ったとの報告。そして最近アデライン様の様子を気にして、よく不在時に部屋を探っているそうです」
「──── は?気のせいか?今伯爵夫人が家を出た子供に、金を無心したと聞こえた気がしたけど?」
「ええ、そう言いました。ついでにアデライン様の部屋のガサ入れも」
「ごめん、余りに常識外の事を聞くと、脳の処理が追いつかん」
「お察しいたします。私も侍女に三度聞き直しましたから。アマンダ様は少額だけ渡して躱したようです」
「…………どうしよう、腹立ってきた」
「お察しいたします。ガサ入れの件はどうなさいます?」
「侍女が止めさせることはできないだろう。明後日の方向へと思考誘導してくれ」
「明後日の方向ですか……かしこまりました」
憤りつつも、アマンダへ何かプレゼントでも贈ろうかなと心に留め置いた。
宿泊するのは隣国の王宮近くで、警備がしっかりしたところを押さえる。
鉄道はアデラインが同行するので、2人分並んだ指定席で購入し、アマンダの費用は後で一人分だけ請求するようにする。
これは多忙な僕とアマンダより時間のあるアデラインが予約を取ると、手を上げた。
辻馬車は今から当日は繁忙期だけど、今から予約すれば支障はない。予約違いをしないように、料金を多めに、幾らかは当日完了後に払うことを勧めた。
それとは別に上がってくる調査書には、頭が痛い。
しがない子爵家に生まれた夫人は、領地の特産を伯爵領の職人に加工して、新たな商品を作ると言った事業提携を元にした政略で結ばれた。
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これを踏まえると……
「黒真珠か。通りでそんな名がデビュー前にも関わらずに着くわけだ」
調査書をパサリと机に置き、眉間を揉む。
「それとフレディ様。潜ませている侍女からの報告ですが、アマンダ様にお金の催促を手紙で送ったとの報告。そして最近アデライン様の様子を気にして、よく不在時に部屋を探っているそうです」
「──── は?気のせいか?今伯爵夫人が家を出た子供に、金を無心したと聞こえた気がしたけど?」
「ええ、そう言いました。ついでにアデライン様の部屋のガサ入れも」
「ごめん、余りに常識外の事を聞くと、脳の処理が追いつかん」
「お察しいたします。私も侍女に三度聞き直しましたから。アマンダ様は少額だけ渡して躱したようです」
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「お察しいたします。ガサ入れの件はどうなさいます?」
「侍女が止めさせることはできないだろう。明後日の方向へと思考誘導してくれ」
「明後日の方向ですか……かしこまりました」
憤りつつも、アマンダへ何かプレゼントでも贈ろうかなと心に留め置いた。
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