可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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美人な妹と私

父母への手紙

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「じゃもう一度確認するわね。
 私は一旦貴族席を抜けて平民になる手続きを済ませておく。
 アデライン、卒業式後のパーティーは出席せず、着替えて一式を売却。
 そのまま最終便の鉄道に乗り込んで隣国へ行く。
 3週間ほど滞在したら帰国して私は上司の家に行って養子縁組手続き。アディは出版社の女子寮へ行って入寮手続きなど諸々ね」


 妹は文学に目覚め、数カ国語が堪能になり、翻訳家の道を進むことを決めた。

 大きな出版社で女子寮を抱えるところを選び、平民のアデルと名乗って面接を受けた。
 その中で、女性ライターや作家を多数抱える出版社に無事就職が決まったのだった。




 そうして隣国へと辿り着いた今、方々からの手紙で近況を読み込んでいる。


「どう?お姉様」
「母は半狂乱で貴女を探し回ったみたい。
 私に協力させるために王宮まで乗り込んできて、私を出せと喚いたそうよ」


 しかし、これに対して王宮の女官長は一蹴。


「現在下働きにそのような名前の者はいません」


 そう返されると、母は「勝手に辞めたのか!」と鬼のような形相で喚き散らし、あまりの酷さに城の衛兵に摘み出され、出禁を言い渡されたそう。



 そして父と母へそれぞれ手紙を出した。

 母へは、私は母の「勝手にしろ」の言葉通り、爵位も継がないので成人の権利を行使し、貴族籍を抜けて平民になります。お世話になりました。
 妹は母の不貞を知ったそうで、心を痛めておりました。爵位継承の権利がないと言い出奔するそうです。と言ったことを簡潔に。

 父へは、母より家を継がせないと言われていたこと、父も知りながら何も言わなかったので同意したと捉えていること、既に貴族籍を抜けたこと。
 そして妹は父の子ではないと、本当の父に会い知ってしまった事、申し訳ないと謝罪していたことを書きしたためた。

 帰国する頃には、粗方決着が付いていると思われる。



「さて、落ち着いたし色々回りましょうか」
「まずは図書館ね。お姉様も?」

「明日からこの国の外交担当さんと顔つなぎの挨拶回りして、お話聞いたり。
 アディ、通訳の勉強にもなるし付いてくる?」
「いいの?!」
「私に通訳は必要ないけど、見習いだと言えば良いでしょう」
「お姉様大好き!!」
「知ってるわ!さぁ行きましょう」
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