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Act 44. 怨恨終幕 Ⅱ~虎穴蚕食~
【男前は何処だ?】
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すると大きな金属音と共に倉庫の扉に隙間が出来た。
「兄ちゃん、あとちょっとや!もうちょっとで人が一人通れる隙間が出来るで!」
「よしっ!もう一撃だな!」
おそらく普段ならここまでの力は出ない。
甲斐への怒り、煌子や美月を案ずる気持ち
そして煌子への想いから
この力は生み出されているのだろう、
更に力を込めて扉の隙間に廃棄自転車を叩きつけた。
ガシャーン!
再び金属音と共に今度は人が入れるくらいの
隙間が出来た。
「ほら、開いた~!」
「いやっほーい!」
僕は既に原形すら留めていない
ボロボロの自転車を宙に向けて投げ捨てた、
自分でも驚くほどの力だ。
地面に叩きつけられた自転車の音に
見張り役の二人が反応した。
「何だ!何だ!」
僕とあずさは構わず倉庫の奥へと進んでいく。
ここに来てようやく甲斐の一味と遭遇した。
「何かおるで、兄ちゃん」
「あずさ、あの中に甲斐はいるか?」
「いや、おらへんな、あの気色悪い『昭和初期の男前』みたいな顔は一回見たら忘れられへんからな」
「え?男前?」
「ひと昔前の、な」
二人で緊張感のない会話を続けていると
「おい!お前ら!何しに来た」
見張り役が大声で怒鳴る。
「何か言うてるで」
「そっちからここに来るように仕向けたくせに」
「それな」
「テメー!話、聞いてんのか?」
「おーい!下っ端くん、貝殻野郎はどこだ?」
一斉ひるむことなく僕は問い返した。
「兄ちゃん、あとちょっとや!もうちょっとで人が一人通れる隙間が出来るで!」
「よしっ!もう一撃だな!」
おそらく普段ならここまでの力は出ない。
甲斐への怒り、煌子や美月を案ずる気持ち
そして煌子への想いから
この力は生み出されているのだろう、
更に力を込めて扉の隙間に廃棄自転車を叩きつけた。
ガシャーン!
再び金属音と共に今度は人が入れるくらいの
隙間が出来た。
「ほら、開いた~!」
「いやっほーい!」
僕は既に原形すら留めていない
ボロボロの自転車を宙に向けて投げ捨てた、
自分でも驚くほどの力だ。
地面に叩きつけられた自転車の音に
見張り役の二人が反応した。
「何だ!何だ!」
僕とあずさは構わず倉庫の奥へと進んでいく。
ここに来てようやく甲斐の一味と遭遇した。
「何かおるで、兄ちゃん」
「あずさ、あの中に甲斐はいるか?」
「いや、おらへんな、あの気色悪い『昭和初期の男前』みたいな顔は一回見たら忘れられへんからな」
「え?男前?」
「ひと昔前の、な」
二人で緊張感のない会話を続けていると
「おい!お前ら!何しに来た」
見張り役が大声で怒鳴る。
「何か言うてるで」
「そっちからここに来るように仕向けたくせに」
「それな」
「テメー!話、聞いてんのか?」
「おーい!下っ端くん、貝殻野郎はどこだ?」
一斉ひるむことなく僕は問い返した。
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