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Ⅶ. 有象無象の魑魅魍魎
【2つの能力】
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「ちっ!しくじったか…しかしどうやって残りの2体を…倒した?」
エミカが耳をすますと
やはりその声は地底から聞こえてくる。
ー 何やろ?やっぱりパペッツ?
それにしてはゾンビを使って攻撃してくるなんて
この人が持ってるのはそう言う能力…なんやろか?
「ならば我が世界に引き入れてくれよう…
ムーヴィン・アウトの能力でな」
その瞬間、大きな地響きがして
地面に大きな亀裂が入った。
ー あかん…引き込まれる!
その時、再び2本の手が
地割れのすき間から伸びて
エミカを後方へと押しやったおかげで
ひび割れた地面への落下を防いでくれた。
「あ、あいたたた…また、あの手や…ん?」
ー あのリストバンド…もしかして?
「くそっ!誰ださっきから…邪魔ばかり」
そんな声と共に裂け目からせり上がってきた
一人の男、
全身黒ずくめでボサボサの髪、
顎には無精ひげ、メイクをしているのか
目の周囲も真っ黒の不気味な様相。
「うわっ!気持ち悪っ!」
「貴様!"気持ち悪い"とは何事だ!初対面なのに失礼なヤツだな」
「あ、もうこっち来んといてって!」
「ならば…もう少し…オレ様は人が嫌がることが大好きでな」
不気味な男が1メートル四方にまで
近づいてきたのを確信したエミカは
「あぁあ…残念、終わったな…あんた」
「何のことだ?」
「もう私の結界の射程距離に入ってしもてるやん」
「な、何だと!?」
「シルバー…ペンタグラム!」
その瞬間、男の周りを取り囲むように
地面に逆さまになった星形が現れ
そこから白煙が立ち上る。
「な…なぬ!貴様の能力…ひとつではないのか?」
エミカは相手を挑発することによって
自分が張った結界へと誘導していたのだった。
「あんたらみたいな"まがい物"の能力と一緒にせんといてな」
― 私ら"Kの戦士"はな、
生まれもってのインテレクチュアルやねん
遺伝子配合で作られたその場しのぎの能力とは
訳が違うねんで
「ならば…ムーヴィン・アウトで時空の裂け目へと落とし込んで…何っ!」
「おおきにな気色悪いお兄さん、アナタのその能力のおかげでキレイに結界が張れたわー」
男の能力によって作られた地面のひび割れに
引っ掛けて固定する要領で
エミカは敵が気づかない間に敵の前後左右全てに
銀色の強力な糸のような結界を張り巡らせた
そのためもう彼は身動きひとつ取れない。
「さて…これで勝負あったやんな…名前くらいは聞いといたろか?」
「我が名はO-Ja、ゾンビを操る者なり…これで勝った気になったか?LBKの戦士よ」
「はいはい、言い残すことはそれだけ?」
「出でよ!混合種!」
再び地面がひび割れそこから無数の手が伸びる
「きゃっ!…とでも言うと思った?」
「何だと?」
「私のヘルファイアをこの結界の糸に引火させたら…」
「何?もう"回復"したのか?」
「や・か・ら…一緒にせんといて言うたやろ?」
「う、うぎゃー!」
一瞬の出来事だった、全てを燃やし尽くす
エミカの能力"ヘルファイア・スナイプ"によって
O-jaなるパペットもゾンビたちも
そして厩舎の一角も真っ黒な灰と化した。
「申し訳ないわぁ、せやからこう言うとこで使いたくなかってんな」
しかし…こんな一般人がいる施設にまで
刺客を送り込んでくるやなんて
レーテルはそろそろ手段を選ばんように
なってきたな…
早速サヤカさんに連絡せなあかん。
エミカが耳をすますと
やはりその声は地底から聞こえてくる。
ー 何やろ?やっぱりパペッツ?
それにしてはゾンビを使って攻撃してくるなんて
この人が持ってるのはそう言う能力…なんやろか?
「ならば我が世界に引き入れてくれよう…
ムーヴィン・アウトの能力でな」
その瞬間、大きな地響きがして
地面に大きな亀裂が入った。
ー あかん…引き込まれる!
その時、再び2本の手が
地割れのすき間から伸びて
エミカを後方へと押しやったおかげで
ひび割れた地面への落下を防いでくれた。
「あ、あいたたた…また、あの手や…ん?」
ー あのリストバンド…もしかして?
「くそっ!誰ださっきから…邪魔ばかり」
そんな声と共に裂け目からせり上がってきた
一人の男、
全身黒ずくめでボサボサの髪、
顎には無精ひげ、メイクをしているのか
目の周囲も真っ黒の不気味な様相。
「うわっ!気持ち悪っ!」
「貴様!"気持ち悪い"とは何事だ!初対面なのに失礼なヤツだな」
「あ、もうこっち来んといてって!」
「ならば…もう少し…オレ様は人が嫌がることが大好きでな」
不気味な男が1メートル四方にまで
近づいてきたのを確信したエミカは
「あぁあ…残念、終わったな…あんた」
「何のことだ?」
「もう私の結界の射程距離に入ってしもてるやん」
「な、何だと!?」
「シルバー…ペンタグラム!」
その瞬間、男の周りを取り囲むように
地面に逆さまになった星形が現れ
そこから白煙が立ち上る。
「な…なぬ!貴様の能力…ひとつではないのか?」
エミカは相手を挑発することによって
自分が張った結界へと誘導していたのだった。
「あんたらみたいな"まがい物"の能力と一緒にせんといてな」
― 私ら"Kの戦士"はな、
生まれもってのインテレクチュアルやねん
遺伝子配合で作られたその場しのぎの能力とは
訳が違うねんで
「ならば…ムーヴィン・アウトで時空の裂け目へと落とし込んで…何っ!」
「おおきにな気色悪いお兄さん、アナタのその能力のおかげでキレイに結界が張れたわー」
男の能力によって作られた地面のひび割れに
引っ掛けて固定する要領で
エミカは敵が気づかない間に敵の前後左右全てに
銀色の強力な糸のような結界を張り巡らせた
そのためもう彼は身動きひとつ取れない。
「さて…これで勝負あったやんな…名前くらいは聞いといたろか?」
「我が名はO-Ja、ゾンビを操る者なり…これで勝った気になったか?LBKの戦士よ」
「はいはい、言い残すことはそれだけ?」
「出でよ!混合種!」
再び地面がひび割れそこから無数の手が伸びる
「きゃっ!…とでも言うと思った?」
「何だと?」
「私のヘルファイアをこの結界の糸に引火させたら…」
「何?もう"回復"したのか?」
「や・か・ら…一緒にせんといて言うたやろ?」
「う、うぎゃー!」
一瞬の出来事だった、全てを燃やし尽くす
エミカの能力"ヘルファイア・スナイプ"によって
O-jaなるパペットもゾンビたちも
そして厩舎の一角も真っ黒な灰と化した。
「申し訳ないわぁ、せやからこう言うとこで使いたくなかってんな」
しかし…こんな一般人がいる施設にまで
刺客を送り込んでくるやなんて
レーテルはそろそろ手段を選ばんように
なってきたな…
早速サヤカさんに連絡せなあかん。
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