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【 花の章 】―弐―
237 祇園御霊会、後祭
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部屋へ戻るも土方さんはいなくて、屯所内を探して回れば、あまり人気がない外廊下の先で腕を組んで立つ後ろ姿を見つけた。
「土方さん」
「琴月か」
私の呼びかけに振り向くその顔は、いつもの覇気がどこにも見当たらない。
無言のまま再び視線を外へと戻すから、やけに小さく見えるその背中に遠慮なく近づいた。
「お祭り、まだ間に合いますよ」
「悪い。気分じゃねぇや」
「はい。でも、行きませんか?」
「俺はいい。行きてぇなら誰か誘って行ってこい。俺は明日の準備もしなきゃならねぇんだ」
そう言って、この場を立ち去ろうとする腕を掴んで引きとめた。
「行かねぇって言って――」
「行くんです! 明日の準備も掃除も終わってます! ちゃんと終わらせて待ってたんです!」
まだ何かぶつぶつ言っているけれど、全部無視して強引に連れ出した。
引き返されたらまた振り出しに戻ってしまうから、腕は離さず、足取りの重い土方さんの腕を引っ張るようにして歩く。
途中、今日は非番でお祭りの帰りだという原田さんと、おまさちゃんに会った。
二人の子供である茂くんは原田さんに肩車をされていて、その手に握った風車を楽しそうにくるくると回している。
「二人は何してんだ?」
原田さんが不思議そうに訊いてきた。
どこいくんだ? と訊かなかったのは、私が土方さんを連行しているようにしか見えなかったかららしい。まぁ実際、無理やり連れだしているので間違ってはいないのだけれど。
だから、祇園御霊会へいくのだと告げたら驚かれた。
「土方さんが忙しいのはわかるが、祭りくらい楽しまないと損だぜ!」
守護職屋敷での出来事をまだ知らない原田さんが、土方さんの背中を笑いながらバンっと強く叩けば、おまさちゃんもポンと自身の手を打ち鳴らす。
「そうや、ええこと思いついた! 二人とも、少しだけウチに寄ってもらえしまへんか?」
「えっと……今日はお祭りに行くから……」
「うん。そやさかい少しでええの」
土方さんの顔を見れば、好きにしろと言わんばかりに無関心で、結局、妙に強引なおまさちゃんに押しきられ寄ることになったのだった。
家につくなり私だけ別室へと押し込められて、あれよあれよとおまさちゃんが着物を脱がそうとした。
「お、おまさちゃん!?」
「せっかくのお祭りなんやさかい、楽しまな損やん?」
それ、さっき原田さんも言っていなかった?
似たもの夫婦に思わず笑ってしまえば、抵抗は無意味な気がしておまさちゃんに身を任せた。
着せてくれたのは白地に花柄の浴衣で、髪を綺麗にまとめあげると仕上げに軽くお化粧までしてくれた。
「できた! うん、かいらしい。副長はんもきっと喜んでくれんで?」
最後は耳元で囁かれたけれど、今日の土方さんは落ち込んでいるからお祭りだって楽しめるかどうか。
そもそも……。
「私の恰好なんて、気にしてないと思うよ?」
おまわちゃんは私の顔をまじまじ見つめると、なぜか嘆くように小さなため息をついた。
そんなおまさちゃんに促されみんなの待つ居間へ戻れば、茂くんが原田さんと土方さんの間で無邪気に遊んでいた。
ただ、私に気づくまでの原田さんの顔は真剣で、土方さんから茨木さんたちのことを聞いたのだと思った。
「おっ、春。似合ってんじゃねーか。な、土方さん?」
原田さんに促され土方さんは一瞬私の方を見たけれど、すぐに無言のまま視線を逸らされた。
そんな土方さんの背中を、原田さんが気合いを入れるかのごとく軽く叩く。
「まあ、何だ。色々あるが、今日くらい全部忘れて楽しんでくりゃいいさ」
「ほらほら。早う行かな終わってまうで。楽しんできてや」
おまさちゃんまで一緒になって私たちを追い立てるから、気づけば二人揃って家の外へ……閉め出されていた。
バタンッと閉まった戸の前で呆然と立ち尽くしていれば、土方さんが呆れたように大きなため息をつく。
「……ったく。どいつもこいつも世話焼きばっかじゃねぇか」
……確かに。
でもそれはきっと……。
「みんな、土方さんのことが大好きだからですよ」
鬼だ何だと恐れられていても、ちゃんと見てくれている人はいる。
せっかくだから、もっとみんなの想いを代弁しようと思うも、突然デコピンが飛んできた。
「イタッ!」
「馬鹿。俺じゃなくてお前だろうよ」
「そんなことないですよ! っていうか、痛いじゃないですか!」
「んなことより、早くしねぇと終わっちまうぞ。祭り、行くんだろ?」
その顔は、決して晴れやかではないし、たぶん無理やり吹っ切れたように見せているだけだけれど。
それでも、ここまでお膳立てしてくれた近藤さんの想いもおまさちゃんの好意も、無駄にするわけにはいかないから……。
「はい!」
元気な声で返事をして、今度こそお祭りへと向かうのだった。
空はもうすっかり暗くなってしまったけれど、お祭り会場は夜とは思えないほど賑わっていた。
連なる提灯には明かりが灯り、お囃子の音色には、人々の楽しげな声がいくつも混じっている。
想像以上に人通りが多く、ここではぐれたら合流は難しいかもしれない。そんなことを思った矢先、すれ違い様に肩がぶつかりよろけてしまった。
咄嗟に土方さんが支えてくれたおかげで、浴衣は汚さずに済んだけれど。
「ったく、危なっかしいんだよ。お前は」
「すみません……」
「餓鬼は大人しくこうしとけ」
そう言って、私の手を取り歩きだす。
思いっきりガキ呼ばわりされたけれど、お腹を満たしたり遊んだり、屋台を見て回っている間もずっと、はぐれたら面倒だ、と手を引かれていた。
もしかしなくても、やっぱり子供扱いされている?
