僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 23. それぞれの想い

【不可解なシチュエーション】

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 それは突然の報告だった。

「おいトモキ、バンド辞めたいってどういうことだよ?」

「いや、あのさ、もう春から受験生だろ?
勉強しろって親がうるさいんだよ」

「他のヤツらには話したのか?」

「いや、まだ話してない、みんなにはコウから伝えてくれないか?」

「何言ってんだよ、俺の権限で決められるわけないだろ、それならみんなの前で話せよ」

「あ、あとさ…田中とはうまくやってるみたいだな」

「別に付き合ってるわけじゃないけど…何か引っ掛かるんだよな、お前の態度が」

「だからオレは前に話した通り…田中には」

「じゃ何でさっき…ま、どうでもいいや」

「それじゃ後はよろしく…」

「おい、ちょっと待てって!」


 クリスマスイブ、煌子を送って帰宅したばかりの僕に
かかってきた突然の電話はトモキからだった。

全てにおいてあまりにも不可解だ、
何故あの場にトモキが居合わせたのか?

偶然とは思えない。

しかも突然これまで何の問題もなく続けてきた
バンドを離脱したいと言ってきた。

その本当の理由が親の苦言や学業だとはとても思えない。
僕の知らないところで何かが起きているのでは?

トモキが影で何かを企んでいて
それを実行しようとしてるのでは?

そんな胸騒ぎがした。


 クリスマスが終わると2学期も終わる…のだが
冬休みに入っても我が校は補習があるため
僕たちは年末ギリギリまで学校に通っていた。

煌子とはクリスマスイブ以降も遠からず近からず
これまでと同じように脈絡のない会話を続ける毎日だった。
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