僕とあの娘

みつ光男

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第18章.  A Little Piece of Heaven

【Pain in my heart】

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 おもむろに枕元にある避妊具を手に取った
その袋を開ける時間すらもどかしい。

「あ、コウイチくん、上手く開けれないんだー」

舞がおどけた調子でそう言ったことで
少し正気を取り戻した。

「あれ?何でだろ、あ!開いた」

「つけてあげるね…あれ?どっちが表かな?」

「こっちじゃない?」

「あれ…コウイチくん…ふふ」

インターバルが開いたせいで
が萎縮し始めた

「あれぇ、かわいいサイズになってるよぉ」

そう言って舞は僕の股間にそっと手を添える。

「あはは、ダメだこりゃ」

「こんなになっちゃうなら、これは治療が必要だね」

 舞の指と舌先で刺激され再び屹立きつりつした
避妊具を巻き付けるように優しく装着した後

「じゃ、今度こそ」

「きて・・・」

柔らかで暖かな感触と共に
僕と舞は遂にひとつになった。


「繋がってるよ、オレたち」
「うれしい…あ、気持ち…いい」


僕と舞は最早や二匹の獣のように
本能のまま体を交える

「あ…コウイチくん…す…すごくいい」
「舞、俺もだよ…」

言葉を交わさないと正気を失いそうだ
ほんの少しだけ残された理性を保ちながら

僕は全身で舞の身体を受け止め
奥へ奥とへ潜り込んでゆく

「コ…コウイチくん…!」

僕が上乗りで舞を抱きしめると
舞は下から僕の首筋に唇を重ねてきた

そして見つめ合った二人は無心で唇を重ね
僕の身体は激しく舞を揺さぶる。

上に下に組んずほぐれつの体勢でもつれ合う二人

何分が経過しただろう…

そんなことを考える暇もないまま求め合い
そして・・・共に果てた。

 ひとつ気になったことはあまりにもスムーズに
舞の中へと挿入はいってしまったこと。

それはそれでとてもよかったのかな?
そう思いながらもうひとつ疑問が沸いた。

初めての時…って確か色々と大変だよな?

シーツに洩れたりしてないのかな?
ん?どこも色が変わってないな。

まぁ人によって差があるだろうし
舞の場合はんだろう…

そんなに気にすることもないか。

「舞…すごくよかったよ、舞はどうだった?」

疲れ果てたのか隣で横たわる舞に声をかけたのだが…

返事がない。

もう眠ってしまった?
それともまだ余韻に浸っていたい?

だとしたらデリカシー無かったな…

それとも…ま、まさか、僕では満足できない?

いつになっても舞は布団を頭から被ったまま
出てこようとしない。

「舞…どしたの?もしかして痛かった?ごめんね」

それでも舞は布団を被ったまま頭を横に振るだけ

しばしの沈黙の後、舞のか細い声が
布団の中から聞こえた。

「コウイチくん…ごめんね」

「え?」

「わたしのこと、キライになった…よね?」


何が何だか…訳がわからない。
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