不意に、土方さんがぼそぼそと呟いた。
「……似合――」
「え? 何か言いましたか?」
周りの音にかき消されて、よく聞こえなかった。
「……浴衣」
「浴衣?」
「……似合ってる」
「え……っと、ありがとうございます」
さっきは無反応だったのに、急に誉められたらびっくりする。驚いたせいで握った手に力が入れば、同じようにぎゅっと握り返されてしまった。
子供のようにただ手を引かれているだけなのに、暑さと周りの熱気も手伝って心臓の音がうるさい。
それまでは普通に見ていた顔も、何だか急に見られなくなってしまって、視線のやり場に困り俯きがちになる。
ふと、どこからともなく涼しげな音が聞こえ、思わず立ち止まった。
「どした?」
「ちりんちりんって……」
「ああ、あれだろ?」
そう言って指をさすのは、反対側にある屋台だった。そこには多くの風鈴が吊るされていて、風に揺られ夏らしい音を奏でている。
見てくか、と方向転換してくれて、しばし間近で眺めていた。
色々な絵が描かれた風鈴はどれも素敵で、微妙に音色が違うことにも気がついた。
そのなかの一つ、金魚の絵が描かれた風鈴を見ていたら、横から土方さんが訊いてきた。
「それ、気に入ったのか?」
「はい。明日は引っ越しですし、新しい部屋に飾るのもいいかなって」
買ってもいいか訊くより早く、土方さんは財布を取り出し代金を払ってしまった。
そして、店主から受け取るなり私へと手渡した。
「いいんですか?」
「ああ。明日飾りゃいい」
「ありがとうございます! あっ、じゃあ、土方さんも一つどうですか?」
私だけ奢ってもらうのは悪いので、土方さんの新しい部屋に飾る分を私が買おうと提案してみたのだけれど……。
「そんなにいらねぇだろ」
「もしかして、いっぱいあるとうるさいからですか?」
夏休み。おばあちゃんの家に遊びに行った時なんかは、近隣の家も含め、軒先にぶら下がる風鈴が涼しげな音色を奏でていたりしたけれど。私の住む都内の住宅街では、ほとんど見かけない。
何でも、騒音扱いされてしまう可能性があるとかで、無用なトラブルを避けるためらしい。
そんなことを思い出していると、土方さんが呆れた声をあげた。
「はあ? いくらウチの隊士たちがガサツだからってな、風鈴の音がうるせぇだなんて抜かす奴はいねぇだろう」
「……そこまでは言ってませんが」
ガサツだなんて、思ったとしても口にはしていない。
「ったく、どんな生活してたんだよ。未来には風情の欠片もねぇのか?」
う~ん。こればっかりは、強く反論はできないかもしれない……。
騒音は言い過ぎだとしても、暑すぎてすぐにエアコンをつけてしまうから、窓を開けて風鈴の音で涼を感じることはしないし。
「まぁいい。ありがとな」
「……へ?」
風鈴を買ってもらったのは私の方なのに?
首を傾げれば、土方さんが吹き出した。
「お前のそういう抜けてるとこに救われるようじゃ、俺もまだまだだな」
「なっ、どういう意味ですか!」
「気にすんな」
そう言って私の手を取り歩きだす土方さんが、前を見たまま言う。
「明日、引っ越しの前に茨木たちの葬式もしてやらねぇとな」
「……そうですね」
見上げた土方さんの横顔は、やっぱり晴れやかとは言えないけれど。それでも、一人外廊下の先で佇んでいた時とは違うから、少しは気持ちを軽くすることができたのかな?
空いた手に持った風鈴が、ちりんちりんと私たちの歩みに合わせて鳴るのを聞きながら、できていたらいいな、と思うのだった。
「土方さん」
「琴月か」
私の呼びかけに振り向くその顔は、いつもの覇気がどこにも見当たらない。
無言のまま再び視線を外へと戻すから、やけに小さく見えるその背中に遠慮なく近づいた。
「お祭り、まだ間に合いますよ」
「悪い。気分じゃねぇや」
「はい。でも、行きませんか?」
「俺はいい。行きてぇなら誰か誘って行ってこい。俺は明日の準備もしなきゃならねぇんだ」
そう言って、この場を立ち去ろうとする腕を掴んで引きとめた。
「行かねぇって言って――」
「行くんです! 明日の準備も掃除も終わってます! ちゃんと終わらせて待ってたんです!」
まだ何かぶつぶつ言っているけれど、全部無視して強引に連れ出した。
引き返されたらまた振り出しに戻ってしまうから、腕は離さず、足取りの重い土方さんの腕を引っ張るようにして歩く。
途中、今日は非番でお祭りの帰りだという原田さんと、おまさちゃんに会った。
二人の子供である茂くんは原田さんに肩車をされていて、その手に握った風車を楽しそうにくるくると回している。
「二人は何してんだ?」
原田さんが不思議そうに訊いてきた。
どこいくんだ? と訊かなかったのは、私が土方さんを連行しているようにしか見えなかったかららしい。まぁ実際、無理やり連れだしているので間違ってはいないのだけれど。
だから、祇園御霊会へいくのだと告げたら驚かれた。
「土方さんが忙しいのはわかるが、祭りくらい楽しまないと損だぜ!」
守護職屋敷での出来事をまだ知らない原田さんが、土方さんの背中を笑いながらバンっと強く叩けば、おまさちゃんもポンと自身の手を打ち鳴らす。
「そうや、ええこと思いついた! 二人とも、少しだけウチに寄ってもらえしまへんか?」
「えっと……今日はお祭りに行くから……」
「うん。そやさかい少しでええの」
土方さんの顔を見れば、好きにしろと言わんばかりに無関心で、結局、妙に強引なおまさちゃんに押しきられ寄ることになったのだった。
家につくなり私だけ別室へと押し込められて、あれよあれよとおまさちゃんが着物を脱がそうとした。
「お、おまさちゃん!?」
「せっかくのお祭りなんやさかい、楽しまな損やん?」
それ、さっき原田さんも言っていなかった?
似たもの夫婦に思わず笑ってしまえば、抵抗は無意味な気がしておまさちゃんに身を任せた。
着せてくれたのは白地に花柄の浴衣で、髪を綺麗にまとめあげると仕上げに軽くお化粧までしてくれた。
「できた! うん、かいらしい。副長はんもきっと喜んでくれんで?」
最後は耳元で囁かれたけれど、今日の土方さんは落ち込んでいるからお祭りだって楽しめるかどうか。
そもそも……。
「私の恰好なんて、気にしてないと思うよ?」
おまわちゃんは私の顔をまじまじ見つめると、なぜか嘆くように小さなため息をついた。
そんなおまさちゃんに促されみんなの待つ居間へ戻れば、茂くんが原田さんと土方さんの間で無邪気に遊んでいた。
ただ、私に気づくまでの原田さんの顔は真剣で、土方さんから茨木さんたちのことを聞いたのだと思った。
「おっ、春。似合ってんじゃねーか。な、土方さん?」
原田さんに促され土方さんは一瞬私の方を見たけれど、すぐに無言のまま視線を逸らされた。
そんな土方さんの背中を、原田さんが気合いを入れるかのごとく軽く叩く。
「まあ、何だ。色々あるが、今日くらい全部忘れて楽しんでくりゃいいさ」
「ほらほら。早う行かな終わってまうで。楽しんできてや」
おまさちゃんまで一緒になって私たちを追い立てるから、気づけば二人揃って家の外へ……閉め出されていた。
バタンッと閉まった戸の前で呆然と立ち尽くしていれば、土方さんが呆れたように大きなため息をつく。
「……ったく。どいつもこいつも世話焼きばっかじゃねぇか」
……確かに。
でもそれはきっと……。
「みんな、土方さんのことが大好きだからですよ」
鬼だ何だと恐れられていても、ちゃんと見てくれている人はいる。
せっかくだから、もっとみんなの想いを代弁しようと思うも、突然デコピンが飛んできた。
「イタッ!」
「馬鹿。俺じゃなくてお前だろうよ」
「そんなことないですよ! っていうか、痛いじゃないですか!」
「んなことより、早くしねぇと終わっちまうぞ。祭り、行くんだろ?」
その顔は、決して晴れやかではないし、たぶん無理やり吹っ切れたように見せているだけだけれど。
それでも、ここまでお膳立てしてくれた近藤さんの想いもおまさちゃんの好意も、無駄にするわけにはいかないから……。
「はい!」
元気な声で返事をして、今度こそお祭りへと向かうのだった。
空はもうすっかり暗くなってしまったけれど、お祭り会場は夜とは思えないほど賑わっていた。
連なる提灯には明かりが灯り、お囃子の音色には、人々の楽しげな声がいくつも混じっている。
想像以上に人通りが多く、ここではぐれたら合流は難しいかもしれない。そんなことを思った矢先、すれ違い様に肩がぶつかりよろけてしまった。
咄嗟に土方さんが支えてくれたおかげで、浴衣は汚さずに済んだけれど。
「ったく、危なっかしいんだよ。お前は」
「すみません……」
「餓鬼は大人しくこうしとけ」
そう言って、私の手を取り歩きだす。
思いっきりガキ呼ばわりされたけれど、お腹を満たしたり遊んだり、屋台を見て回っている間もずっと、はぐれたら面倒だ、と手を引かれていた。
もしかしなくても、やっぱり子供扱いされている?
