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Act 06. 接近~アプローチ~
【君からのリクエスト】
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そして2週間後に迎えた中間テスト、
結果は僕が学年で14位、煌子は17位だった。
こんな時に限って
僕はそれなりに好成績となってしまった。
例え順位が下がったとしても
煌子とバイキングに行けるのであれば
もう少し成績が下でもよかったかな?
なんて思ったりもした。
「残念ながら俺の勝ちだね」
「女子に手加減しないなんてひどい」
「体力勝負じゃないからね、でもちょっと残念…」
「何が?」
「あ、いや…じゃあさ、試験も終わったし
ハンバーガーでも食べて帰る?」
「アタシ、憐れみは受けない…でも」
「何?」
「どうしても奢りたい、ってんなら行ってあげてもいいよ」
「態度L」
「何それ?」
「煌子みたいな態度の娘の事だよ、ははは」
「バカ!」
タイミングよくこの日、煌子は部活が休みだった。
「ここからちょっと離れてるけど…」
「三秋町のバーガーショップ、だね」
「先に行ってていいよ」
「遅刻厳禁、ちょっとでも遅れたらアタシ帰るからね」
「俺は時間には正確なんだよ」
「数字には弱いけど、ふふ」
「どうせ数学、52点だよ」
「あははは…バカだ!」
放課後、僕と煌子は別々に下校して
約束したファーストフード店で落ち合った。
「アタシは別に気にすること、ないんだけどさ」
深い理由があったわけでない、
ただこのまま二人で一緒に教室を出るのは
あまりにも不自然だったから
周りの誰かに勘繰られないように
僕が提案した、それだけのことだった。
そしていつしか僕たちはこのように
当たり前のように二人でどこかへ出かける、
そんな間柄にまでなっていた。
結果は僕が学年で14位、煌子は17位だった。
こんな時に限って
僕はそれなりに好成績となってしまった。
例え順位が下がったとしても
煌子とバイキングに行けるのであれば
もう少し成績が下でもよかったかな?
なんて思ったりもした。
「残念ながら俺の勝ちだね」
「女子に手加減しないなんてひどい」
「体力勝負じゃないからね、でもちょっと残念…」
「何が?」
「あ、いや…じゃあさ、試験も終わったし
ハンバーガーでも食べて帰る?」
「アタシ、憐れみは受けない…でも」
「何?」
「どうしても奢りたい、ってんなら行ってあげてもいいよ」
「態度L」
「何それ?」
「煌子みたいな態度の娘の事だよ、ははは」
「バカ!」
タイミングよくこの日、煌子は部活が休みだった。
「ここからちょっと離れてるけど…」
「三秋町のバーガーショップ、だね」
「先に行ってていいよ」
「遅刻厳禁、ちょっとでも遅れたらアタシ帰るからね」
「俺は時間には正確なんだよ」
「数字には弱いけど、ふふ」
「どうせ数学、52点だよ」
「あははは…バカだ!」
放課後、僕と煌子は別々に下校して
約束したファーストフード店で落ち合った。
「アタシは別に気にすること、ないんだけどさ」
深い理由があったわけでない、
ただこのまま二人で一緒に教室を出るのは
あまりにも不自然だったから
周りの誰かに勘繰られないように
僕が提案した、それだけのことだった。
そしていつしか僕たちはこのように
当たり前のように二人でどこかへ出かける、
そんな間柄にまでなっていた。
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