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Act 09. 生誕祭
【アタシの知らないアイツ】
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男女数人で食事に向かう道すがら
「あ!」
僕はふとあることを思い出し
おもむろに近くの公衆電話へ駆け込んだ。
「何してんの?」
公衆電話のボックスから出てきた僕を見て
煌子は不思議そうな顔をしている。
「今日の晩飯、いらないって連絡」
「ぷっ、意外とマメ」
「うるさいおかんだからね」
「コウ、ちょっといいか?次の練習なんだけど」
僕はテルに呼ばれた、
煌子の隣には美優がいた。
「煌子ちゃん、高村くんとこは母ひとり子ひとりの家庭なんだよ。だからお母さんの事、気になるんじゃない?」
「そうなの?星井さんよく知ってるね」
「幼稚園の頃から一緒だから」
「そうなんだ…」
「うん」
「あいつさ…タカムラってさ…」
「何?」
「昔からあんな感じ?」
「あんな…ってどんな?」
「えっと…何て言うか、見た目と中身のギャップって言うか…お人好しそうなのに妙に自信持ってたりとか」
「高村くんは全然変わってないよ、こっちに帰ってきてからも、その前も…」
「こっちに帰ってきてから?」
「うん、元々こっちの人だったんだけど
家庭の事情で一度関西に引っ越して
中学3年の終わりにまた戻ってきたんだよ」
コウからその話は聞いたことがなかった。
何でも話してくれるタカムラが
アタシに話さないってことは
きっと深い家族の事情があるんだろうと
煌子は思った。
「あ!」
僕はふとあることを思い出し
おもむろに近くの公衆電話へ駆け込んだ。
「何してんの?」
公衆電話のボックスから出てきた僕を見て
煌子は不思議そうな顔をしている。
「今日の晩飯、いらないって連絡」
「ぷっ、意外とマメ」
「うるさいおかんだからね」
「コウ、ちょっといいか?次の練習なんだけど」
僕はテルに呼ばれた、
煌子の隣には美優がいた。
「煌子ちゃん、高村くんとこは母ひとり子ひとりの家庭なんだよ。だからお母さんの事、気になるんじゃない?」
「そうなの?星井さんよく知ってるね」
「幼稚園の頃から一緒だから」
「そうなんだ…」
「うん」
「あいつさ…タカムラってさ…」
「何?」
「昔からあんな感じ?」
「あんな…ってどんな?」
「えっと…何て言うか、見た目と中身のギャップって言うか…お人好しそうなのに妙に自信持ってたりとか」
「高村くんは全然変わってないよ、こっちに帰ってきてからも、その前も…」
「こっちに帰ってきてから?」
「うん、元々こっちの人だったんだけど
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