14 / 129
第03章. ライブがはねたら
【運命前夜】
しおりを挟む
確か日を改めて別の日に舞を含めた
数人で食事に行った記憶がある。
とは言え、その時も食事中は有香の一人舞台で
舞とはあまり話した記憶がなかったから
やはり僕の中で舞の印象は限りなく薄かった。
ただ、ビジュアル的には
これまでの大学生活の中で出会った誰よりも
好みのタイプだったので
会話はなくとも僕の視線は自然と
舞に向けられていたはずだ。
それからまた何事もなかったかのように数ヶ月が過ぎ
あっという間に季節は巡った。
春休み、東京へライブを観に行くため帰省している間に
渋谷さんは卒業して関東へと就職していき
気がつけば新年度、僕は2回生となった。
その間も有香や美波とは何度か会ったりはしたけど
舞とは秋のライブ後の食事以降
一度も会う機会はなかった。
別に会いたくないわけではないけど
連絡先も知らない、帰り道で偶然会うこともない
ただ会える機会がなかったから、ただそれだけの事。
そして実を言うと
僕自身も舞の事を忘れかけていた…
その理由やきっかけはまた後ほど明らかになるので
ここでは言及しないでおく。
昨年の秋に舞と会ったのを最後に半年以上が過ぎ
気つけば季節は早くも夏を迎えようとしていた、
そんな6月初旬のことだった。
未だに僕はフラフラと
落ち着きのない生活を送っていた。
何に対しても気持ちの赴くまま
それでいて自分の欲求には驚くほどに従順
そんな自堕落な毎日だった。
そのくせ
「ラブソングみたいな恋愛できるかなあ?」
などと嘯く…
まだ僕自身が
恋に恋していた時代だったのだろう。
その代わり怖いものも何もなかった。
恋愛の楽しみも苦悩や葛藤も体験していない、
ある意味とても幸せでありながら
残念な世代…だったのかもしれない。
そんな初夏の日曜日、
僕の運命の針が急速に動き始めた。
“あの出来事”が退屈な僕の学生生活を
ガラリと変えることになる…
それは有香や美波と出会って
早や1年になろうとしていたある日のことだった。
数人で食事に行った記憶がある。
とは言え、その時も食事中は有香の一人舞台で
舞とはあまり話した記憶がなかったから
やはり僕の中で舞の印象は限りなく薄かった。
ただ、ビジュアル的には
これまでの大学生活の中で出会った誰よりも
好みのタイプだったので
会話はなくとも僕の視線は自然と
舞に向けられていたはずだ。
それからまた何事もなかったかのように数ヶ月が過ぎ
あっという間に季節は巡った。
春休み、東京へライブを観に行くため帰省している間に
渋谷さんは卒業して関東へと就職していき
気がつけば新年度、僕は2回生となった。
その間も有香や美波とは何度か会ったりはしたけど
舞とは秋のライブ後の食事以降
一度も会う機会はなかった。
別に会いたくないわけではないけど
連絡先も知らない、帰り道で偶然会うこともない
ただ会える機会がなかったから、ただそれだけの事。
そして実を言うと
僕自身も舞の事を忘れかけていた…
その理由やきっかけはまた後ほど明らかになるので
ここでは言及しないでおく。
昨年の秋に舞と会ったのを最後に半年以上が過ぎ
気つけば季節は早くも夏を迎えようとしていた、
そんな6月初旬のことだった。
未だに僕はフラフラと
落ち着きのない生活を送っていた。
何に対しても気持ちの赴くまま
それでいて自分の欲求には驚くほどに従順
そんな自堕落な毎日だった。
そのくせ
「ラブソングみたいな恋愛できるかなあ?」
などと嘯く…
まだ僕自身が
恋に恋していた時代だったのだろう。
その代わり怖いものも何もなかった。
恋愛の楽しみも苦悩や葛藤も体験していない、
ある意味とても幸せでありながら
残念な世代…だったのかもしれない。
そんな初夏の日曜日、
僕の運命の針が急速に動き始めた。
“あの出来事”が退屈な僕の学生生活を
ガラリと変えることになる…
それは有香や美波と出会って
早や1年になろうとしていたある日のことだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
流星の徒花
柴野日向
ライト文芸
若葉町に住む中学生の雨宮翔太は、通い詰めている食堂で転校生の榎本凛と出会った。
明るい少女に対し初めは興味を持たない翔太だったが、互いに重い運命を背負っていることを知り、次第に惹かれ合っていく。
残酷な境遇に抗いつつ懸命に咲き続ける徒花が、いつしか流星となるまでの物語。
どん底韋駄天這い上がれ! ー立教大学軌跡の四年間ー
七部(ななべ)
ライト文芸
高校駅伝の古豪、大阪府清風高校の三年生、横浜 快斗(よこはま かいと)は最終七区で五位入賞。いい結果、古豪の完全復活と思ったが一位からの五人落ち。眼から涙が溢れ出る。
しばらく意識が無いような状態が続いたが、大学駅伝の推薦で選ばれたのは立教大学…!
これは快斗の東京、立教大学ライフを描いたスポーツ小説です。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
イチゴ
高本 顕杜
ライト文芸
イチゴが落ちていく――、そのイチゴだけは!!
イチゴ農家の陽一が丹精込めて育てていたイチゴの株。その株のイチゴが落ちていってしまう――。必至で手を伸ばしキャッチしようとするも、そこへあるのモノが割りこんできて……。
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる