1 / 8
第一章:兄との日々 ついてくる差
私の兄はなんでもできる
しおりを挟む
私のお兄ちゃんは本当になんでもできる。お兄ちゃんの話を聞くと、初対面の人に「ちょっと話を盛りすぎじゃない?」と言われる。それほどお兄ちゃん「アレン」はカリスマ性溢れる人なのだ。
だが、私はその事についてあまりよく思っていない。妹の分際で生意気だとは思うが、私はお兄ちゃんの才能に対して嫉妬している。
私とお兄ちゃんは王族や貴族ほどではないが、かなり良い家庭に生まれ育った。それを踏まえてかなり矛盾したことを言う。家のお兄ちゃんの存在は「ワイバーンがドラゴンを生む(鳶が鷹を生む)」状態なのだ。
我が家は祖父が偉大で、その人のおかげで良い生活ができている。今は亡き故人の成果にあぐらをかく。まさにボンボンである。
だから、その事をバカにしてくる人がいる。自分の事業が成功して家内が良くなっている人たちのことだ。そんな人たちは、特に努力をしてないパパやママたちをバカにする。しかし、バカにしていくうちにお兄ちゃんの存在を知り始めた途端に、だんだん自信がなくなりバカにしなくなる。それでもしつこい人はお兄ちゃんの名前を言ったら、分が悪そうな顔をして、我がフォン家に近づかなくなるので、幼少期の頃は多用していた。
だけど、思春期になった時、私はこの家の立ち位置がないと感じるようになり、お兄ちゃんに嫉妬と劣等感が募るようになった。
だから、私は努力することにした。一人でできるようになった着替え(ファンタジー世界の金持ちは着替えをできる人は少ない)を召使いに頼まなくても、できるようになったり、お金も無駄遣いしなくなった。
そこから、私は貴族の秘書になるための勉強をしに、サントラル学園に通っている。この学園はお兄ちゃんも通学していたので、私は少しの期待感を持ち、日々頑張っている。
今日も通学していると、親友であるエトラちゃんが通学路にいたので話しかけた。
「おはようエトラちゃん。今日も良い天気だね。」
「あら、おはようございます。リンちゃん。確かに晴れでございますね」
彼女はそう言うが、ここのところずっと曇りである。
「あ、そうだ。今日魔法学で『精霊魔法』を学ぶんだった。どうしよう私本当に勉強してないよ。」
「私は徹夜しましたが、あまり自信がないのですわ。」
そんな苦手な科目のことを話しながら、あと数分で学園に着く頃に急にエトラが「先月、隣町からこの町にかけて、かなり強力なゴーレムが100体やってきたそうよ」と初耳なことを言ってきた。
「え?大惨事じゃん・・・・・・。ゴーレムは今は作り方不明だから、大昔のタイプだろうけど、100体も集まるなんてね。」
「本当に大変なことになるところでしたよ。」
「え?じゃあなんでこの町は平気なの?ゴーレムはどこ行ったの?」
すると、エトラは「知らないのか」みたいな顔をした。
「それはあなたのお兄様が全て破壊したからでしょ?」
「・・・・・・」
これを聞いた時、本当に最悪の気分だった。そしてさらに私に史上最悪の追い討ちをかけた。
「私は多少、夢みがちと思われてもいいわ!!私、アレンさんに恋をしました!!」
いや、くもりだった空がさらに曇った。最悪だ。人生終わった。
「リンちゃん!!私、玉砕しても構いませんわ!!アレンさんに合わせてくださいまし!」
「あ、あ、あ、でもお兄ちゃんも忙しいだろうから」
「そこを何とか!!お願いします!親友のリンちゃん!」こんなに懇願されて断れるはずもなく、首を縦に振ってしまった。
コンコン
「はぁ~いどうぞ」相変わらず、憎たらしいほど惚れ惚れする低い声だ。私に理性がなかったら、本当にたいへんなことになっていたかもしれない。
「おぉ、リン。学校はどうだった?精霊学の授業は楽しかった?案外精霊と仲良くなるのは、重要だからね。」
「そんなことよりお兄ちゃん。お兄ちゃんに会いたいっいう私の友達がいるわ」それを聞いたお兄ちゃんは苦笑した。
「え?僕なんかに?う~ん。」少し考えたあと、「じゃあ明後日くらいには会えるよ。その時は休日だしね。」
「うんわかった。あと、お兄ちゃん。」
「なに?って何で泣いてるの?」
私は本心を打ち明ける。今日ずっと思っていた言葉だ。
「お兄ちゃんのせいで失恋したんだけど、どうしてくれるの?」
「え?」
