捨てられた私は森で『白いもふもふ』と『黒いもふもふ』に出会いました。～え？これが聖獣？～

6話

「……………うーん。取り敢えず死んではいない………ね。うん」


抱き上げてピクッと反応したところを見ると、２匹とも息はあるようだった。


「………でもかなり弱ってる。毛が深くて見えにくいけど……………怪我もしてるみたい。」


服に赤い液がにじんでいく。あまりゆっくりはしていられないみたい。取り敢えず柔らかい所で横にしてあげないとね………


「………………。まあいっかぁ。今夜くらい私が地面で寝ても…………ちょっと肩凝るくらいでしょ」


残念ながら子の子達を寝かせるスペースでさっき集めた毛は全部なくなりそうだった。


───────────〖数分後〗



「……………ふむ！我ながら良い出来ではないか！もしかして私って天才……？」


とは言ってみたものの、出来たのは木（枝）とつるで作った木箱に毛を入れた、超簡易的ベットだった。


でもまあ、この子達を入れるのには十分な広さだし、きっと体温で温かくなってくれるだろう。なんせ元々は子の子達の毛ですからね。馴染みも良いことでしょう。


よし！完成！


「…………はーい。じゃあちょっと失礼しますね～………っと。どう？あったかい？……………ふふ、返事なんてしないか（笑）……………でも柔らかそう。いいなぁ。………ゆっくり休んでね」


………。ふーーーー。お腹すいた。でもそのまえに取り敢えず水汲んで、子の子達を洗って、それから……ご飯、食べさせて……………それから……それ………から────────



〖時刻は夕方。オレンジ色の光が、優しく3人を照らしていた。〗