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序章. 0と1との境界線
【回顧録 #1】
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そもそもホラー映画なんてのが
子供の頃から大の苦手だった。
ゾンビものの映画のCMを偶然観た夜は
怖くてトイレにも行けない、
そんなごくごく普通の小学生だった
僕、由良野啓太には
例えばホラー好きな同級生がいたとしても
きっと友達になどならなかったはずだ。
しかし、きっかけとは不思議なもので
ある日を境に僕は
血飛沫の飛び散るスプラッターホラーですら
食事をしながら観るほどになっていた。
何がきっかけだったのか?
なんて覚えているはずもない
もしかしたらそれなのでは?と
該当する事項があるならば
おそらくあの日だ
忘れもしない高校1年の文化祭前夜、
準備のため校舎に泊まり込みをした時
クラスメイトと観たあの映画のせいかも知れない
それは
好きな女子に怖がりだと悟られたくない、
などと言う
ありがちな理由からだと推測される。
そんな僕もいつしか大人と呼ばれる世代になり
一人前に人の親になっていた。
そしてその "血" はどうも
息子であるシオンにも引き継がれたようだ。
あれは確かシオンが小学校高学年の頃、
僕がリビングでホラー映画を観ていると
隣に座っていたのがシオンだった。
ゾンビが登場する映画ではあったが
どちらかと言えば勧善懲悪のストーリー
少々グロテスクな映像ですら
シオンは目を輝かせながら僕と共に映画を観ていた。
その日から僕たちはこのような
あり得ないシチュエーションに期待して
二人、ホラー映画の主役を気取ったりしていた。
こんなことが実際に起きたら
二人、力を合わせて戦おうと。
当然ながらこの時は冗談のつもりだった、
あの日を迎えるまでは…
子供の頃から大の苦手だった。
ゾンビものの映画のCMを偶然観た夜は
怖くてトイレにも行けない、
そんなごくごく普通の小学生だった
僕、由良野啓太には
例えばホラー好きな同級生がいたとしても
きっと友達になどならなかったはずだ。
しかし、きっかけとは不思議なもので
ある日を境に僕は
血飛沫の飛び散るスプラッターホラーですら
食事をしながら観るほどになっていた。
何がきっかけだったのか?
なんて覚えているはずもない
もしかしたらそれなのでは?と
該当する事項があるならば
おそらくあの日だ
忘れもしない高校1年の文化祭前夜、
準備のため校舎に泊まり込みをした時
クラスメイトと観たあの映画のせいかも知れない
それは
好きな女子に怖がりだと悟られたくない、
などと言う
ありがちな理由からだと推測される。
そんな僕もいつしか大人と呼ばれる世代になり
一人前に人の親になっていた。
そしてその "血" はどうも
息子であるシオンにも引き継がれたようだ。
あれは確かシオンが小学校高学年の頃、
僕がリビングでホラー映画を観ていると
隣に座っていたのがシオンだった。
ゾンビが登場する映画ではあったが
どちらかと言えば勧善懲悪のストーリー
少々グロテスクな映像ですら
シオンは目を輝かせながら僕と共に映画を観ていた。
その日から僕たちはこのような
あり得ないシチュエーションに期待して
二人、ホラー映画の主役を気取ったりしていた。
こんなことが実際に起きたら
二人、力を合わせて戦おうと。
当然ながらこの時は冗談のつもりだった、
あの日を迎えるまでは…
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