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Ⅳ. Memories Of Desperation
【LBK】
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夜昼タウンでエミカに命を助けられた「あの日」以来
僕はこの謎だらけの組織、LBKの一員となり
資材の整理や運搬と言った
雑用のような仕事を毎日している、
エミカが言っていた"正義の味方"などに
雑用係の僕がなれる日がくるのだろうか?
新しく配属の決まった部署は
先日から出勤していた会社と同系列の組織なので
"働く場所が変わった"だけかと思いきや
仕事内容は正に営業とは真逆の力仕事ばかり。
またこの施設は病院のようでもあり
研究室らしくもあり、それでいて
警察や官庁のような厳かな雰囲気も持ち合わせている。
そしてサヤカとの再会を果たした、
彼女の素性について詳しく聞く機会はなかったものの
サヤカが所属しているアイドルグループ
Choosen Onesの所属事務所はこの組織の直系らしく
表向きは芸能プロダクションなのだが
普段は芸能人として活動しながら
知力・体力が伴うある優れたメンバーに限り
このような特殊部隊にスカウトされる。
LBKが取り扱う事件は今回のゾンビと言った
未確認生物に関する調査であったり
ストーカーや猟奇犯罪事件への潜入捜査と言った
いずれも生命の危険を伴う業務、とのこと。
サヤカからは
「いずれは兄さんもそっちの部署で」
そう言われたが
僕のような何の取り柄もない男が
そのような特殊任務をこなせるのだろうか?
しかしそんな僕の思いとは裏腹に
しばらくすると雑用のみならず施設内の別室で
「訓練」と呼ばれる時間が設けられた。
訓練…?何のための?
凶悪犯と対峙した時のためだろうか?
それにしてはその内容が異質すぎる。
例えば高温の室内で
サウナスーツを着込んでひたすら歩かされたり
無重力状態で制限時間内に食事をする、など
これに何の意味があるのか?と言うような
ハードな実地訓練を受けることになった。
もはや仕事ではなく訓練のために出社している
そんな毎日だった。
これらの訓練がこの先
何か役に立つのだろうかと思いつつ
日々の過酷な訓練のおかげで
体は恐ろしいほどに引き締まり
身体能力がアスリート並みに向上していた。
ハードなトレーニングを共有したことで
周りの人たちとも連帯感が生まれたのか
どちらかと言えば内向的な性格の僕が
いつしか誰とも打ち解けて
仲良く会話するようになっていた。
その中でも右も左もわからない僕に
あれこれ手を焼いてくれたのはサヤカだった。
僕はこの謎だらけの組織、LBKの一員となり
資材の整理や運搬と言った
雑用のような仕事を毎日している、
エミカが言っていた"正義の味方"などに
雑用係の僕がなれる日がくるのだろうか?
新しく配属の決まった部署は
先日から出勤していた会社と同系列の組織なので
"働く場所が変わった"だけかと思いきや
仕事内容は正に営業とは真逆の力仕事ばかり。
またこの施設は病院のようでもあり
研究室らしくもあり、それでいて
警察や官庁のような厳かな雰囲気も持ち合わせている。
そしてサヤカとの再会を果たした、
彼女の素性について詳しく聞く機会はなかったものの
サヤカが所属しているアイドルグループ
Choosen Onesの所属事務所はこの組織の直系らしく
表向きは芸能プロダクションなのだが
普段は芸能人として活動しながら
知力・体力が伴うある優れたメンバーに限り
このような特殊部隊にスカウトされる。
LBKが取り扱う事件は今回のゾンビと言った
未確認生物に関する調査であったり
ストーカーや猟奇犯罪事件への潜入捜査と言った
いずれも生命の危険を伴う業務、とのこと。
サヤカからは
「いずれは兄さんもそっちの部署で」
そう言われたが
僕のような何の取り柄もない男が
そのような特殊任務をこなせるのだろうか?
しかしそんな僕の思いとは裏腹に
しばらくすると雑用のみならず施設内の別室で
「訓練」と呼ばれる時間が設けられた。
訓練…?何のための?
凶悪犯と対峙した時のためだろうか?
それにしてはその内容が異質すぎる。
例えば高温の室内で
サウナスーツを着込んでひたすら歩かされたり
無重力状態で制限時間内に食事をする、など
これに何の意味があるのか?と言うような
ハードな実地訓練を受けることになった。
もはや仕事ではなく訓練のために出社している
そんな毎日だった。
これらの訓練がこの先
何か役に立つのだろうかと思いつつ
日々の過酷な訓練のおかげで
体は恐ろしいほどに引き締まり
身体能力がアスリート並みに向上していた。
ハードなトレーニングを共有したことで
周りの人たちとも連帯感が生まれたのか
どちらかと言えば内向的な性格の僕が
いつしか誰とも打ち解けて
仲良く会話するようになっていた。
その中でも右も左もわからない僕に
あれこれ手を焼いてくれたのはサヤカだった。
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