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その壱.幼少期編
【おかんの霊感に悪寒】
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幼少期の不思議体験を書くつもりが
いつの間にやら主役に躍り出ている感のある
我が家のおかん
今回もおかんに纏わるエピソードです。
人魂の話でも書いたのですが
昭和世代の大人は冷静に考えるととんでもない体験を
事もなげに普通のテンションで話すきらいがある、と
大人になってから気づきました。
これはまだ私が小学生かもしくは
幼稚園の年長くらいだった頃の出来事。
雪がしんしんと降り続く大晦日の夜のこと、
おかんは玄関のカーテンを閉めようと
玄関口にある外灯のスイッチを入れ
何気なく外を見た、その瞬間
真っ暗な銀世界の中にぽつりと浮かび上がるように
白装束の女性が立ってこちらを見ている、
いや女性、と言うよりは
まだあどけなさの残る女の子だったそうだ。
何か言いたげな雰囲気だったが
一言も発することはなく
その表情はとても微笑ましい笑顔だったらしい。
おかんはリビングに戻るやいなや
「今、玄関に女の子がおったんやけど、何にも言わんとニコニコしながらこっち見てんねん」
普通ならこんな話を聞いた時点で
お化けだ!幽霊だ!と大騒ぎになるはず。
しかし父は
「変な話するなよ、子供が怖がるやろ」
と、一笑してその話題を終わらせてしまった。
それでもおかんは
「まだいてるかも知れんからうちに入れてあげようか?」
そう言って再び立ち上がる。
「じゃ、僕も行く!」
と、私はおかんの後をついて行って玄関まで行ったのだが
既に女の子の姿はそこには無く、外灯に照らされ
真っ白な雪が音もなく降っているだけだった。
「もうおらんね」
「雪女…みたいな人かなぁ?」
「かわいい女の子やったよ」
「漫画に出てくる雪子ちゃんみたいなのかな?」
「そんな感じ…なんやろか?知らんけど」
"雪子ちゃん"とは
当時私が観ていたアニメに登場する
雪女をモチーフにしたキャラクター。
結局この先、雪子ちゃんが
私たちの目の前に現れることはなく
おかんが見たと言う謎の女の子のことも
家族の間で話題に出ることはなかった。
その女の子とは一体何者で
何のためにおかんの前にだけ現れたのだろう?
そんなことをふと思い出し
あの時代は心霊現象的なことですら
一過性の話題で終わってしまうんだなと
不思議な気持ちにさせられたのです。
いつの間にやら主役に躍り出ている感のある
我が家のおかん
今回もおかんに纏わるエピソードです。
人魂の話でも書いたのですが
昭和世代の大人は冷静に考えるととんでもない体験を
事もなげに普通のテンションで話すきらいがある、と
大人になってから気づきました。
これはまだ私が小学生かもしくは
幼稚園の年長くらいだった頃の出来事。
雪がしんしんと降り続く大晦日の夜のこと、
おかんは玄関のカーテンを閉めようと
玄関口にある外灯のスイッチを入れ
何気なく外を見た、その瞬間
真っ暗な銀世界の中にぽつりと浮かび上がるように
白装束の女性が立ってこちらを見ている、
いや女性、と言うよりは
まだあどけなさの残る女の子だったそうだ。
何か言いたげな雰囲気だったが
一言も発することはなく
その表情はとても微笑ましい笑顔だったらしい。
おかんはリビングに戻るやいなや
「今、玄関に女の子がおったんやけど、何にも言わんとニコニコしながらこっち見てんねん」
普通ならこんな話を聞いた時点で
お化けだ!幽霊だ!と大騒ぎになるはず。
しかし父は
「変な話するなよ、子供が怖がるやろ」
と、一笑してその話題を終わらせてしまった。
それでもおかんは
「まだいてるかも知れんからうちに入れてあげようか?」
そう言って再び立ち上がる。
「じゃ、僕も行く!」
と、私はおかんの後をついて行って玄関まで行ったのだが
既に女の子の姿はそこには無く、外灯に照らされ
真っ白な雪が音もなく降っているだけだった。
「もうおらんね」
「雪女…みたいな人かなぁ?」
「かわいい女の子やったよ」
「漫画に出てくる雪子ちゃんみたいなのかな?」
「そんな感じ…なんやろか?知らんけど」
"雪子ちゃん"とは
当時私が観ていたアニメに登場する
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結局この先、雪子ちゃんが
私たちの目の前に現れることはなく
おかんが見たと言う謎の女の子のことも
家族の間で話題に出ることはなかった。
その女の子とは一体何者で
何のためにおかんの前にだけ現れたのだろう?
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