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20話 それは私だって望むもの1
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「なあ、お前の……父親はどうだ」
「え?」
登校すると、いつも顔を伏せていて寝ているフリか、ギリギリになって教室に着くナルシアくんが待ち構えていた。挨拶もなくナルシアくんに聞かれた言葉をつい聞き返してしまう。
ナルシアくんは視線を右往左往させて「いや、だから」と気まずげだ。心なしか過ごしだけ耳が赤い。
え、それ、どういう反応?
父親はどうだ、と言われたって、怪我は完治していないのに、今日も社畜よろしくのように早朝から仕事に行ってしまったが。
「だからっ! 元気か、って聞いているんだ!」
「元気……。ああ、うん、元気だよ。今日も早朝出勤していたし」
「そうか」
小さく息を吐くナルシアくんは表情を和らげた。私はナルシアくんの反応をつい凝視してしまう。
だって彼、自分からブラッドリーさんの話なんてしてきた事なかったからだ。
あまりにも見つめ過ぎていたのか、ナルシアくんは「なんだよ」とぶっきらぼうに聞いてくる。
「ナルシアくんがブラッドリーさんのこと聞いてくるなんて珍しいね……」
「――怪我をしている人間を心配するのはおかしいことか?」
「ううん。違くて、なんていうか」
だってナルシアくん、ブラッドリーさんのこと話すと嫌がるでしょ?
と直球に言えば、要らぬ争いが発生するか、ナルシアくんの機嫌を損なってしまう。それはいけない。
なんて言えばいいのか悩んでいると、ナルシアくんはボソボソと話し始めた。その間も私の方を向くことはない。
「母さんのこと、ああやって思ってくれてるなんて、思わなくて」
「……ああ」
なるほど。それでこの反応なのか。
ブラッドリーさんは防衛機関のトップだ。この国の平穏を維持することに色々と尽力する。
平穏を維持するためには、異物や危険要素を排除する。それは時に国家犯罪者としてレッテルが貼られている一児の母であろうが。
だからナルシアくんはブラッドリーさんが嫌いなんだろう。それは仕方のないことだ。私にはどうにも出来ない。
ただ、ブラッドリーさんが頭ごなしに排除しているかと言えば、そうではない。
「確かに勘違いされやすいけどね、とても優しい人なんだよ」
「……優しいかは分からないけど、ああやって言ってくれるの……嬉しかった」
小さく呟かれた言葉は、朝の教室ではすぐに紛れてしまった。
でも私は確かに聞こえた。
ナルシアくんはそれだけ言うと、自分の席に足早に向かってしまう。途中でサーシャに挨拶と謝罪をされていた。
気にしないでほしい、と返しているナルシアくんの表情。いつもよりも優しい眼差しをしているように見えた。
「マリーちゃん、おはよう」
「おはよう」
声をかけてきたのはクラスメイトの一人。よくホーエンさんの周りに居る女の子だ。
私に声をかけてくるなんて珍しいなぁ、と思っていると、私の周りを見て残念そうな表情をした。その反応で分かる。
「ダニエルくんは居ないよ」
「そっかぁ。いつもなら居るのに。マリーちゃん、何か聞いてる?」
「ううん、何も」
ホーエンさんは今日は休みらしい。
風邪でもひいたのかな、と心配する女の子に「そうかもね」と返答をしながらも、昨日ことを思い出す。
決闘はホーエンさんが相手だったと聞いた時を。
ホーエンさんが決闘相手だというのは本当らしい。だけど内容は話せないのだとか。そういう約束でブラッドリーさんと決闘をしたと言っていた。
勝敗はホーエンさんの負けらしい。
その結果に私は首を傾げた。
だっておかしい。なんでブラッドリーさんは勝ったのに、私と付き合って、好きな人と一緒にならなかったのだろう。
相手は貴族だったとか、それこそ犯罪者だったとかなのだろうか。でもホーエンさんとなれば、貴族だった場合は喜んでお見合いに乗るだろう。後者は何も言えないが。
ただホーエンさんいわく「彼は不器用なんだ」と言っていた。確かに人付き合いの不器用さには、同情すら覚えるけどさ。
何も分からないまま、ホーエンさんは去り際にこう言い残した。
「交流会は行くのはやめておくべきだ」
それだけ言って、私が聞き返す間のなく帰ってしまった。
あの発言の後だから、と予想はしていたけどやっぱり休み。当分来ない気さえする。
