可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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美人な妹と私

そしてこれから

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 やがて笑い出した私に、言い合いを終わらせた二人は、計画通りに次へと進めていった。


 私は約束通りに上司の侯爵家へ、付いて来ると言って聞かないフレディと一緒に出向き、挨拶を交わした。

 険しい顔がデフォルトの上司は、対極に位置するような柔らかいややふっくらとした夫人、険しくはあるが上司よりやや柔らかいと言える次期侯爵の息子様、その妻の麗しい次期侯爵夫人と、総出で迎えてくれた。

 皆歓迎ムードの中、上司は誰も言わないことを口にした。


「……それで、気のせいじゃなければシューコット公爵家のご嫡男様じゃないか?
 野暮かもしれないが、ここにいる理由はなんだ?」
「何度か夜会でお会いしておりますね。
 改めまして、フレディ・シューコット。シューコット公爵家の長男です。
 つい先ほどアマンダ嬢に結婚を前提に、交際を申し込みました。まだ色良いお返事は頂いておりませんが、諦める気は毛頭ございませんので、お見知り置きください」


 慇懃に礼をするフレディに唖然としていると、上司は頭痛がするというように額に手を当てながら、追求する。


「えー……と、それはうちに養女に迎えるから、縁をつなぎたくてという……?」
「いえ、アマンダ嬢の問題が片付いたらハッキリと申し込む予定でした。
 平民になろうとも、関係ありません。なんとかするつもりでした。
 ただ、こちらに迎えられるのなら、先に話しておくほうが良いかと」


 変な縁談が舞い込んでもね?と笑うフレディに上司は眉間を揉むと、「そうですか」と絞り出すような声を出し、一先ず中へどうぞと促してくれた。

 恙無く養子縁組手続きが済み、養母となった侯爵夫人と次期侯爵夫人と話が弾み、王宮の寮を出て侯爵家に住む事となった。





 あれから半年、妹も無事出版社に就職、入寮が済み、仕事も慣れ始めてうまく回り出したようだった。

 私はフレディの猛攻撃にあっという間に陥落し、数ヶ月後には婚約、「結婚準備はある程度進めておくからね」と恐ろしく輝く笑顔で宣っていた。

 侯爵家のご夫人方には、お茶会という名の女子の恋話会を開催され、洗いざらい吐かされ、その中で「結婚しても仕事を続けていい」という事を約束していると伝えると、翌日養父となった上司に「一筆書かせておけ」と言われた。

 フレディが笑顔で舌打ちした気がしたのは、きっと気のせいに違いない。



 風の噂で実家の話を聞いた。

 父は母の不貞を疑ってはいたようだが、色彩は同じだったし、幼い娘を前にすると言い出せなかったそうだ。
 私の手紙を見た父は、母とすぐに離縁。
 後添えを探すか血縁から後継者を探すかは検討中だとか。

 母は実家の子爵家に戻り、遠い領地へ押し込めるように連れて行かれたそうだ。

 妹との絆以外はバラバラとなったが、月に何度か会う妹とはずっと変わらない大事な姉妹として笑い合えればいいなと思っている。
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