「じゃあ、おやすみ!」バタン!部屋の中には少しの沈黙が流れた。
「えぇ・・・。本当に覚えないんだけど。」
だが、私はその事についてあまりよく思っていない。妹の分際で生意気だとは思うが、私はお兄ちゃんの才能に対して嫉妬している。
私とお兄ちゃんは王族や貴族ほどではないが、かなり良い家庭に生まれ育った。それを踏まえてかなり矛盾したことを言う。家のお兄ちゃんの存在は「ワイバーンがドラゴンを生む(鳶が鷹を生む)」状態なのだ。
我が家は祖父が偉大で、その人のおかげで良い生活ができている。今は亡き故人の成果にあぐらをかく。まさにボンボンである。
だから、その事をバカにしてくる人がいる。自分の事業が成功して家内が良くなっている人たちのことだ。そんな人たちは、特に努力をしてないパパやママたちをバカにする。しかし、バカにしていくうちにお兄ちゃんの存在を知り始めた途端に、だんだん自信がなくなりバカにしなくなる。それでもしつこい人はお兄ちゃんの名前を言ったら、分が悪そうな顔をして、我がフォン家に近づかなくなるので、幼少期の頃は多用していた。
だけど、思春期になった時、私はこの家の立ち位置がないと感じるようになり、お兄ちゃんに嫉妬と劣等感が募るようになった。
だから、私は努力することにした。一人でできるようになった着替え(ファンタジー世界の金持ちは着替えをできる人は少ない)を召使いに頼まなくても、できるようになったり、お金も無駄遣いしなくなった。
そこから、私は貴族の秘書になるための勉強をしに、サントラル学園に通っている。この学園はお兄ちゃんも通学していたので、私は少しの期待感を持ち、日々頑張っている。
今日も通学していると、親友であるエトラちゃんが通学路にいたので話しかけた。
「おはようエトラちゃん。今日も良い天気だね。」
「あら、おはようございます。リンちゃん。確かに晴れでございますね」
彼女はそう言うが、ここのところずっと曇りである。
「あ、そうだ。今日魔法学で『精霊魔法』を学ぶんだった。どうしよう私本当に勉強してないよ。」
「私は徹夜しましたが、あまり自信がないのですわ。」
そんな苦手な科目のことを話しながら、あと数分で学園に着く頃に急にエトラが「先月、隣町からこの町にかけて、かなり強力なゴーレムが100体やってきたそうよ」と初耳なことを言ってきた。
「え?大惨事じゃん・・・・・・。ゴーレムは今は作り方不明だから、大昔のタイプだろうけど、100体も集まるなんてね。」
「本当に大変なことになるところでしたよ。」
「え?じゃあなんでこの町は平気なの?ゴーレムはどこ行ったの?」
すると、エトラは「知らないのか」みたいな顔をした。
「それはあなたのお兄様が全て破壊したからでしょ?」
「・・・・・・」
これを聞いた時、本当に最悪の気分だった。そしてさらに私に史上最悪の追い討ちをかけた。
「私は多少、夢みがちと思われてもいいわ!!私、アレンさんに恋をしました!!」
いや、くもりだった空がさらに曇った。最悪だ。人生終わった。
「リンちゃん!!私、玉砕しても構いませんわ!!アレンさんに合わせてくださいまし!」
「あ、あ、あ、でもお兄ちゃんも忙しいだろうから」
「そこを何とか!!お願いします!親友のリンちゃん!」こんなに懇願されて断れるはずもなく、首を縦に振ってしまった。
コンコン
「はぁ~いどうぞ」相変わらず、憎たらしいほど惚れ惚れする低い声だ。私に理性がなかったら、本当にたいへんなことになっていたかもしれない。
「おぉ、リン。学校はどうだった?精霊学の授業は楽しかった?案外精霊と仲良くなるのは、重要だからね。」
「そんなことよりお兄ちゃん。お兄ちゃんに会いたいっいう私の友達がいるわ」それを聞いたお兄ちゃんは苦笑した。
「え?僕なんかに?う~ん。」少し考えたあと、「じゃあ明後日くらいには会えるよ。その時は休日だしね。」
「うんわかった。あと、お兄ちゃん。」
「なに?って何で泣いてるの?」
私は本心を打ち明ける。今日ずっと思っていた言葉だ。
「お兄ちゃんのせいで失恋したんだけど、どうしてくれるの?」
「え?」
「じゃあ、おやすみ!」バタン!部屋の中には少しの沈黙が流れた。
「えぇ・・・。本当に覚えないんだけど。」
2
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる