可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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美人な妹と私

母からの呼び出し

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「アデラインが私のために、家族旅行をサプライズで用意してくれてるみたいなのよ」


 上機嫌にそう言った母は、注文したケーキを頬張った。


「……。サプライズなら、用意は要らないのではないですか?」
「チケットの期間は私の誕生日だったの。
 きっと驚かせたかったのね?だから知らないふりをしてあげないとでしょ。
 あの子と一緒に歩いても恥ずかしく無いように、全身磨かなきゃならないじゃない?」

「…………はぁ、スパにでも行くのですか?
 お父様にお願いすれば良いじゃないですか」
「服や靴、装飾品を買ったら今月の予算無くなったのよねぇ。だからあんたに言っているんじゃない」


 磨く必要ある?と同じ平坦顔を持つ母に問いかけたくなるが、ぐっと堪えて申し訳なさそうな顔を作る。


「お母様、来月になりますが、なんとか頑張って前回より1枚多く入れて送りますわ。
 私のような新人には、それほど多く包めるものではありませんもの…………」
「ほんと役立たずね、長女なのだからしっかりしなさいよ、まったく……
 まぁいいわ、あんたも美しいアデラインを見習って、母親の誕生日に何か用意しようって気は起きないものなの?」

「そんな余裕があれば、お包みした方が良いのではないのですか?用意する場合は、お金は送れなくなりますよ?」
「チッ……仕方ないわねっ。あんたみたいなセンスのかけらもない子から、物をもらったって嬉しくないもの。要らないわよ」
「そうですか……あの、ところで私、成人になったのですが…」

「だから?結婚?自分でなんとかしなさいな。支度金は無いものと思ってね。
 はぁ、それくらい自分で考えて勝手にやってちょうだいよ。いちいちほんとに……」

「畏まりました…」


 苛立たしげにそう吐き捨てると、母は食べ散らかした分を支払う気もないようで、そのままバッグを持って出て行った。


「……品のない。ええ、いただきますわ」


 注文書を指で挟んで立ち上がると、私もさっさと店を後にした。
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