不意に、土方さんがぼそぼそと呟いた。
「……似合――」
「え? 何か言いましたか?」
周りの音にかき消されて、よく聞こえなかった。
「……浴衣」
「浴衣?」
「……似合ってる」
「え……っと、ありがとうございます」
さっきは無反応だったのに、急に誉められたらびっくりする。驚いたせいで握った手に力が入れば、同じようにぎゅっと握り返されてしまった。
子供のようにただ手を引かれているだけなのに、暑さと周りの熱気も手伝って心臓の音がうるさい。
それまでは普通に見ていた顔も、何だか急に見られなくなってしまって、視線のやり場に困り俯きがちになる。
ふと、どこからともなく涼しげな音が聞こえ、思わず立ち止まった。
「どした?」
「ちりんちりんって……」
「ああ、あれだろ?」
そう言って指をさすのは、反対側にある屋台だった。そこには多くの風鈴が吊るされていて、風に揺られ夏らしい音を奏でている。
見てくか、と方向転換してくれて、しばし間近で眺めていた。
色々な絵が描かれた風鈴はどれも素敵で、微妙に音色が違うことにも気がついた。
そのなかの一つ、金魚の絵が描かれた風鈴を見ていたら、横から土方さんが訊いてきた。
「それ、気に入ったのか?」
「はい。明日は引っ越しですし、新しい部屋に飾るのもいいかなって」
買ってもいいか訊くより早く、土方さんは財布を取り出し代金を払ってしまった。
そして、店主から受け取るなり私へと手渡した。
「いいんですか?」
「ああ。明日飾りゃいい」
「ありがとうございます! あっ、じゃあ、土方さんも一つどうですか?」
私だけ奢ってもらうのは悪いので、土方さんの新しい部屋に飾る分を私が買おうと提案してみたのだけれど……。
「そんなにいらねぇだろ」
「もしかして、いっぱいあるとうるさいからですか?」
夏休み。おばあちゃんの家に遊びに行った時なんかは、近隣の家も含め、軒先にぶら下がる風鈴が涼しげな音色を奏でていたりしたけれど。私の住む都内の住宅街では、ほとんど見かけない。
何でも、騒音扱いされてしまう可能性があるとかで、無用なトラブルを避けるためらしい。
そんなことを思い出していると、土方さんが呆れた声をあげた。
「はあ? いくらウチの隊士たちがガサツだからってな、風鈴の音がうるせぇだなんて抜かす奴はいねぇだろう」
「……そこまでは言ってませんが」
ガサツだなんて、思ったとしても口にはしていない。
「ったく、どんな生活してたんだよ。未来には風情の欠片もねぇのか?」
う~ん。こればっかりは、強く反論はできないかもしれない……。
騒音は言い過ぎだとしても、暑すぎてすぐにエアコンをつけてしまうから、窓を開けて風鈴の音で涼を感じることはしないし。
「まぁいい。ありがとな」
「……へ?」
風鈴を買ってもらったのは私の方なのに?
首を傾げれば、土方さんが吹き出した。
「お前のそういう抜けてるとこに救われるようじゃ、俺もまだまだだな」
「なっ、どういう意味ですか!」
「気にすんな」
そう言って私の手を取り歩きだす土方さんが、前を見たまま言う。
「明日、引っ越しの前に茨木たちの葬式もしてやらねぇとな」
「……そうですね」
見上げた土方さんの横顔は、やっぱり晴れやかとは言えないけれど。それでも、一人外廊下の先で佇んでいた時とは違うから、少しは気持ちを軽くすることができたのかな?
空いた手に持った風鈴が、ちりんちりんと私たちの歩みに合わせて鳴るのを聞きながら、できていたらいいな、と思うのだった。
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