僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 03. 悲夏こもごも

【あの日のように】

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 え?どう言うこと?
ウケてる?こんなマニアックな曲が?

騒ぎを聞きつけ隣のクラスから駆けつけた連中も
廊下からその様子を見ている。


アンコール!アンコール!

申し合わせたように教室全体から
アンコールが発動した。

「テル…何がどうなってんだ?」

「そう言うことだよ、音楽の力ってヤツだ」

アンコールに応えて僕たちはもう1曲披露した。

 そして大変なのはこの後だと気付くのに
さほど時間はかからなかった。

「ねえ?誰の曲?」
「あの曲のCD持ってるの?貸してくれない?」

「あ、いや、あの…ほんとに…聴く?」

 こんなにも女子からちやほやされたのは
生まれて初めてだった。

これまで人前で何か披露するなんて
自分には無理だと思っていた

ただバンドは別だ、

同じ趣味嗜好を持つ者たちが集まり
音楽好きの人たちの前でそれを演奏する、

だからこそ相乗効果があるわけで

何の予備知識もないクラスメイトには
伝わることはないんだ、と
勝手に思い込んでいた。

 そんな嬉しいハプニングもあり
この送別会は大いに盛り上がった。

盛り上がっただけではない

あのイベントのおかげで
今年も同じクラスとなった旧1年生たちの結束は

2年で初めて同じクラスになった友人と比べると
とてつもなく強くなっていた。

「そっかぁ高村くん、また歌うんだね!」

「そっか嶋村さんもいたんだった、あの時」

「高村くんてさ、歌い始めるとテンション変わるよね」

「そんなに?」

「インパクト大きすぎ」

いつしか由里との会話の中に美月も加わっていた。
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