僕とあの娘

みつ光男

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第17章.  愛です

【前触れ】

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 お風呂上がりにいきなり全裸で舞の前に現れたら
さすがに恋人同士とは言え引かれるだろう、

僕もそれくらいのデリカシーはわきまえている。

それでもいくらまだ下着を身に付けているとは言え
バスローブ1枚で舞のところに戻るのは
何だか照れ臭かった。

僕が浴室から戻ると舞はリラックスした表情で
メニュー表を眺めていた。

「何か食べたいのある?」

自然な感じで舞の隣に腰かける。

「あ、コウイチくん!見て見て、ほら、パフェとかあるよ」

「お、ピザもあるね…頼んじゃう?今」

「うぅん、後で…いいよ」


ー 後で・・・?

「ま…舞」

「…ん?」

気付けば二人、もつれ合うように
ベッドに横たわっていた。

舞のバスローブがはだけてその白い肌が全て露になる。

「舞…キレイだね」

「やだ、恥ずかしいよ・・・」

気取ったつもりはない、素直な感情が
そのまま言葉になって口に出た。

一度似たようなシチュエーションがあった

あの時は下着を付けていたが
今日は一糸纏わぬあられもない姿の舞

僕の心臓が凄まじい速さで脈打つのが
舞の裸体から跳ね返って響いていた。

 きつく絡め合った指を時々ほどいて
舞の体を隈なくなぞる

舞は僕の背中に手を回して
その全ての行為を受け入れてくれる。

そして僕は既に少し湿り気を帯びた
舞の下半身へ少しずつ指を這わせた。

美波の時に体感した探り探りの気持ち良さ、ではない

今は心酔して快楽の波に溺れている
それは舞も同じだろう。

きっとこれもひとつの愛の形だ
愛なんだ、愛です・・・愛だよな?

そんな言葉を頭の中で繰り返していないと
自分の中で平静が保てない

そう思った。

「舞…」

「なぁに?」

「この前の…お礼だよ」

そう言って僕は舞の秘められた部分を
指で緩やかに広げながらそっと舌を挿入した。

「あっ、あんっ!!あ!」

これまで聞いたことのない
舞の嗚咽のような妖艶な声が

妖しくライトの照らすベッドルームに響く。

「いいよ、気にせずにもっと声、出しても、誰にも聞こえないから…」

「あ、コウイチくん、そこ、あ、そんなとこ…」

「・・・ん?ここかな?」

「あぁ…き…もち…いい」

 舞が繋がれた僕の指を強く握る
下半身から胸へ、そして首筋へと

僕は少しずつ舞と目が合うところまで
顔を上げながらその白い肌をまんべんなく
愛撫していく。

そして舞の顔まで辿り着くと
お互い唇を重ね淫らに舌を絡ませる。

猥褻な音と共に唾液がお互いの口腔へと
淫らに流れ込んで行き来する

それが口元から少し溢れようとも
そんなことすら厭わなくなっていた。

そして舞は言った

「コウイチ…くん…わたしも…いいかな?」

「うん」

 あの日のように舞衣の唇が
優しくくわえ込む。

お互いに体をくねらせながら淫らにうごめき合い
ふと我に返った僕はこう言った…

「舞、挿入れていい…かな?」

舞は僕の目を見ながらゆっくりと頷いた。
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