可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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美人な妹と私

妹の入学

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 翌年、妹が入学した。

 同じ家から通うので、当たり前だが一緒の馬車に乗り込んで通学する。

 馬車止めに降り立ち、甘える妹を腕に巻き付けながら歩くと周りが好奇の目を向けて騒ぐのは、分かっていたことだった。

 初めは妹の容貌に感嘆の息を漏らし、次いで横の私に眉を顰める。妹が「お姉様」と口にすると、驚きに目を見開き面白おかしく嘲笑する。

 予想通り、そこかしこから「まぁ、姉ですって」「似ておりませんのね」「まぁお可哀想に…クスクス」といった声が聞こえ出す。

 そんな声が聞こえるたびに妹が暗い表情をするのだが、私は妹の頭を撫でながら「気にしないのよ、私は世界一可愛い妹と一緒に居るだけで嬉しいのだから」と慰める。
 すると頬を染めた妹が、パァァっと輝く笑顔を向けてきて、「私も世界一の姉様と一緒に居れて幸せです!」と言うものだから、往来で抱きしめてしまっても仕方のないことだと思うのだ。


 その笑顔に、通行中の男子生徒がやられてしまったのは、頂けない。釘を刺して回らなきゃですね。


 妹は成長期を迎え、すっと背が伸び、女性らしい体つきになった。
 光を反射しているかのように輝く黒髪は緩く波打ち、ぽってりとした唇は色香が漂う。

 しかし、誰にでも礼儀正しく制服は着崩す事なくキチッと着こなし、髪留めくらいしか装飾品を身につけない。身の回りの品も、見た目よりも私が厳選した実用性重視の物ばかり。

 僻みついでに弄られれば


「姉様が選んでくれたお揃いのものですの。
 素敵でしょう?」
「この髪留め、姉様の手作りですの!宝物でしてよ?同じものは無いかと思いますの……申し訳ないですわ」
「理想?姉様のように頭が良くて優しくて親切で、さり気ない気遣いができて、優しくて……」


 こうして姉バカを披露するものだから、女の敵とはならず、天然な妹を女子生徒は魔の手(男子生徒)から守られるようになっていった。
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