僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 25. 目前

【恋はバランス】

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 早いもので煌子と同じクラスになってから
あっという間に季節が巡り新年になった。

煌子が見せた年末の思わせぶりな態度は
何か思うところがあるのだろうと踏んでいたが

それは初詣の誘いだった。

 やはりクリスマス以降
二人の距離は確実に前より近くなっている、

初詣には美月と由里も一緒に来ると
煌子から聞いていた。

由里にはヒロシがくっついてくるだろう

バランスを考えてもう一人、僕は
お正月を由美子と過ごせない彰二に声をかけた。

「バランス的には男も3人いた方がいいかな、って」

「ま、そうだね」

「彰二でも大丈夫?」

「別に誰でもいいよ、どうせ他の男子と話すことなんてないから」

煌子もそう言っていたことだし。

 ちょうど彰二から
"あの噂"を聞かされた直後だった、

いくら能天気な彰二と言えど本人の前で
万が一にもその話題をすることはないだろうし

お調子者の彼がいれば
それなりに場も盛り上がって
不自然な空気にはならないだろう、と言う

僕の考えもあった。


「あけましておめでとう」

当たり障りのない挨拶から始まり

この珍しい組み合わせの6人で
近くの神社へ初詣に向かった。

「タカムラー!ちょっと荷物持ってよ」

「やだよ」

「あ、じゃ、あのことバラすから、由里、
タカムラはね、アタシのミルクティー・・・」

「あ!はい!持ちます持ちます、えーっと
煌子さん、肩は凝ってないかな?」

「素直でよろしい」

僕たちの会話を隣で聞いていた由里は
堪えきれずに大笑いしていた。
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