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君の歌は死んでいるね
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小指 ひとつ
薬指 ふたつ
中指 みっつ
人差し指 よっつ
親指 いつつ
「君の目は魚の目
君の鼻は呼吸を知らない
君の頬は真っ白で
君の唇は言葉をしらない
君はなびく風に歌を乗せられなくて、いつまでも、ここに居る」
海の上でさ迷っている船を見つけ、居座っていたら、声をかけてきたお兄さん。
話しかけられると思っていなかった私は、そのお兄さんの手をマジマジ見つめ、そっと、手を当ててみた。
うん、すり抜けるね。
私がいうことじゃないと思うけど、海で、しかもこの状況で、あんまし幽霊って見えると良くないんじゃないかな?
「お兄さん、もうすぐ死ぬの?」
何気なく聞いてみたつもりだったのに、お兄さんは真剣に聞き返してくる。
「あと何日ぐらい持ちそう? 俺」
「いつか」
「そうか、五日か」
お兄さん、全然、死ななさそうだけどね。
顔色、良いし。
ぼーと二人で、空と海を眺める。
薬指 ふたつ
中指 みっつ
人差し指 よっつ
親指 いつつ
「君の目は魚の目
君の鼻は呼吸を知らない
君の頬は真っ白で
君の唇は言葉をしらない
君はなびく風に歌を乗せられなくて、いつまでも、ここに居る」
海の上でさ迷っている船を見つけ、居座っていたら、声をかけてきたお兄さん。
話しかけられると思っていなかった私は、そのお兄さんの手をマジマジ見つめ、そっと、手を当ててみた。
うん、すり抜けるね。
私がいうことじゃないと思うけど、海で、しかもこの状況で、あんまし幽霊って見えると良くないんじゃないかな?
「お兄さん、もうすぐ死ぬの?」
何気なく聞いてみたつもりだったのに、お兄さんは真剣に聞き返してくる。
「あと何日ぐらい持ちそう? 俺」
「いつか」
「そうか、五日か」
お兄さん、全然、死ななさそうだけどね。
顔色、良いし。
ぼーと二人で、空と海を眺める。
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