43 / 129
第09章. “愛してる”がわからない
【体験】
しおりを挟む
高2の三学期、僕と沙弥香は
いわゆる「大人の関係」になろうとしていた。
そんなに焦る必要はなかったのだが
周りの男子友達の中には数人
既に「大人」になっている者たちがいた。
あの日、僕の部屋で沙弥香とひとつになるはずが、まさかあんなことに・・・
「え?何があったの?親に見つかった、とか?」
「いや、そんなのならまだよかった」
緊張したのか、それとも
いざと言う時に勇気が出なかったのか
求め合っていく過程の中で
事もあろうに" 僕自身 "はすっかり萎縮してしまった
きっと「女性の身体の仕組み」を
あまり理解していなかったのだろう、
濡れそぼった沙弥香の秘部を見ておののき
触れることすら出来なかったのだ。
それだけならまだよかった、そんな僕を目の前にして
何とかならないものか、と沙弥香に
あれこれと指で「刺激」された僕は
それだけで果てて発射してしまったのだ。
「え?パクっ!とかペロペロとか何もしてないのに?」
「そうだよ、恥ずかしいやら情けないやら」
「そっかぁ…でも、そんなのよくあることじゃない?」
「でもそれ以来、その娘とは何か気まずくなってしまって…」
「別れたんだ?」
僕は小さく頷いた。
「まぁ相手からすれば『私じゃダメなの?』ってなるよね」
「でもうまくいかないもんだよ、初めての時って」
「そうなのかなぁ?」
「お互いが『初めて』だとどうしてもそうなっちゃうこと、あるから」
「でもやっぱり何かカッコ悪くてさ」
「そっかぁ…でも私なんて初めての人、場所間違えてたんだから!」
「え?・・・挿入るとこを?」
ー 思わず『イテテテ!そっちじゃないよ!』
って叫んじゃった!
でも相手は全然悪びれてないし涼しい顔してた。
「ははは!そうなんだ、俺もそれくらい…」
「あ、そうだ!」
そう言うと美波はゴソゴソと
自分のカバンの中を探り始めた。
しばらくして
「あ…あった!」
美波が手にしてしたのは僕も見覚えのある
ゴムの形状をした避妊具だった。
「何で持ってんだよ、そんなの」
「あ、この前ムラコウと行ったホテルに置いてたから」
「ま、いいけどさ」
すると美波は僕の耳元でこう囁いた。
「使う?今から」
「えっ?」
「ムラコウ…いいよ、私なら全然」
「そ…そんなのって…」
「ほん…と…いいんだって…恥ずかしい?私とだと?」
「い、いや、そんなことないよ」
「気、遣わなくていいから、思ったままに…して、上手くいかなくても笑ったりしないから」
美波のその言葉に反応したのか僕はゴクリと唾を飲んだ。
「じゃ…ムラコウ、お願い、ね」
拒む理由など見つからなかった
むしろ前回思ったように
今度こんな雰囲気になれば
僕は躊躇せず美波の全てを受け入れる、
そのつもりだった。
「優しくね…ムラコウ」
美波の両手が僕の首に回された
それが合図かのように
二人は縺れ合うようにベッドに沈んでいき…
そこから先は何も覚えていない。
ふと気づくと僕の隣には
一糸纏わぬ姿の美波の姿があった。
「あ?目が覚めた?」
「え?俺、寝てたの?」
「うん、寝顔かわいかったよ」
えっ?マジで?
俺、何やってんだ?
ふと思い出したように僕は
こっそり自分の股間に手を当てがってみた。
どこかヒリヒリとした感覚が微かに残る下半身に
その名残りがあった。
何一つ記憶に残っていないが
間違いなく僕は美波とひとつに結ばれていた。
いわゆる「大人の関係」になろうとしていた。
そんなに焦る必要はなかったのだが
周りの男子友達の中には数人
既に「大人」になっている者たちがいた。
あの日、僕の部屋で沙弥香とひとつになるはずが、まさかあんなことに・・・
「え?何があったの?親に見つかった、とか?」
「いや、そんなのならまだよかった」
緊張したのか、それとも
いざと言う時に勇気が出なかったのか
求め合っていく過程の中で
事もあろうに" 僕自身 "はすっかり萎縮してしまった
きっと「女性の身体の仕組み」を
あまり理解していなかったのだろう、
濡れそぼった沙弥香の秘部を見ておののき
触れることすら出来なかったのだ。
それだけならまだよかった、そんな僕を目の前にして
何とかならないものか、と沙弥香に
あれこれと指で「刺激」された僕は
それだけで果てて発射してしまったのだ。
「え?パクっ!とかペロペロとか何もしてないのに?」
「そうだよ、恥ずかしいやら情けないやら」
「そっかぁ…でも、そんなのよくあることじゃない?」
「でもそれ以来、その娘とは何か気まずくなってしまって…」
「別れたんだ?」
僕は小さく頷いた。
「まぁ相手からすれば『私じゃダメなの?』ってなるよね」
「でもうまくいかないもんだよ、初めての時って」
「そうなのかなぁ?」
「お互いが『初めて』だとどうしてもそうなっちゃうこと、あるから」
「でもやっぱり何かカッコ悪くてさ」
「そっかぁ…でも私なんて初めての人、場所間違えてたんだから!」
「え?・・・挿入るとこを?」
ー 思わず『イテテテ!そっちじゃないよ!』
って叫んじゃった!
でも相手は全然悪びれてないし涼しい顔してた。
「ははは!そうなんだ、俺もそれくらい…」
「あ、そうだ!」
そう言うと美波はゴソゴソと
自分のカバンの中を探り始めた。
しばらくして
「あ…あった!」
美波が手にしてしたのは僕も見覚えのある
ゴムの形状をした避妊具だった。
「何で持ってんだよ、そんなの」
「あ、この前ムラコウと行ったホテルに置いてたから」
「ま、いいけどさ」
すると美波は僕の耳元でこう囁いた。
「使う?今から」
「えっ?」
「ムラコウ…いいよ、私なら全然」
「そ…そんなのって…」
「ほん…と…いいんだって…恥ずかしい?私とだと?」
「い、いや、そんなことないよ」
「気、遣わなくていいから、思ったままに…して、上手くいかなくても笑ったりしないから」
美波のその言葉に反応したのか僕はゴクリと唾を飲んだ。
「じゃ…ムラコウ、お願い、ね」
拒む理由など見つからなかった
むしろ前回思ったように
今度こんな雰囲気になれば
僕は躊躇せず美波の全てを受け入れる、
そのつもりだった。
「優しくね…ムラコウ」
美波の両手が僕の首に回された
それが合図かのように
二人は縺れ合うようにベッドに沈んでいき…
そこから先は何も覚えていない。
ふと気づくと僕の隣には
一糸纏わぬ姿の美波の姿があった。
「あ?目が覚めた?」
「え?俺、寝てたの?」
「うん、寝顔かわいかったよ」
えっ?マジで?
俺、何やってんだ?
ふと思い出したように僕は
こっそり自分の股間に手を当てがってみた。
どこかヒリヒリとした感覚が微かに残る下半身に
その名残りがあった。
何一つ記憶に残っていないが
間違いなく僕は美波とひとつに結ばれていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと
ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した!
それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。
それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する!
なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる