僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 36. 詭謀と希望

【敵陣侵入、手段選ばず】

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 放課後、コウは1人下校しながら考えていた。

― さて、まずは何から始めるかな?

トモキに大見栄を切ったはいいが
果たして甲斐がその挑発に乗ってくるだろうか?

まずトモキがこの話を甲斐に伝えなければ
事は進まない。

 トモキのことだ、またくだらない詭謀きぼうを企てて
フラれたことを逆恨みしては
煌子に復讐したつもりになるのだろう。

今回の件だって、あの様子だと間違いなく
トモキの仕業だ。
しかしどうやって探りを入れたんだ?

誰か内通している人物がいる?
いや、あいつのクラス内での立場は非常に微妙だ

今現在、男女問わずトモキの肩を持つ人物など
存在しないだろう。

 と、なるとトモキ自身が姑息に噂をかぎつけ
何か煌子の不利になる情報を探っている可能性が高い。

それならばクラスには他に"敵"はいない、はずだ。

しかもこちらには由里やサキと言った
クラス内の情報に明るい存在が味方だ。

僕は"外敵"だけに集中すればいい。

そもそもどんな理由だろうとも
好きな女子に嫌がらせをするなんて
あり得ないだろう、

事と次第によってはトモキにだって
鉄拳制裁するかも知れないほどに

僕の怒りは沸点に達しようとしている。


 そしてそれ以上に許せない男、
甲斐雄一について何かしら知っている可能性がある人物…

もしかしたら"あの二人"なら?

とは言えあの二人に対しては
あまりいい思い出がない、

気乗りはしなかったがこれも煌子のためだと
数年ぶりにその場を訪れた。

「建築会社 石田組」

この看板をくぐるのは
実に久しぶりのことだった、

そう、あの日以来3年ぶりに…
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