僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 35. 檄

【幕開け】

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 サキが急に小声で話しかける

「で、煌子ちゃんとはどうなってんの?」

「ちょっと待って、な、何でサキがその話を…」

「そりゃ、ねぇ、席も離れちゃったし」

「最近話してるとこ見てないしー」

サキは美優と顔を見合わせてニヤニヤしながら
こう言った、
二人とも全てお見通しのようだ。

「幼馴染みの恋の行方が気になるんだよ」

「こ、恋とか言うなって!」

「サキちゃんと由里ちゃんは特に好きだよね、
そう言う話題」

「うーん、現状、どうもこうもってとこだよ」

「恋の三角関係ってとこ?」

「ちょ、ちょっと待てって!何でそんな話まで」

「わー!やっぱりそうなんだー!」

「あらら、引っ掛かっちゃった…高村くん」

「今のは『恋の誘導尋問』」

「…サキ!」

「ははは、やっぱりバカだよね」

「頼むからその話は内密に…」

「何で手を打とうか?」

「考えとくよ」

 まんまとサキにハメられて落ち込みながらも
僕は冷静に周りの状況を見渡していた、
煌子と美月のポジションを確認するためだ。

煌子は少し離れた席で由里や優果と話している。

美月は…

あれ?

姿が見当たらない。

もしかしたらトイレにでも?
そう楽観していた僕は美優に"あること"を聞こうとした。

サキが席を外したのを見計らって

「そう言えば、美優こそクリスマスの頃にトモキから…」

「あ…その話?聞いてくれる?何かちょっと変な感じでね…」

「え?それって…どういうこと?」

「それがね…」



その時、ポンっと誰かに背中を小突かれた。
振り返ると


「高村くん」


美月だった。
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