俺と彼女の共呑み日記

味噌漬け

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第10話 梅の豚バラそうめん 中編

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 ご飯を食べ始めて、しばらく後…。 
 今、俺の部屋は女性陣の笑い声によって混沌と化していた。
 ちなみに気絶していたコーハイも復活してそうめんを食べている。気絶から回復させたのもセンパイなのだが方法は割愛で。とりあえずイチャイチャしてたってことは言っておこう。

「あっはは!美味しいですねぇ!!」

「本当だな!久しぶりにシゲくんの料理食べたが素麺の喉越しも良いし絶品だ!!」

 水国さんは笑いながらお酒をグイグイと飲み、センパイはそうめんを啜っている。

「高橋さん、箸止まってますよ!もっと食べましょう!!」

「そうだぞ!カズくんも飲め飲め~!」

 水国さんがグラスを持ちながら満面の笑みで俺に近づいてくる。
 センパイもそれに乗っかったのかコーハイの首に手を回し、頬を擦り寄せていた。

「やっ…やめろって!千尋!シゲ先輩達の前だぞ!というか、俺酒飲めないって知ってるでしょ!」

「ふふふっ!仲良いんですねぇ?」

 コーハイとセンパイがイチャつき、それを水国さんがからかうような目で微笑んでいた。
 しばらくするとコーハイは何とかセンパイの拘束を解いて俺の方へ避難してきた。

「はぁっ…はぁ…。」

 相当キツかったのか息を切らしている。肉体的というより精神的に疲れているようだ。

「あーなんというか…お疲れ様。」

「痛くもないっすし大丈夫なんすけど…人前でされるのはちょっとつらいっす…」

 いっつも俺の前でイチャイチャしてるくせによく言うなぁ…。
 まぁ確かにあんなベッタリされると気疲れもするか。
 コーハイは疲れた顔をしながらも目の前で笑顔でそうめんを食べる水国さんを見ながら小声で呟く。

「それにしても水国先輩って物静かなイメージあったんすけど…意外と明るい方なんすね。」

「あーまぁな。」

 酒飲むとっていう条件付きだが。いや、声が少し小さいくらいで元から喋る方ではあるか。

「コラー!カズくん何逃げてるんだー!そうめんがのびるぞ~!」

「そうですよコーハイさん!このそうめん、麺の喉越しも良いし梅の香りもサッパリしてて本当に美味しんですから!センパイさんが持ってきてくれた日本酒も合いますよ!」

「わっ…わかったっすから!っていうか水国先輩、食レポ上手いっすね!あ!?千尋!足掴むな!あぁ~!!」

 俺はセンパイにいじられるコーハイを見ながら酒を飲む。
 そんな俺に水国さんが近づいてくる。

「うふふっ!楽しいですね高橋さん!」

「あぁ。そうだな。」

「高橋さんのご飯も美味しいですし、センパイさんもコーハイさんも良い人で本当に楽しい…。今日は最高の日です!」

 そう言われると彼らの友人である俺としても嬉しくなる。
 俺達が話しているとイチャついてる二人がさらにベッタリしていた。

「はーい!カズくんあ~ん!」

「いや!だから!先輩達が見ているっ…」

「な~に~?私からの愛がいらないというのか!?」

「そうは言ってな…モガッ!!」

 大きく口を開けたコーハイの隙をつき、口の中にそうめんを入れるセンパイ。
 コーハイは嫌そうな態度を取りながらも何やかんやで幸せそうだった。

「ふふっ…。私達も食べましょうか。高橋さん。」

「そうだな。」

 俺達はラブラブな二人を見て、互いに顔合わせると苦笑いしつつそうめんを食べ始めた。





 食べ終わった私はお酒を飲みすぎてしまったからか、酔いでテーブルに頭を乗せ休んでいた。

「えへへ…。飲み過ぎちゃいました~。」

 頭もクラクラするし、少し気持ち悪い。
 そんな私を見て、洗い物を終えた高橋さんが心配して水を持ってきてくれた。

「大丈夫か…?」

「す、すみません。」

 水を受け取って飲むと気分が晴れてきた。

「ふぅ…楽になりました。ありがとうございます。」

「そうか。それなら良いんだが…。」

 高橋さんはまだ心配そうな目でこちらを見ている。
 
「心配しなくても大丈夫ですよ!もう気分は良くなりましたから!!」

 私は笑顔で腕を振り回し元気であることをアピールする。
 実際、冷たい水を飲んだからか大分酔いも覚めてきた。
 私達がそんなやり取りしているとセンパイさんが話しかけてきた。

「ねぇねぇシゲくん?すまない…一つ頼みがあるんだが…?」

「なんです?センパイ?」

「悪いけど今日、泊めさせてもらえないかい?」

「えっ…それは…」

「そうか…まぁ仕方ないね。今日は…歩きで来ちゃったし電車も駅につく頃にないだろうけど、仕方ない!今夜はカズくんとラブラブ野宿でもしよう!」

 センパイさん…流石にそれは酷いんじゃないでしょうか…。
 そんなこと言ったら優しい高橋さんが放って置くはずがないでしょう。

「はぁ…わかりました。ですが俺の部屋じゃ流石にこの人数は無理ですよ。それに男女で同じ部屋で寝るわけにもいかないでしょう。」

「相変わらず固いなぁ…シゲくんは…。でも確かにどうしようか…?」

 部屋…高橋さんの部屋で狭いのなら別の部屋があれば足りるってことですよね?それなら…

「センパイさん。それなら私の部屋に泊まるのはいかがですか?」

 私がそう提案するとセンパイさんは目を見開く。

「良いのかい?私としては嬉しいのだが。」

「えぇ。私は大丈夫ですよ。」

「そうか…それならお言葉に甘えようかな。」

 センパイさんがそう言うと、高橋さんが話しかけてきた。

「大丈夫なのか?」

「はい!大丈夫です。」

「水国さんが良いなら…良いが。」

 彼とのやり取りを終えた後、コーハイさんがトイレから出てきた。
 いつの間にかご飯が終わった後、入っていたらしい。

「あれ?なんの話をしてるっすか?」

「あぁ…今日は男女で分けて別の部屋に泊まらないかって話してたんだ。コーハイは大丈夫か?」

「俺は大丈夫っすけど。別の部屋って?」

「センパイと水国さんは水国さんの部屋に泊まって、お前と俺がこの部屋って感じだな。」

「なるほど。ありがとうっす!」

 どうやらコーハイさんも納得してくれたらしい。
 それなら私が長居するわけにはいかないだろう。
 私は急いで荷物をまとめた。
 センパイさんも同様に荷物を素早くまとめ、外に出る準備を済ませる。

「それじゃあおやすみなさい。」

「おやすみ!二人共!!」

「あぁ。おやすみ。」

「おやすみっす!」

 私とセンパイさんはそう言うとすぐ隣りにある私の部屋に向かった。
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