可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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サイドストーリー フレディ奮闘記

姉妹の計画

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「お姉様、迷いがなくなったわ。
 ─── 私も家を捨てます」


とんでもない言葉を聞いた。

「独り立ちする」ではなく「家を出る」と言った。
しかも、「私」と言ったよな?

アマンダは卒業後に王宮文官として働くのは、継承者と考えられていない事から「あぁそうか」と納得したのだが。

「家を捨てる」とは、「貴族籍から抜けて出奔して平民になります」という意味となるのだけれど??


流石に黙っていられずに声をかけた。


「抱き合って姉妹愛を確かめている所悪いんだけど、詳しく聞かせてもらえる?『家を捨てる』辺りについて詳しく」


後からアデラインが言うには、この時の僕の笑顔の圧力は半端なかった…らしい。




「……つまり、アデラインの卒業前にアマンダは貴族籍から抜けて平民になり、アデラインの卒業式直後、その足で2人揃って出奔する……と。そもそも伯爵の子ではないとされるアデラインは除籍となるはずだから、暫く身を隠してこっそりと帰って、一平民として申請して戸籍を作る?」


「そうよ」「うん」


仲良く返事を返す姉妹にため息が出る。
子供の頃から考えていたと言うのだから、伯爵家への嫌悪感も推して知るべしと言うところなのだろうか。

まずい、アマンダ平民に?

ちょっと衝撃的すぎて、今どうこう言えないな。


「えぇっと、とりあえずまだ1年と少しある。計画の中止……は、考えていなさそうだね。今から準備できるのは資金の調達と確保、出奔先の選定。辻馬車を手配する店選び……くらいかな」

「流石ですね先輩。気がかりなのは、王宮文官にもしなれたとして、貴族籍から抜けた後でも変わらず雇用してくれるかですねぇ」

「それは問題ない。勤務している嫡子でない貴族子女が、家の事情で籍を抜けることは偶にある。
貴族でなくてはならないような近衛騎士や、その方が優位に仕事が行える部署、役職であれば配置換えはあるかも知れないけど」


試験はそろそろの筈だけど、採用後の配置は初出仕後だ。


「その話は出仕して出奔する時期が近づいてからでいいと思うよ。何処から伯爵夫人へ伝わるかしれないからね。その間に有用性を見せつけて、配置換えで変なところに飛ばされる危険を回避すべきだ」


これくらいしか今のところは何も言えないよなぁ。


「そうですね、先輩っ。卒業したらバリバリ働きます!」


頼むからバリバリし過ぎて、僕のことを忘れないでくれると嬉しいんだけど……ね。
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