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情報は常に手早く

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 次期王妃とされるほどの令嬢が、全て後手に回ったままで流すわけもなく。

 エレノアは、一時の戯れならばと目を瞑るつもりであった。
 いかんせん皆お年頃。お相手は目の前にいるのに、結婚まではお預けな思春期真っ盛りな男性である。

 しかし、最後まで致させるつもりは微塵もなく、あくまで戯れる程度でストップをかける気でいた。

 ところが、戯れのおもちゃが令嬢側のテリトリーを荒らし、剰え牙を剥こうとしてきたのだ。


 NGも3つ重なれば、排除の対象となるのは仕方のない事とも言える。
 エレノアは、授業が終わるとクラスの女子生徒に声をかけた。


「ねぇ、宜しいかしら?」
「あっはい、ハーレイ様っ」
「ふふ、お願いがあるのだけれど」
「…はい、どのような事でしょう?」


 その女子生徒は緊張と高揚が入り混じった顔から、すっと表情を消して口角だけをあげ、エレノアの言葉を待った。


「纏わりつく羽虫の詳細と、見張りをお願いしたいの」


 エレノアの言葉を聞くと、女子生徒は静かに頷き、元の表情に戻り何事もなかったかのように自席に戻っていった。


 ***



 夜、公爵邸に密かに客がやってきた。

 それはエレノアが学園で話しかけた、同じクラスの女子生徒だった。


「夜分に恐れ入ります。
 ご依頼の調査書をお届けにあがりました」
「ずいぶん早いのね」
「一応マークしておりましたので」

「それもそうね。ありがとう」
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