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Act 40. 回想編 3~きっといつかどこかで
【手紙】
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― 兄ちゃんへ ―
この手紙を読んでるってことは
もううちはこの街にはいないってことやね
直接伝えたかったけど間に合わんかったな。
突然やけどうちも引っ越すことになってん
兄ちゃんがおらん間
あの子たちの面倒はちゃんと見てたからな、
みんな元気やで。
実は兄ちゃんのお母さんから
もうすぐ兄ちゃんが帰ってくることを聞かされてて
うちも会いたかってんけど
どうしてもこの日に出発せなあかんことになって
会われへんようになってしもた。
せやけどな、兄ちゃんにやっと会えた思たら
すぐに離れなあかんのやったら
その方がきっとよかってん
うちらもまたいつか
こっちに帰ってこれるかもやから
その時は…
あかん、何や、もう字が見えへんから
ここまでしとくな…
兄ちゃん
大好きやで
あずさ
「あずさ…何で」
せっかく、せっかく
これであずさに何かあっても
守ってあげられると思ったのに
何でもうこの街にいないんだ。
父や仲間、そして瞳子との別れを経験した直後に
次はあずさまで…
どうしてみんな僕のところから
いなくなってしまうんだろう?
僕はこういう星のもとに生まれつく運命だったのか?
本気でそう思った。
ともあれ…僕はまた
この街で生きていかなければならない。
そうだ!あの子たちに会いに行こう
いても立ってもいられなくなった僕は
再び玄関のドアを開け
一目散にあの場所へ向かった
この手紙を読んでるってことは
もううちはこの街にはいないってことやね
直接伝えたかったけど間に合わんかったな。
突然やけどうちも引っ越すことになってん
兄ちゃんがおらん間
あの子たちの面倒はちゃんと見てたからな、
みんな元気やで。
実は兄ちゃんのお母さんから
もうすぐ兄ちゃんが帰ってくることを聞かされてて
うちも会いたかってんけど
どうしてもこの日に出発せなあかんことになって
会われへんようになってしもた。
せやけどな、兄ちゃんにやっと会えた思たら
すぐに離れなあかんのやったら
その方がきっとよかってん
うちらもまたいつか
こっちに帰ってこれるかもやから
その時は…
あかん、何や、もう字が見えへんから
ここまでしとくな…
兄ちゃん
大好きやで
あずさ
「あずさ…何で」
せっかく、せっかく
これであずさに何かあっても
守ってあげられると思ったのに
何でもうこの街にいないんだ。
父や仲間、そして瞳子との別れを経験した直後に
次はあずさまで…
どうしてみんな僕のところから
いなくなってしまうんだろう?
僕はこういう星のもとに生まれつく運命だったのか?
本気でそう思った。
ともあれ…僕はまた
この街で生きていかなければならない。
そうだ!あの子たちに会いに行こう
いても立ってもいられなくなった僕は
再び玄関のドアを開け
一目散にあの場所へ向かった
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