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Epilogue. Longer than Forever
【ふたつがひとつに】
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「ムラコウ…起きて、ねぇムラコウ」
遠くから誰かに呼ばれたような気がしてふと我に返ると
隣には一糸纏わぬ姿で岸田美波が
悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
ー ヤベっ!またやらかしたのか?俺、
舞と言う彼女がいながら懲りずにまた美波と…
何と言う不謹慎な男なのだろう
こんなことばかりしてたら夢の中だけじゃなく
リアルな舞もさすがに僕の所から去ってしまう
全く何やってんだよ…
自己嫌悪に陥りかけたその刹那
「コウイチくん!コウイチくんたら、起きて!」
舞の声がする
こんなとこ見られたら終わりじゃないか…
「舞、ごめんな!もうこんなこと…!」
ー ん?どうしたのコウイチくん?
視界に飛び込んできたのは
きょとんとした顔で僕を起こす舞だった。
「夢かぁ、何だよホントに」
「ふふっ、どんな夢見てたの?舞ちゃんに言ってごらん」
「あ、いや、変な夢じゃないから、さ」
「どうだか?」
「ホントだって」
「じゃあ、んっ…」
おどけた表情で目を閉じて唇を寄せてくる舞、
これが僕たちの日常だ。
しかし最近ヤラしい夢ばかり見るな…
舞とは実習続きでなかなか会えなかったし
きっと欲求不満がピークなんだ、こんな日は…
僕は布団の中から舞の背中に手を回して
抱き寄せようとした。
「もう!コウイチくんったら!わたし、昨日から始まってるでしょ!」
「だからいいんだよ、こんな日は二人で過ごそう血まみれの休日を、はははっ」
「もう!バカなんだから!最近あの人に似てきてるよ、ほんっと!」
その時、玄関の扉が開くや否や
せっかちな足音がしたかと思うと
僕の部屋の前で止まった。
「ほら、来たよ、コウイチくんを見初めたあの人が」
コンコン!
足音の割に穏やかなノックが僕の部屋の扉に響く。
「コウイチくーん、起きてるかーい?」
「あ、今起きたとこでぇす」
「あ、その声は舞ちゃんだね?来てるの?」
「だってこの人、一人だと起きれないんですもん」
「じゃ入るよ」
「あっ!コウさん、おはよーございます」
彼の名は
高村コウ
退院後、僕が突然バンド系サークルを退部して
音楽から疎遠になりかけていた頃
突然現れた大学の先輩だ。
「おっ?舞ちゃん、今日もかわいいじゃないすか、これからデートかな?」
「はい、そうなんです」
「俺にもかわいい看護学生紹介してくれない?」
「もう!いいんですか?そんなこと言って、煌子さんに全部話しますよ!」
「あ、いや、それは、それだけは…煌子がどんだけ怖いか知らないだろ?」
「しかしコウさんがそんだけビビる彼女さん、見てみたいですね」
「しかし不思議だよなぁ、まさか舞ちゃんが俺や煌子と同じ高校に通ってたなんて」
「ほんと、ビックリですよ」
「しかもだよコウイチくん、舞ちゃんは俺の後輩と同じクラスだったんだから」
「そうなんですか?」
「あ、バスケ部の岩田…ですね?めちゃめちゃかわいい年上の彼女さんがいますよね?」
「そ!由里ちゃんね、それが煌子の友達なんだよな。ま、それもこれも縁ってわけだ、あ、これ、今度演る曲の楽譜、よろしくなコウイチ」
「了解っす」
舞や鴻一と親しげに話す彼は一体何者なのか?
その件についてはまたいつか機会を設けて
話すことになるだろう。
遠くから誰かに呼ばれたような気がしてふと我に返ると
隣には一糸纏わぬ姿で岸田美波が
悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
ー ヤベっ!またやらかしたのか?俺、
舞と言う彼女がいながら懲りずにまた美波と…
何と言う不謹慎な男なのだろう
こんなことばかりしてたら夢の中だけじゃなく
リアルな舞もさすがに僕の所から去ってしまう
全く何やってんだよ…
自己嫌悪に陥りかけたその刹那
「コウイチくん!コウイチくんたら、起きて!」
舞の声がする
こんなとこ見られたら終わりじゃないか…
「舞、ごめんな!もうこんなこと…!」
ー ん?どうしたのコウイチくん?
視界に飛び込んできたのは
きょとんとした顔で僕を起こす舞だった。
「夢かぁ、何だよホントに」
「ふふっ、どんな夢見てたの?舞ちゃんに言ってごらん」
「あ、いや、変な夢じゃないから、さ」
「どうだか?」
「ホントだって」
「じゃあ、んっ…」
おどけた表情で目を閉じて唇を寄せてくる舞、
これが僕たちの日常だ。
しかし最近ヤラしい夢ばかり見るな…
舞とは実習続きでなかなか会えなかったし
きっと欲求不満がピークなんだ、こんな日は…
僕は布団の中から舞の背中に手を回して
抱き寄せようとした。
「もう!コウイチくんったら!わたし、昨日から始まってるでしょ!」
「だからいいんだよ、こんな日は二人で過ごそう血まみれの休日を、はははっ」
「もう!バカなんだから!最近あの人に似てきてるよ、ほんっと!」
その時、玄関の扉が開くや否や
せっかちな足音がしたかと思うと
僕の部屋の前で止まった。
「ほら、来たよ、コウイチくんを見初めたあの人が」
コンコン!
足音の割に穏やかなノックが僕の部屋の扉に響く。
「コウイチくーん、起きてるかーい?」
「あ、今起きたとこでぇす」
「あ、その声は舞ちゃんだね?来てるの?」
「だってこの人、一人だと起きれないんですもん」
「じゃ入るよ」
「あっ!コウさん、おはよーございます」
彼の名は
高村コウ
退院後、僕が突然バンド系サークルを退部して
音楽から疎遠になりかけていた頃
突然現れた大学の先輩だ。
「おっ?舞ちゃん、今日もかわいいじゃないすか、これからデートかな?」
「はい、そうなんです」
「俺にもかわいい看護学生紹介してくれない?」
「もう!いいんですか?そんなこと言って、煌子さんに全部話しますよ!」
「あ、いや、それは、それだけは…煌子がどんだけ怖いか知らないだろ?」
「しかしコウさんがそんだけビビる彼女さん、見てみたいですね」
「しかし不思議だよなぁ、まさか舞ちゃんが俺や煌子と同じ高校に通ってたなんて」
「ほんと、ビックリですよ」
「しかもだよコウイチくん、舞ちゃんは俺の後輩と同じクラスだったんだから」
「そうなんですか?」
「あ、バスケ部の岩田…ですね?めちゃめちゃかわいい年上の彼女さんがいますよね?」
「そ!由里ちゃんね、それが煌子の友達なんだよな。ま、それもこれも縁ってわけだ、あ、これ、今度演る曲の楽譜、よろしくなコウイチ」
「了解っす」
舞や鴻一と親しげに話す彼は一体何者なのか?
その件についてはまたいつか機会を設けて
話すことになるだろう。
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