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Main Story
眠り姫を起こす方法
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妃芽は俺の部屋によく訪れては、したいことをしているようだった。時にはお菓子を食べて、時にはテレビを見て、時には読書をして。そんなことは自分の家でやってほしいものだが、妃芽は言っても聞かない。
今日も仕事から帰ると妃芽が俺のベッドで眠っていた。土曜出勤だったから、妃芽は学校は休みだったはずだ。
したいことを散々済ませたあとなのだろう。テーブルにはお菓子のゴミが置きっぱなしになっているし、テレビはつけっぱなしだし、本は妃芽の近くに転がっている。一体何時から部屋にいたのか。何をするのにも飽きて、眠ることにしたのだろう。まったく迷惑な話だ。
「妃芽、起きてくれ。頼む」
「んんー……やー……」
妃芽は寝起きが悪いのだ。優しく起こそうとしても起きないし、無理やり起こすと怒る。どうすればいいというのか。
「妃芽……起きろ」
「んん……じゃあちゅーしてよぉ……」
「はぁ?」
こいつ、寝ぼけてやがる。俺は溜め息をつきながら、それに付き合ってやることにする。
「わかった。起きたらしてやる」
俺がそう言うと、妃芽はがばりと身を起こした。しかし、その勢いに自分で驚いたようで、目を見開きながらキョロキョロと辺りを見回していた。
「……あれ!? ちゅーは!?」
「なんだよそれ、寝ぼけてたんじゃないのか」
俺は間髪いれずにそう言った。あくまで真面目な顔をして。妃芽は唖然と俺の顔を見ていたが、少し考えて、
「うーん……ゆめ、だったのかなぁ?」
と独り言を言っていた。
うん、なかなか寝起きはいい。この方法は使えるな、と密かに思った。
今日も仕事から帰ると妃芽が俺のベッドで眠っていた。土曜出勤だったから、妃芽は学校は休みだったはずだ。
したいことを散々済ませたあとなのだろう。テーブルにはお菓子のゴミが置きっぱなしになっているし、テレビはつけっぱなしだし、本は妃芽の近くに転がっている。一体何時から部屋にいたのか。何をするのにも飽きて、眠ることにしたのだろう。まったく迷惑な話だ。
「妃芽、起きてくれ。頼む」
「んんー……やー……」
妃芽は寝起きが悪いのだ。優しく起こそうとしても起きないし、無理やり起こすと怒る。どうすればいいというのか。
「妃芽……起きろ」
「んん……じゃあちゅーしてよぉ……」
「はぁ?」
こいつ、寝ぼけてやがる。俺は溜め息をつきながら、それに付き合ってやることにする。
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