僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 21. ミルクティー

【雨上がりの夜空】

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 帰り道、雨はすっかりあがっていた。

夕食の後、立ち寄った喫茶店では
満腹だったこともあり
食べるよりも話す時間の方が長かった。

煌子はイチゴのショートケーキを頬張りながら
生い立ちや子供の頃の話をしてくれた。

 お互いの昔話や幼い頃の話をするうちに
これまで知らなかった煌子のことを知れたのは

何も知らないもどかしさに苛立っていた
自分の心情が解きほどかれる想いだった。

「煌子って、男子と話さないイメージがあったから、俺に話しかけてきた時は正直びっくりしたね」

「だよね、アタシ全然話さなかったもんね」

「何か男子にイヤな思い出でも?」

「…あるよ」

「そうなんだ」

「聞かないの?」

「昔のことは、特に辛そうなことは…思い出したくない、かなぁ?って」

「優しいんだね」

「よく言われる」

「…バカだけどね」

「よく言われる、それ余計だけど」

「ふふっ…じゃ、タカムラは?」

「え?」

「昔…」

「ま、色々あったね」

「失恋?」

「ストレートだなぁ、フラれそうなタイプに見える?」

「かわいそうなくらいに」

「ま、当たらずとも遠からずかな」

「フラれてる」

「フラれてない!」

「フラれたな?」

「フラれてない!」

「ふふっ、ムキになってる」

「何だよ」

「ま、色々あるから…さ、ねっ」

「煌子も?」

「お互いに、だね、きっと」

「また、話せる時が来れば…」

「だよね」

 男子と話したくない、嫌な思い出がある…
なのに何故僕とこうして話している?

多分、ではあるが煌子は
何かに対して臆病になっているのだろう。


煌子の過去の辛い思い出… 

敢えて聞かなかったんじゃない

聞きたくない、知りたくないから
敢えて聞こうとしなかっただけだった。
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