34 / 71
Ⅱ. 夕焼けのブランコ
【全ては謎のまま】
しおりを挟む
死後、行方不明となっていたアカリとの再会が
このような形で訪れるとは…
もはやアイドルだったころの面影など
そこにはなく
ただただ食欲を満たそうと唸り声を上げながら
醜い表情で客席を闊歩している。
「アカリ、『今のあんた』を兄さんに見せるわけには…」
そう呟いたサヤカは
ミルカと同様にゾンビ化して
逃げ惑う人々を追いかけていたアカリを
躊躇なく撃ち抜いた。
至近距離からの射撃にアカリの首から上は吹き飛び
見る影もなく赤い肉片と化した。
頭部を失ってもそれでもまだ酩酊状態で
蠢くアカリに
サヤカは躊躇うことなく銃口を向けた。
「もう…私のことも…誰かわかれへんのやね…ごめんな、アカリ」
バンバンッ!
2発の銃声が鳴り響き
僕が元の場所に戻った時は全てが終わっていた。
「二人とも?」
「うん…さ、後は任せましょう」
サヤカのもとに駆けつけた僕はゾンビ化した
アカリの姿を見るとこはなかった。
その前に援護部隊が現れ、
既に二人の亡骸は回収されていたのだ。
「見せられへん…あんたのことを推してたあの人にこの姿は」
サヤカは涙を飲み込んでこう呟いた。
その声は当然、僕の耳に入ることはなかった。
今回、悲劇は事前に防がれて
何とか最低限の犠牲で済んだ。
しかしアカリに続き、ミルカも命を落とした。
この辛い現実をC.O.の若いメンバーたちは
受け入れられるだろうか…
ただ、アカリをゾンビ化させ
ミルカを亡き者にしたカナコは
誰の命令で何のためにこんな事をしたのか。
いたずらに騒動を誘発させるためか?
それとも人々にゾンビの恐怖を植え付けるためか?
何かが起これば当然犠牲は免れないだろう
愉快犯で済まされる事項とは思えない。
そして「ゾンビ計画」は今後
どのような形で進行していくのか、
全ては未解決のままだった。
このような形で訪れるとは…
もはやアイドルだったころの面影など
そこにはなく
ただただ食欲を満たそうと唸り声を上げながら
醜い表情で客席を闊歩している。
「アカリ、『今のあんた』を兄さんに見せるわけには…」
そう呟いたサヤカは
ミルカと同様にゾンビ化して
逃げ惑う人々を追いかけていたアカリを
躊躇なく撃ち抜いた。
至近距離からの射撃にアカリの首から上は吹き飛び
見る影もなく赤い肉片と化した。
頭部を失ってもそれでもまだ酩酊状態で
蠢くアカリに
サヤカは躊躇うことなく銃口を向けた。
「もう…私のことも…誰かわかれへんのやね…ごめんな、アカリ」
バンバンッ!
2発の銃声が鳴り響き
僕が元の場所に戻った時は全てが終わっていた。
「二人とも?」
「うん…さ、後は任せましょう」
サヤカのもとに駆けつけた僕はゾンビ化した
アカリの姿を見るとこはなかった。
その前に援護部隊が現れ、
既に二人の亡骸は回収されていたのだ。
「見せられへん…あんたのことを推してたあの人にこの姿は」
サヤカは涙を飲み込んでこう呟いた。
その声は当然、僕の耳に入ることはなかった。
今回、悲劇は事前に防がれて
何とか最低限の犠牲で済んだ。
しかしアカリに続き、ミルカも命を落とした。
この辛い現実をC.O.の若いメンバーたちは
受け入れられるだろうか…
ただ、アカリをゾンビ化させ
ミルカを亡き者にしたカナコは
誰の命令で何のためにこんな事をしたのか。
いたずらに騒動を誘発させるためか?
それとも人々にゾンビの恐怖を植え付けるためか?
何かが起これば当然犠牲は免れないだろう
愉快犯で済まされる事項とは思えない。
そして「ゾンビ計画」は今後
どのような形で進行していくのか、
全ては未解決のままだった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ルール
新菜いに/丹㑚仁戻
ホラー
放課後の恒例となった、友達同士でする怪談話。
その日聞いた怪談は、実は高校の近所が舞台となっていた。
主人公の亜美は怖がりだったが、周りの好奇心に押されその場所へと向かうことに。
その怪談は何を伝えようとしていたのか――その意味を知ったときには、もう遅い。
□第6回ホラー・ミステリー小説大賞にて奨励賞をいただきました□
※章ごとに登場人物や時代が変わる連作短編のような構成です(第一章と最後の二章は同じ登場人物)。
※結構グロいです。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
©2022 新菜いに
煩い人
星来香文子
ホラー
陽光学園高学校は、新校舎建設中の間、夜間学校・月光学園の校舎を昼の間借りることになった。
「夜七時以降、陽光学園の生徒は校舎にいてはいけない」という校則があるのにも関わらず、ある一人の女子生徒が忘れ物を取りに行ってしまう。
彼女はそこで、肌も髪も真っ白で、美しい人を見た。
それから彼女は何度も狂ったように夜の学校に出入りするようになり、いつの間にか姿を消したという。
彼女の親友だった美波は、真相を探るため一人、夜間学校に潜入するのだが……
(全7話)
※タイトルは「わずらいびと」と読みます
※カクヨムでも掲載しています
禁踏区
nami
ホラー
月隠村を取り囲む山には絶対に足を踏み入れてはいけない場所があるらしい。
そこには巨大な屋敷があり、そこに入ると決して生きて帰ることはできないという……
隠された道の先に聳える巨大な廃屋。
そこで様々な怪異に遭遇する凛達。
しかし、本当の恐怖は廃屋から脱出した後に待ち受けていた──
都市伝説と呪いの田舎ホラー
声にならない声の主
山村京二
ホラー
『Elote』に隠された哀しみと狂気の物語
アメリカ・ルイジアナ州の農場に一人の少女の姿。トウモロコシを盗んだのは、飢えを凌ぐためのほんの出来心だった。里子を含めた子供たちと暮らす農場経営者のベビーシッターとなったマリアは、夜な夜な不気味な声が聞こえた気がした。
その声に導かれて経営者夫妻の秘密が明らかになった時、気づいてしまった真実とは。
狂気と哀しみが入り混じった展開に、驚愕のラストが待ち受ける。
バベルの塔の上で
三石成
ホラー
一条大和は、『あらゆる言語が母国語である日本語として聞こえ、あらゆる言語を日本語として話せる』という特殊能力を持っていた。その能力を活かし、オーストラリアで通訳として働いていた大和の元に、旧い友人から助けを求めるメールが届く。
友人の名は真澄。幼少期に大和と真澄が暮らした村はダムの底に沈んでしまったが、いまだにその近くの集落に住む彼の元に、何語かもわからない言語を話す、長い白髪を持つ謎の男が現れたのだという。
その謎の男とも、自分ならば話せるだろうという確信を持った大和は、真澄の求めに応じて、日本へと帰国する——。
甘いマスクは、イチゴジャムがお好き
猫宮乾
ホラー
人間の顔面にはり付いて、その者に成り代わる〝マスク〟という存在を、見つけて排除するのが仕事の特殊捜査局の、梓藤冬親の日常です。※サクサク人が死にます。【完結済】
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる