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第06章. 夜中の3時のロマンチック
【キレイな薔薇には】
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やはり察した通り、美波は有香には
一緒にドライブに行った事しか話していなかったようだ。
これまでも美波は何度か遊びに来ていたし
仲はよかったけど
恋愛の対象になるような存在ではないと思っていた。
それが、今回の一件でまるでこれまでの美波とは
別人のように僕の目には映り始めた。
何があったのだろう?
ただ彼氏と別れただけが原因なのだろうか?
僕はただ暇つぶしに弄ばれてる?
しかし有香の話を聞く限りでは
美波はあながち冗談でもなかったようだ。
舞の「僕への想い」を何処かで察して
妙な対抗心からあんな行動に出たのか
それとも自然な流れだったのか
そもそも舞と美波の友達事情は?
いや、僕が舞にとって気になる存在、だなんてことすら
とんだ思い上がりなのかも知れない。
色々と考えてみるとやっぱり「あの日」
舞衣と有香が下宿に来たことは
何か運命めいたものがあったのだと思う。
ただ運命の歯車が回るか回らないか、だけが
「鍵」なのだろう。
良くも悪くも美波と運命の歯車が回るならば
間違いなく二人でホテルに入った
もうひとつのあの日だったはずだ。
確かにあの時から僕の中で美波の存在は
今までより急激に大きくなっていた。
僕に触れた美波の肌の温もりや柔らかな体躯の感触が
しばらく染み付いて消えなかった。
"次" があるならばきっと僕は前回の余韻も手伝って
美波の全てを躊躇うことなく受け入れるだろう。
もしいつか、あの続きを…とそんな妄想をするだけで
美波との艶めかしい記憶が甦り
何とも言えない悶々とした気持ちになっていた。
ただ、その気持ちが形や行動となって現れる前に
美波が再び僕の目の前に現れる前に
僕は舞と再会してしまったのだ。
美波に傾きつつあった淡い想いは
舞衣との再会によって全てかき消された、
と言っていいだろう。
そう考えると僕自身とても身勝手な男ではあるが
全てを変えてしまったのは突如目の前に現れた舞の存在
言い方は悪いがもしもあの日、6月3日に
有香と共に彼女が現れさえしなければ
この先僕は例え美波ではなくとも平凡に誰かを好きになり
ごくありふれた恋愛時代を過ごしていただろう。
この先起きる山あり谷ありの
物語を作るきっかけになったのは舞に他ならない。
本人は意識しなくとも "舞" と言う大きな波は
僕と美波を…いや、舞衣と関わった全ての人たちを
飲み込んでいったように思う。
そして今後、僕と美波の関わりは
「I won't forget you」
"キミを忘れない"
そんな順風満帆な筋書きで展開するのだろうか?
むしろこの日のせいで
逆に一筋縄ではいかないように感じる、
ほんの些細な出来事として片付けるには
あまりにも印象的な体験だった。
「Every rose has its thorn」
"どんな薔薇にも棘はある"
同じバンドの曲のタイトルを例えに出すなら
むしろこの曲の方が
この先の僕と美波にはお似合いかも知れない。
一緒にドライブに行った事しか話していなかったようだ。
これまでも美波は何度か遊びに来ていたし
仲はよかったけど
恋愛の対象になるような存在ではないと思っていた。
それが、今回の一件でまるでこれまでの美波とは
別人のように僕の目には映り始めた。
何があったのだろう?
ただ彼氏と別れただけが原因なのだろうか?
僕はただ暇つぶしに弄ばれてる?
しかし有香の話を聞く限りでは
美波はあながち冗談でもなかったようだ。
舞の「僕への想い」を何処かで察して
妙な対抗心からあんな行動に出たのか
それとも自然な流れだったのか
そもそも舞と美波の友達事情は?
いや、僕が舞にとって気になる存在、だなんてことすら
とんだ思い上がりなのかも知れない。
色々と考えてみるとやっぱり「あの日」
舞衣と有香が下宿に来たことは
何か運命めいたものがあったのだと思う。
ただ運命の歯車が回るか回らないか、だけが
「鍵」なのだろう。
良くも悪くも美波と運命の歯車が回るならば
間違いなく二人でホテルに入った
もうひとつのあの日だったはずだ。
確かにあの時から僕の中で美波の存在は
今までより急激に大きくなっていた。
僕に触れた美波の肌の温もりや柔らかな体躯の感触が
しばらく染み付いて消えなかった。
"次" があるならばきっと僕は前回の余韻も手伝って
美波の全てを躊躇うことなく受け入れるだろう。
もしいつか、あの続きを…とそんな妄想をするだけで
美波との艶めかしい記憶が甦り
何とも言えない悶々とした気持ちになっていた。
ただ、その気持ちが形や行動となって現れる前に
美波が再び僕の目の前に現れる前に
僕は舞と再会してしまったのだ。
美波に傾きつつあった淡い想いは
舞衣との再会によって全てかき消された、
と言っていいだろう。
そう考えると僕自身とても身勝手な男ではあるが
全てを変えてしまったのは突如目の前に現れた舞の存在
言い方は悪いがもしもあの日、6月3日に
有香と共に彼女が現れさえしなければ
この先僕は例え美波ではなくとも平凡に誰かを好きになり
ごくありふれた恋愛時代を過ごしていただろう。
この先起きる山あり谷ありの
物語を作るきっかけになったのは舞に他ならない。
本人は意識しなくとも "舞" と言う大きな波は
僕と美波を…いや、舞衣と関わった全ての人たちを
飲み込んでいったように思う。
そして今後、僕と美波の関わりは
「I won't forget you」
"キミを忘れない"
そんな順風満帆な筋書きで展開するのだろうか?
むしろこの日のせいで
逆に一筋縄ではいかないように感じる、
ほんの些細な出来事として片付けるには
あまりにも印象的な体験だった。
「Every rose has its thorn」
"どんな薔薇にも棘はある"
同じバンドの曲のタイトルを例えに出すなら
むしろこの曲の方が
この先の僕と美波にはお似合いかも知れない。
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