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第03章. ライブがはねたら
【運命前夜】
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確か日を改めて別の日に舞を含めた
数人で食事に行った記憶がある。
とは言え、その時も食事中は有香の一人舞台で
舞とはあまり話した記憶がなかったから
やはり僕の中で舞の印象は限りなく薄かった。
ただ、ビジュアル的には
これまでの大学生活の中で出会った誰よりも
好みのタイプだったので
会話はなくとも僕の視線は自然と
舞に向けられていたはずだ。
それからまた何事もなかったかのように数ヶ月が過ぎ
あっという間に季節は巡った。
春休み、東京へライブを観に行くため帰省している間に
渋谷さんは卒業して関東へと就職していき
気がつけば新年度、僕は2回生となった。
その間も有香や美波とは何度か会ったりはしたけど
舞とは秋のライブ後の食事以降
一度も会う機会はなかった。
別に会いたくないわけではないけど
連絡先も知らない、帰り道で偶然会うこともない
ただ会える機会がなかったから、ただそれだけの事。
そして実を言うと
僕自身も舞の事を忘れかけていた…
その理由やきっかけはまた後ほど明らかになるので
ここでは言及しないでおく。
昨年の秋に舞と会ったのを最後に半年以上が過ぎ
気つけば季節は早くも夏を迎えようとしていた、
そんな6月初旬のことだった。
未だに僕はフラフラと
落ち着きのない生活を送っていた。
何に対しても気持ちの赴くまま
それでいて自分の欲求には驚くほどに従順
そんな自堕落な毎日だった。
そのくせ
「ラブソングみたいな恋愛できるかなあ?」
などと嘯く…
まだ僕自身が
恋に恋していた時代だったのだろう。
その代わり怖いものも何もなかった。
恋愛の楽しみも苦悩や葛藤も体験していない、
ある意味とても幸せでありながら
残念な世代…だったのかもしれない。
そんな初夏の日曜日、
僕の運命の針が急速に動き始めた。
“あの出来事”が退屈な僕の学生生活を
ガラリと変えることになる…
それは有香や美波と出会って
早や1年になろうとしていたある日のことだった。
数人で食事に行った記憶がある。
とは言え、その時も食事中は有香の一人舞台で
舞とはあまり話した記憶がなかったから
やはり僕の中で舞の印象は限りなく薄かった。
ただ、ビジュアル的には
これまでの大学生活の中で出会った誰よりも
好みのタイプだったので
会話はなくとも僕の視線は自然と
舞に向けられていたはずだ。
それからまた何事もなかったかのように数ヶ月が過ぎ
あっという間に季節は巡った。
春休み、東京へライブを観に行くため帰省している間に
渋谷さんは卒業して関東へと就職していき
気がつけば新年度、僕は2回生となった。
その間も有香や美波とは何度か会ったりはしたけど
舞とは秋のライブ後の食事以降
一度も会う機会はなかった。
別に会いたくないわけではないけど
連絡先も知らない、帰り道で偶然会うこともない
ただ会える機会がなかったから、ただそれだけの事。
そして実を言うと
僕自身も舞の事を忘れかけていた…
その理由やきっかけはまた後ほど明らかになるので
ここでは言及しないでおく。
昨年の秋に舞と会ったのを最後に半年以上が過ぎ
気つけば季節は早くも夏を迎えようとしていた、
そんな6月初旬のことだった。
未だに僕はフラフラと
落ち着きのない生活を送っていた。
何に対しても気持ちの赴くまま
それでいて自分の欲求には驚くほどに従順
そんな自堕落な毎日だった。
そのくせ
「ラブソングみたいな恋愛できるかなあ?」
などと嘯く…
まだ僕自身が
恋に恋していた時代だったのだろう。
その代わり怖いものも何もなかった。
恋愛の楽しみも苦悩や葛藤も体験していない、
ある意味とても幸せでありながら
残念な世代…だったのかもしれない。
そんな初夏の日曜日、
僕の運命の針が急速に動き始めた。
“あの出来事”が退屈な僕の学生生活を
ガラリと変えることになる…
それは有香や美波と出会って
早や1年になろうとしていたある日のことだった。
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