一応私たちの班で出す交流会のものは全て揃っているので、なんら問題はない。だけど今更欠席するなんて言えるわけがない。
これは私とホーエンさんだけで準備したものではない。ナルシアくんとサーシャも含めた四人で作ったものだ。いい加減なことはしたくない。
交流会は来週に迫っている。
申し訳ないが、ホーエンさんの忠告は頷くことは出来ない。
結局その日、ホーエンさんは一度も教室に姿を現さなかった。どこで何をやっているのか知らないけど、先生たちには欠席届けは出すようにしたほうがいいと思うの。
放課後になった今、先生たちは子供の前では穏やかなものだけど、さっきから「ダニエルくんは」というワードが飛び交っている。あとで盛大に怒られるがいい。
慌ただしくしている先生たちに「さようなら」と声をかけて、昇降口へ向かう。今日は一人で帰ってくれないか、とハマーさんから連絡がきていた。
きっと色々と忙しいのだろう。
別に私は行動を制限されているわけではないし、こうやって一人で帰ることは今回が初めてではない。
GPSやら魔力探知やらはどうせどこかに着いているんだ。それに私が危険な目に遭うことがあったとしても、なんとか撒いて逃げることは出来るだろう。
帰る途中にケーキ屋さんでも寄って行こうかな、と呑気に考えていた。
「マリーちゃん」
白髪は目立つということで、ブラッドリーさんが買ってくれた帽子を被りながら歩いていると、背後から女性特有の高い声で名前を呼ばれた。
その声の主は分かっている。
ピタリと足を止めて小さくため息をこぼした後に振り向けば、やっぱり彼女だった。
「この間ぶりだねっ」
「そうですね」
ブラッドリーさんの婚約者の登場だ。
これは出待ちでもされていたのだろうか。
もしかしてブラッドリーさんに用事が? 残念ながら今日は居ないよ。タイミングの悪さにドンマイ。
ブラッドリーさんの仕事先に「来ちゃった♡」ってやるつもりなんだろうか。
それはやめた方がいいぞ。喜ぶ彼氏は居るかもしれないけど、あんな守秘義務の塊の所属にそれはちょっと……。
ニコニコと笑う婚約者さんはどこかに行くのでもなく、ただ私に笑みを向けている。
「ちょっと近くでお茶でもどうかな?」
まさかの私目的だったらしい。
その言葉に少なからず驚きながらも頷けば、婚約者さんは嬉しそうに笑った。
とても可愛らしい人だ。
きっと何度もブラッドリーと手を繋いだり、抱きしめてもらったりしたんだろう。
それを想像すると、泣きたくなった。
ここ最近、外的要因で情緒が乱れに乱れまくっている。私、幼女よ? もう少し優しくしてもいいと思うの。
喫茶店は昼時も過ぎたことから、静かなものだった。心地よい音量で流れる音楽が、私と婚約者さんの無言の空間の中に流れ込んでくる。
「マリーちゃんはさ」
「は、い」
ココアをご馳走してもらった私は、突然話しかけられることに驚きながら返事をする。
婚約者さんは目を瞬かせて、優しく微笑んでくれた――ように見える。
「驚かせちゃった?」
「いえ、そんなことは」
さっきからそうだ。
彼女は一度も私に笑いかけてなどいないのだ。
仮にも私は組織にいた。いつも近くには誰か。
ミーティはよく私の世話をしてくれた。とても沢山のことを教えてくれたを人の嘘の欺き方や、隠し事をするにあたって。人間観察は彼女の教育の賜物だろう。
いい師だった。たとえ悪者であったとしても。
そんな彼ら彼女らの側に居た私が、たかが一般市民の嘘を見抜けないようだったら、今頃私はここには居ないだろう。
つまり婚約者さんは、私に何らかの目的があって、接触してきたのだ。それがいったい何なのか分からない。
分からないからこそ、私は演じる。
ただのひ弱で無知なマリー・ブラッドリーとして。
あー、やだやだ。なーんで、こんな事しなきゃいけないんだ。
「マリーちゃんは優しいお父さんとお母さんが欲しい?」
「え」
優しいお父さんとお母さん?
どういうこと?
優しいお父さんなら沢山いるよ。社畜だけど。
優しいお母さん並に料理も出来て、教育も行き届いているハマーさんが居るよ。社畜だけど。男だけど。
まず、なんで婚約者さんはわざわざ私に聞くんだ? そういう事ならば、婚約者であるブラッドリーさんに聞くのが――。
「私の知り合いでね、子供に恵まれなかった方が居るの。マリーちゃんのことを話したら、とても気に入っちゃって」
「は、はあ……?」
おいおいおいおい。
なんでそんな話になってるの? 私初耳なんだけど?
