25 / 129
第06章. 夜中の3時のロマンチック
【キレイな薔薇には】
しおりを挟む
やはり察した通り、美波は有香には
一緒にドライブに行った事しか話していなかったようだ。
これまでも美波は何度か遊びに来ていたし
仲はよかったけど
恋愛の対象になるような存在ではないと思っていた。
それが、今回の一件でまるでこれまでの美波とは
別人のように僕の目には映り始めた。
何があったのだろう?
ただ彼氏と別れただけが原因なのだろうか?
僕はただ暇つぶしに弄ばれてる?
しかし有香の話を聞く限りでは
美波はあながち冗談でもなかったようだ。
舞の「僕への想い」を何処かで察して
妙な対抗心からあんな行動に出たのか
それとも自然な流れだったのか
そもそも舞と美波の友達事情は?
いや、僕が舞にとって気になる存在、だなんてことすら
とんだ思い上がりなのかも知れない。
色々と考えてみるとやっぱり「あの日」
舞衣と有香が下宿に来たことは
何か運命めいたものがあったのだと思う。
ただ運命の歯車が回るか回らないか、だけが
「鍵」なのだろう。
良くも悪くも美波と運命の歯車が回るならば
間違いなく二人でホテルに入った
もうひとつのあの日だったはずだ。
確かにあの時から僕の中で美波の存在は
今までより急激に大きくなっていた。
僕に触れた美波の肌の温もりや柔らかな体躯の感触が
しばらく染み付いて消えなかった。
"次" があるならばきっと僕は前回の余韻も手伝って
美波の全てを躊躇うことなく受け入れるだろう。
もしいつか、あの続きを…とそんな妄想をするだけで
美波との艶めかしい記憶が甦り
何とも言えない悶々とした気持ちになっていた。
ただ、その気持ちが形や行動となって現れる前に
美波が再び僕の目の前に現れる前に
僕は舞と再会してしまったのだ。
美波に傾きつつあった淡い想いは
舞衣との再会によって全てかき消された、
と言っていいだろう。
そう考えると僕自身とても身勝手な男ではあるが
全てを変えてしまったのは突如目の前に現れた舞の存在
言い方は悪いがもしもあの日、6月3日に
有香と共に彼女が現れさえしなければ
この先僕は例え美波ではなくとも平凡に誰かを好きになり
ごくありふれた恋愛時代を過ごしていただろう。
この先起きる山あり谷ありの
物語を作るきっかけになったのは舞に他ならない。
本人は意識しなくとも "舞" と言う大きな波は
僕と美波を…いや、舞衣と関わった全ての人たちを
飲み込んでいったように思う。
そして今後、僕と美波の関わりは
「I won't forget you」
"キミを忘れない"
そんな順風満帆な筋書きで展開するのだろうか?
むしろこの日のせいで
逆に一筋縄ではいかないように感じる、
ほんの些細な出来事として片付けるには
あまりにも印象的な体験だった。
「Every rose has its thorn」
"どんな薔薇にも棘はある"
同じバンドの曲のタイトルを例えに出すなら
むしろこの曲の方が
この先の僕と美波にはお似合いかも知れない。
一緒にドライブに行った事しか話していなかったようだ。
これまでも美波は何度か遊びに来ていたし
仲はよかったけど
恋愛の対象になるような存在ではないと思っていた。
それが、今回の一件でまるでこれまでの美波とは
別人のように僕の目には映り始めた。
何があったのだろう?
ただ彼氏と別れただけが原因なのだろうか?
僕はただ暇つぶしに弄ばれてる?
しかし有香の話を聞く限りでは
美波はあながち冗談でもなかったようだ。
舞の「僕への想い」を何処かで察して
妙な対抗心からあんな行動に出たのか
それとも自然な流れだったのか
そもそも舞と美波の友達事情は?
いや、僕が舞にとって気になる存在、だなんてことすら
とんだ思い上がりなのかも知れない。
色々と考えてみるとやっぱり「あの日」
舞衣と有香が下宿に来たことは
何か運命めいたものがあったのだと思う。
ただ運命の歯車が回るか回らないか、だけが
「鍵」なのだろう。
良くも悪くも美波と運命の歯車が回るならば
間違いなく二人でホテルに入った
もうひとつのあの日だったはずだ。
確かにあの時から僕の中で美波の存在は
今までより急激に大きくなっていた。
僕に触れた美波の肌の温もりや柔らかな体躯の感触が
しばらく染み付いて消えなかった。
"次" があるならばきっと僕は前回の余韻も手伝って
美波の全てを躊躇うことなく受け入れるだろう。
もしいつか、あの続きを…とそんな妄想をするだけで
美波との艶めかしい記憶が甦り
何とも言えない悶々とした気持ちになっていた。
ただ、その気持ちが形や行動となって現れる前に
美波が再び僕の目の前に現れる前に
僕は舞と再会してしまったのだ。
美波に傾きつつあった淡い想いは
舞衣との再会によって全てかき消された、
と言っていいだろう。
そう考えると僕自身とても身勝手な男ではあるが
全てを変えてしまったのは突如目の前に現れた舞の存在
言い方は悪いがもしもあの日、6月3日に
有香と共に彼女が現れさえしなければ
この先僕は例え美波ではなくとも平凡に誰かを好きになり
ごくありふれた恋愛時代を過ごしていただろう。
この先起きる山あり谷ありの
物語を作るきっかけになったのは舞に他ならない。
本人は意識しなくとも "舞" と言う大きな波は
僕と美波を…いや、舞衣と関わった全ての人たちを
飲み込んでいったように思う。
そして今後、僕と美波の関わりは
「I won't forget you」
"キミを忘れない"
そんな順風満帆な筋書きで展開するのだろうか?
むしろこの日のせいで
逆に一筋縄ではいかないように感じる、
ほんの些細な出来事として片付けるには
あまりにも印象的な体験だった。
「Every rose has its thorn」
"どんな薔薇にも棘はある"
同じバンドの曲のタイトルを例えに出すなら
むしろこの曲の方が
この先の僕と美波にはお似合いかも知れない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
闇鍋【一話完結短編集】
だんぞう
ライト文芸
奇譚、SF、ファンタジー、軽めの怪談などの風味を集めた短編集です。
ジャンルを横断しているように見えるのは、「日常にある悲喜こもごもに非日常が少し混ざる」という意味では自分の中では同じカテゴリであるからです。アルファポリスさんに「ライト文芸」というジャンルがあり、本当に嬉しいです。
念のためタイトルの前に風味ジャンルを添えますので、どうぞご自由につまみ食いしてください。
読んでくださった方の良い気分転換になれれば幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる