疎まれ魔女は、年下騎士の執愛に食み尽くされる~別れ話をしたら媚薬を盛られました~

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38.わたしだって、ぜんぶ知ってた(☆)

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 吐精したばかりというのに、テオドールの欲望が落ち着くことはなかった。むしろ、蕩けたセラの体内を味わったことで、ますます火がついてしまったらしい。

「セラ殿……いいですか」

 あっという間に勢いを取り戻した陽物と、獣欲に支配されたテオドールの瞳を見て、セラもぞくりと昂りながら、わずかな恐怖を感じた。長い長い夜の終わりはどこにあるのだろう。

「いいけど……あっ」

 ひっくり返されて、腰を持ち上げられたのは甚だ意外だった。セラは肩を低く落とし、腰をくぼませて臀部を高く上げ、彼が挿入しやすいようにしてやる。

(テオと後背位でヤるの初めてだ……)

 セラのイキ顔を見るのを生き甲斐にしているような青年が、ここにきて新規開拓を試みようとするなんて、非常に想定外だ。

「あっ、んんっ」

 再びぬるりと押し入ってきた男根に膣が悦び震え、絡みつきながら最奥へと導こうとする。蜜壺のうねりに誘われるがまま先端がズンと奥を穿ち、セラはぎゅっと肩をすくめた。

「セラ殿……」

 熱い声で名を呼ぶと、テオドールはセラの腰を掴んで固定し、勢いよく肌を打ち付け始めた。小気味よい音が寝室に響く。

「~~~~っ!」
(いつもと、違うとこに当たる……!)

 セラ自身、いろいろな男たちとこの体勢で交わってきたが、男根の形状や角度は人それぞれで、なんか妙に痛みを感じさせる奴や、ちっともいいところに届かない奴もいた。だが、テオドールの立派な逸物は、背後からでもセラの弱点を抉る。新鮮な刺激を生んで、とても気持ちがいい。

(ああ、いいな、これ。またしたい……)

 セラはシーツに顔をうずめて、背後から与えられる断続的な快楽をとっくりと堪能した。だらしなく蕩けた表情を隠せるのが、この体位の利点だ。

(ん、いきそ……)

 下腹部に熱が溜まり、強く疼き始めた。腰を突っ張らせ、こぶしを握り締め、セラはまもなく訪れるであろう官能の波に備えた。だが……。

「……やっぱり、ダメです」

 青年が泣きそうな声でつぶやき、逸物を引き抜いてしまった。白濁した愛液がどろりと太腿へ垂れる。

「セラ殿、顔が見えないとイヤです。さみしい」
「――はぁ?!」

 腹の底から怒りの声が出た。

「もうすぐイきそうだったのに……!」

上半身をひねって背後の青年を伺うと、心底悲しそうに眉尻を下げていた。

「顔が見えないと、したいときにキスできないです。まだその権利はお返ししてません」
「そんなの、ちょっと我慢しなさいよ!」
「揺れる胸だって見たいです……。いつもと違うことをしてみたいなんて一瞬でも考えた自分が愚かでした」
「なんなの、もう……好きにして」

 仰向けに寝転び直してやると、テオドールは満面の笑みを浮かべた。一見すると子どものように無邪気だが、瞳には熱い欲がたぎっている。セラは、勢いに任せて『好きにして』と言ってしまったことを強く後悔した。

「ああセラ殿、嬉しいです」

 セラが脚を開く前に膝を掴まれて左右に割られ、差し迫った様子で腰を進めてきた。一息に奥まで突っ込むと、うっとりと目を細める。

「セラ殿、そう、その顔……いいですね」
「うっ……んんっ」

 少し膣内をかき回されただけで、表情が緩み、甘い声が漏れた。

「ああそうだ、ここに触るのを失念していました」

 青年の指が、セラの陰核をぐりっと撫で上げる。あふれた愛液でぬるぬるで、そして執拗な前戯で痛いほどに腫れた肉芽。けれど薬効に侵されて、まだまだ刺激を望む貪欲な性感帯。そこをなぶられると同時に、熟れ切った媚肉を熱い凶槍で幾度も擦られた。

「~~~~ッ!!」

 中と外、二拠点からの責め苦はただでさえ耐え難いのに、魔法薬ブランゲーネが悦びを何倍にも膨れ上がらせ、セラの心身を狂熱で炙る。訳が分からなくなるほどの快感を送り込まれ、セラは思わず歯を食いしばっていた。さもなくば、尊厳を損ねるような醜い喘ぎ声があふれ出てしまいそうだったから。

「セラ殿」

 テオドールの動きが止まる。

「そんなに噛み締めたらだめですよ」
「~~~うううっ、だって」
「声が聞きたいんです。ちゃんと聞かせてくれるなら、続けてあげますよ」

 焦らすように肉芽の周囲を撫でられ、セラは自ら腰を動かしていた。物足りなさに涙がこぼれる。

「ちょ、テオ……ううっ、おねがい」
「セラ殿」

 急かすように名前を囁かれ、セラは半ばやけくそで叫んでいた。

「――わかったから、触って、動いて!」
「ありがとうございます。わたしも限界でした……」

 青年が再び腰を進め、陰核を弄り出す。尖り切った性感帯を捏ね回されながら肉杭で膣を擦られて奥を穿たれて、セラは恥も外聞もなく叫び散らした。

「っっ、あああっ、きもちいいっ、テオっ……ああっ!!」

 びくんと強く内部が収縮し、中のものに強く食らいつく。断続的にうねりながら射精を促し、テオドールも耐えることなく、素直に己を手放した。

 力を失った男根をずるりと引き抜かれると、とろりとした液体がセラの陰裂を伝って尻の方へ垂れていった。それをテオドールが丁寧に拭きとってくれる。ハンカチにしてはやたら大きくてゴワゴワしているが、なにを使って拭いているのかは知らない。セラは寝台に身を投げ出して呼吸を整えるので精いっぱいで、されるがままになるしかない。

 まだ欲と元気が有り余っているらしいテオドールは、陰茎をセラの女陰に擦り付けて、再度の回復を図り始めた。ぬめりをまとった裏側で陰核を何度も刺激されると、セラの肉体は否が応でも反応し、また彼が欲しくなる。

「んっ、テオ……」

 物欲しそうにおねだりすると、彼は妙に優しく微笑んだ。

「セラ殿、知らないわけではありませんよね? 『ブランゲーネ』の真の効能・・・・を」
「…………それは」

 セラはテオドールから目を逸らしていた。

(よりによって今言うか……!)

 くちびるを震わせるセラをよそに、青年はどこか浮かれたような調子で続ける。

「この薬は、服用者の『心』に反応するそうですね。決して、強制的に性感を高めるものではない」

 勢いを取り戻した怒張の先端で、ぬちぬちとセラの陰核を撫で回す。

「服用した女性が、相手の男性になんの感情も抱いていなければ、効果を一切発揮しない。反対に、抱く感情が大きければ大きいほど、強烈な効果があらわれる……」

 彼の先端が、再びセラの膣口にあてがわれた。ゆっくりと侵入してくる異物に、セラはぞくぞく全身を震わせる。

「あ……んんっ」
「どうですか、セラ殿。効果のほど・・・・・は」

 ねっとりした物言いの中には、あふれんばかりの歓喜が詰まっていた。彼の表情をよくよく観察してみれば、まごうことなき『したり顔』をしている。

(こいつっ!)

 体内に埋まる杭に再び翻弄されながら、セラはこのタイミングで『答え合わせ』をするテオドールの性格の悪さに怒りを覚えた。

「ばか……ううんっ」

 憤然と身を起こしかけたが、蕩けた肉を擦られる快楽にあっけなく陥落。

「――ああ、もうっ、わたしだって……ぜんぶ……知ってたわよ……っ」

 身体を揺さぶられながら、半ばやけくそになって白状する。テオドールは「ふふっ」と吹き出すように笑ってから、言う。

「女性が相手にこれっぽっちも好意を持っていなければ、とうてい飲み込めないほど不味く感じるんですよね?」
「あーはいはい、たいそう美味でございましたよ!!」

 開き直って大絶叫。青年の笑みが濃くなる。
 最初の服用時よりも二度目の方が甘く感じたのは、セラの心がそれだけ動いたからだ。
 テオドールが始終ひどく嬉しそうだったのも理解できる。セラが快楽に呑まれるたび、セラからの愛を実感し、そりゃあいろいろな意味で天にも昇る心地だっただろう。
 セラは最初から、テオドールの手のひらの上で転がされていたのだ。

(ほんと、なんつー薬を開発したんだ……)

 素直になれない女に愛を理解さわからせる、とんでもなく恐ろしい愛の妙薬。強姦目的で使われないようにするためでもあるのだろう。
 また、『ブランゲーネ』の販売員たちは恋愛カウンセラーの役目も兼ねており、顧客から恋のお悩み相談を受け、場合によっては非常に格安で提供してくれる、という噂も聞いていた。果たしてテオドールは、幾らでこの薬を購入したのやら。

 にわかに激しい羞恥が押し寄せ、セラは頬を真っ赤に染める。

「あう~っ、もう、やだっ」

 思わず腕で顔を隠すと、案の定テオドールに取り払われた。

「かわいいかわいい顔を見せてください」

 笑みを含んだ物言いは、ひどくセラの癇に障った。だが、未だ肉体を支配する薬効が、セラの心を官能一色に染め上げる。もうなるようになれ。

「テオ……薬の効果が切れちゃう前に……とことん楽しませてよ」

 表情を蕩けさせ、媚びるようにおねだりすると、青年はごくりと喉を蠢かせた。

「セラ殿……」
「ただし、これが最後ね……」

 おそらくそろそろ薬の効果が切れる。そのあとも長々と続けられてはたまらない。だがテオドールは返事をしなかった。代わりに、多幸感あふれる笑顔を見せる。

「保証はできかねます。貴女からの愛を実感できて、おさまらないんです」
「ば、ばか」
「なんとでも罵って、あとで思う存分殴ってください。すべて受け入れます」

 繋がったまま、テオドールはセラを抱えて上半身を起こした。対面座位の格好になり、セラをきつく抱きしめる。

「ああセラ殿、わたしの人生で、こんなにも幸福なことはありませんでした……!」

(似たような台詞、前も聞いたな)

 記憶を掘り返そうとするが、テオドールの深い突き上げに翻弄され、どうでもよくなってしまった。彼の首っ玉にかじりついて、裸の胸を密着させ、おそらく今宵最後になるであろう悦楽を堪能する。

「セラ殿、気持ちいいですか?」
「ん、うっ、きもちいい……んんっ」
「わたしは貴女を愛しています。貴女はどうですか」
「…………」
「聞こえないです」

 テオドールは動きを止めた。セラの肩を掴んで、密着している上半身を離し、顔を覗き込んでくる。
 きらいだ、と言おうか迷った。殴ろうかとも思った。だがセラは、覚悟を決めてこう告げた。

「わたしも貴方が好き……テオドール」

 愛しているとは言えなかった。自分が言うと、なんだか安っぽく聞こえる気がして。けれど彼の名を呼ぶとき、まっすぐ目を見て、とびきりの気持ちを込めた。

「セラ殿」

 お返しのように、彼もやさしく名を呼んでくれた。心底嬉しそうに微笑んでくれた。ひとときだけ欲望を忘れて、ただ甘いだけの口づけを交わす。

 しかし、下半身を繋げたままでは、甘美な雰囲気が長続きするはずもない。セラはこのあと、誇張なしで足腰立たなくされたのだが……まあ、仔細に語るまでもないだろう。
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