「え?」
登校すると、いつも顔を伏せていて寝ているフリか、ギリギリになって教室に着くナルシアくんが待ち構えていた。挨拶もなくナルシアくんに聞かれた言葉をつい聞き返してしまう。
ナルシアくんは視線を右往左往させて「いや、だから」と気まずげだ。心なしか過ごしだけ耳が赤い。
え、それ、どういう反応?
父親はどうだ、と言われたって、怪我は完治していないのに、今日も社畜よろしくのように早朝から仕事に行ってしまったが。
「だからっ! 元気か、って聞いているんだ!」
「元気……。ああ、うん、元気だよ。今日も早朝出勤していたし」
「そうか」
小さく息を吐くナルシアくんは表情を和らげた。私はナルシアくんの反応をつい凝視してしまう。
だって彼、自分からブラッドリーさんの話なんてしてきた事なかったからだ。
あまりにも見つめ過ぎていたのか、ナルシアくんは「なんだよ」とぶっきらぼうに聞いてくる。
「ナルシアくんがブラッドリーさんのこと聞いてくるなんて珍しいね……」
「――怪我をしている人間を心配するのはおかしいことか?」
「ううん。違くて、なんていうか」
だってナルシアくん、ブラッドリーさんのこと話すと嫌がるでしょ?
と直球に言えば、要らぬ争いが発生するか、ナルシアくんの機嫌を損なってしまう。それはいけない。
なんて言えばいいのか悩んでいると、ナルシアくんはボソボソと話し始めた。その間も私の方を向くことはない。
「母さんのこと、ああやって思ってくれてるなんて、思わなくて」
「……ああ」
なるほど。それでこの反応なのか。
ブラッドリーさんは防衛機関のトップだ。この国の平穏を維持することに色々と尽力する。
平穏を維持するためには、異物や危険要素を排除する。それは時に国家犯罪者としてレッテルが貼られている一児の母であろうが。
だからナルシアくんはブラッドリーさんが嫌いなんだろう。それは仕方のないことだ。私にはどうにも出来ない。
ただ、ブラッドリーさんが頭ごなしに排除しているかと言えば、そうではない。
「確かに勘違いされやすいけどね、とても優しい人なんだよ」
「……優しいかは分からないけど、ああやって言ってくれるの……嬉しかった」
小さく呟かれた言葉は、朝の教室ではすぐに紛れてしまった。
でも私は確かに聞こえた。
ナルシアくんはそれだけ言うと、自分の席に足早に向かってしまう。途中でサーシャに挨拶と謝罪をされていた。
気にしないでほしい、と返しているナルシアくんの表情。いつもよりも優しい眼差しをしているように見えた。
「マリーちゃん、おはよう」
「おはよう」
声をかけてきたのはクラスメイトの一人。よくホーエンさんの周りに居る女の子だ。
私に声をかけてくるなんて珍しいなぁ、と思っていると、私の周りを見て残念そうな表情をした。その反応で分かる。
「ダニエルくんは居ないよ」
「そっかぁ。いつもなら居るのに。マリーちゃん、何か聞いてる?」
「ううん、何も」
ホーエンさんは今日は休みらしい。
風邪でもひいたのかな、と心配する女の子に「そうかもね」と返答をしながらも、昨日ことを思い出す。
決闘はホーエンさんが相手だったと聞いた時を。
ホーエンさんが決闘相手だというのは本当らしい。だけど内容は話せないのだとか。そういう約束でブラッドリーさんと決闘をしたと言っていた。
勝敗はホーエンさんの負けらしい。
その結果に私は首を傾げた。
だっておかしい。なんでブラッドリーさんは勝ったのに、私と付き合って、好きな人と一緒にならなかったのだろう。
相手は貴族だったとか、それこそ犯罪者だったとかなのだろうか。でもホーエンさんとなれば、貴族だった場合は喜んでお見合いに乗るだろう。後者は何も言えないが。
ただホーエンさんいわく「彼は不器用なんだ」と言っていた。確かに人付き合いの不器用さには、同情すら覚えるけどさ。
何も分からないまま、ホーエンさんは去り際にこう言い残した。
「交流会は行くのはやめておくべきだ」
それだけ言って、私が聞き返す間のなく帰ってしまった。
あの発言の後だから、と予想はしていたけどやっぱり休み。当分来ない気さえする。
一応私たちの班で出す交流会のものは全て揃っているので、なんら問題はない。だけど今更欠席するなんて言えるわけがない。
これは私とホーエンさんだけで準備したものではない。ナルシアくんとサーシャも含めた四人で作ったものだ。いい加減なことはしたくない。
