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Act 25. 目前
【ひとりじめ】
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そして夕方になり更に人通りも増えてきたので
そろそろ帰ろうと言う流れになった。
「私、これから家族が迎えに来るからここで…」
車に乗り込んだ美月が帰るのをみんなで見送ってから
僕たちも家路につくことになった。
ヒロシは由里と帰り、祥二も帰り
僕は煌子と二人。
「結局、いつもの組み合わせかぁ」
「イヤなの?独り占めだよ、アタシのこと」
「そうだね」
「もっと喜んでよ」
「正月から縁起がいいな」
「もう!何それ」
「今年もいいことありますように」
「何てお願いしたの?初詣で」
「さあ」
「ちょっと、何にもしてないの?」
「そうだなぁ、何事も起きませんように、って」
「何か微妙」
「そうかな?いいことがあることよりも何も悪いこと起きないのが一番だよ」
「起きないよ、悪いことなんて」
「それじゃ…」
「それじゃ…?」
僕はどうしても煌子に聞きたいことがあった
答え次第ではこの場で僕の気持ちを伝えよう
それくらいの決意を抱いていた。
かと言って、あまり深刻に聞くのも
どうかと思ったので
少しおどけた調子で切り出した。
「田中煌子に質問!」
「ぷっ、何よ?改まって」
煌子は珍しく笑顔で僕を見た。
「煌子は何で俺とはフツーに笑顔で話してるの?って、男子連中が言ってるらしいけどその真意は?」
「知りたい?」
「そりゃ、気にはなるから」
遂に核心に触れる発言をした、
そんな気持ちに心が揺れる。
そろそろ帰ろうと言う流れになった。
「私、これから家族が迎えに来るからここで…」
車に乗り込んだ美月が帰るのをみんなで見送ってから
僕たちも家路につくことになった。
ヒロシは由里と帰り、祥二も帰り
僕は煌子と二人。
「結局、いつもの組み合わせかぁ」
「イヤなの?独り占めだよ、アタシのこと」
「そうだね」
「もっと喜んでよ」
「正月から縁起がいいな」
「もう!何それ」
「今年もいいことありますように」
「何てお願いしたの?初詣で」
「さあ」
「ちょっと、何にもしてないの?」
「そうだなぁ、何事も起きませんように、って」
「何か微妙」
「そうかな?いいことがあることよりも何も悪いこと起きないのが一番だよ」
「起きないよ、悪いことなんて」
「それじゃ…」
「それじゃ…?」
僕はどうしても煌子に聞きたいことがあった
答え次第ではこの場で僕の気持ちを伝えよう
それくらいの決意を抱いていた。
かと言って、あまり深刻に聞くのも
どうかと思ったので
少しおどけた調子で切り出した。
「田中煌子に質問!」
「ぷっ、何よ?改まって」
煌子は珍しく笑顔で僕を見た。
「煌子は何で俺とはフツーに笑顔で話してるの?って、男子連中が言ってるらしいけどその真意は?」
「知りたい?」
「そりゃ、気にはなるから」
遂に核心に触れる発言をした、
そんな気持ちに心が揺れる。
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