僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 50. 7時12分の約束

【ただいま…恋愛中?】

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 すぐ目の前に煌子の家があると言うのに
二人とも公園から離れようとしなかった、

僕はブランコに腰かけて
ぼんやりと夕焼けを眺めていた。

足元で季節外れのタンポポの綿毛が揺れている

― ずっと一緒にいてほしい…
― これからもよろしくね…

 何が今、最もふさわしい言葉なんだ?
そして、いつ切り出せばいい?

いつ、どのタイミングで
僕の "決心" を切り出そう?

そのことで頭がいっぱいになっていた。
と、そこへ煌子が話しかけてきた。

「そのブランコさ、アタシが小さい時は木で出来てたんだよ」

「そうなんだ?でも今はプラスチックなんだね?」

「雨の次の日は濡れたままだったり、木のささくれが刺さったりしたなー」

「変わってくんだなぁ、そうやって少しずつ」

「ねっ」

「…俺らはさ」

「うん」

「変わんないよね」

「え?」

「これからもこんな感じで…笑ってたいよね」

煌子は遠くを見ていたが
その瞬間、ふっと穏やかな笑みを浮かべた。

きっと僕の伝えたいこと、わかってくれたんだ
そう勝手に解釈した。

「…煌子」

「なに?」

「話したいことあるんだ、明日の朝ちょっとだけ早く…学校、来れないかな?」

「…うん、いいよ」

「じゃあさ、迎えに行くよ」

「…うん、いいよ」

「そんじゃ、7時12分にこの場所で」

「ぷっ!何?その中途半端な時間?」

「俺ん家から煌子の家まで」

「うん」

「大体、12分くらい」

「それだけの理由で?」

「俺が7時に家を出たら、さ」

「ちょうどその時間ってこと?ただ7時に家を出たいだけじゃない?」

「計算、苦手なんだよ」

「また美月に教えてもらえば?ふふっ」

「ちょ、ちょ、ちょっと!何だよその話?」

「あれ?教えてもらってたの、ホントに?」

 煌子はまさか全てを知っているのだろうか?
こうやって僕を試しているのかも知れない。
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