交流会は来週に迫っている。
申し訳ないが、ホーエンさんの忠告は頷くことは出来ない。
結局その日、ホーエンさんは一度も教室に姿を現さなかった。どこで何をやっているのか知らないけど、先生たちには欠席届けは出すようにしたほうがいいと思うの。
放課後になった今、先生たちは子供の前では穏やかなものだけど、さっきから「ダニエルくんは」というワードが飛び交っている。あとで盛大に怒られるがいい。
慌ただしくしている先生たちに「さようなら」と声をかけて、昇降口へ向かう。今日は一人で帰ってくれないか、とハマーさんから連絡がきていた。
きっと色々と忙しいのだろう。
別に私は行動を制限されているわけではないし、こうやって一人で帰ることは今回が初めてではない。
GPSやら魔力探知やらはどうせどこかに着いているんだ。それに私が危険な目に遭うことがあったとしても、なんとか撒いて逃げることは出来るだろう。
帰る途中にケーキ屋さんでも寄って行こうかな、と呑気に考えていた。
「マリーちゃん」
白髪は目立つということで、ブラッドリーさんが買ってくれた帽子を被りながら歩いていると、背後から女性特有の高い声で名前を呼ばれた。
その声の主は分かっている。
ピタリと足を止めて小さくため息をこぼした後に振り向けば、やっぱり彼女だった。
「この間ぶりだねっ」
「そうですね」
ブラッドリーさんの婚約者の登場だ。
これは出待ちでもされていたのだろうか。
もしかしてブラッドリーさんに用事が? 残念ながら今日は居ないよ。タイミングの悪さにドンマイ。
ブラッドリーさんの仕事先に「来ちゃった♡」ってやるつもりなんだろうか。
それはやめた方がいいぞ。喜ぶ彼氏は居るかもしれないけど、あんな守秘義務の塊の所属にそれはちょっと……。
ニコニコと笑う婚約者さんはどこかに行くのでもなく、ただ私に笑みを向けている。
「ちょっと近くでお茶でもどうかな?」
まさかの私目的だったらしい。
その言葉に少なからず驚きながらも頷けば、婚約者さんは嬉しそうに笑った。
とても可愛らしい人だ。
きっと何度もブラッドリーと手を繋いだり、抱きしめてもらったりしたんだろう。
それを想像すると、泣きたくなった。
ここ最近、外的要因で情緒が乱れに乱れまくっている。私、幼女よ? もう少し優しくしてもいいと思うの。
喫茶店は昼時も過ぎたことから、静かなものだった。心地よい音量で流れる音楽が、私と婚約者さんの無言の空間の中に流れ込んでくる。
「マリーちゃんはさ」
「は、い」
ココアをご馳走してもらった私は、突然話しかけられることに驚きながら返事をする。
婚約者さんは目を瞬かせて、優しく微笑んでくれた――ように見える。
「驚かせちゃった?」
「いえ、そんなことは」
さっきからそうだ。
彼女は一度も私に笑いかけてなどいないのだ。
仮にも私は組織にいた。いつも近くには誰か。
ミーティはよく私の世話をしてくれた。とても沢山のことを教えてくれたを人の嘘の欺き方や、隠し事をするにあたって。人間観察は彼女の教育の賜物だろう。
いい師だった。たとえ悪者であったとしても。
そんな彼ら彼女らの側に居た私が、たかが一般市民の嘘を見抜けないようだったら、今頃私はここには居ないだろう。
つまり婚約者さんは、私に何らかの目的があって、接触してきたのだ。それがいったい何なのか分からない。
分からないからこそ、私は演じる。
ただのひ弱で無知なマリー・ブラッドリーとして。
あー、やだやだ。なーんで、こんな事しなきゃいけないんだ。
「マリーちゃんは優しいお父さんとお母さんが欲しい?」
「え」
優しいお父さんとお母さん?
どういうこと?
優しいお父さんなら沢山いるよ。社畜だけど。
優しいお母さん並に料理も出来て、教育も行き届いているハマーさんが居るよ。社畜だけど。男だけど。
まず、なんで婚約者さんはわざわざ私に聞くんだ? そういう事ならば、婚約者であるブラッドリーさんに聞くのが――。
「私の知り合いでね、子供に恵まれなかった方が居るの。マリーちゃんのことを話したら、とても気に入っちゃって」
「は、はあ……?」
おいおいおいおい。
なんでそんな話になってるの? 私初耳なんだけど?
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