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第1話 ボーイ・ミーツ・ボーイ
魔法使いとハンマー
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妖精たちの案内で俺は易々と杖のあるテントを見つけた。
望遠鏡で見やれば、杖は無造作に木箱に立てかけられており、見張りは白い中型犬のみ。
そいつは暇なのか伏せの体勢で大きな欠伸をしていた。
あれなら、俺でもなんとか出来そうだ。
「おやくにたちまして?」
下級妖精が望遠鏡の先から覗き返してくる。
俺は目を離すと、笑った。
「ありがとな。助かったよ」
妖精は、「れいにはおよびませぬゆえ」と鼻息荒く胸を張ると忽然と姿を消した。
俺は荷物から携帯食の干し肉を取り出すと、手で千切り、さっそく杖のあるテントに向かう。
次いで、テントの影に潜り込むと、「おい」と、小さな声で犬を呼んだ。
耳をピンと立たせて、犬が身体を起こす。
干し肉の欠片を近くに投げた。
犬は訝しげに肉の欠片に歩み寄り、フンフンと匂いを嗅いでからパクリと食べる。
口の中が空になった頃合を見計らって、もう少し大きな欠片を投げた。
また犬が食べる。
次の欠片は、投げる前に犬の目の前で揺らした。
肉につられて犬が首を左右に振る。
そして――
今度は、思い切り倉庫の奥へとそれを投げ込んだ。
「!」
狙い通り、犬は一目散に肉を追いかけ、木箱に突進した。間に挟まったのだろう肉を取ろうと必死になる。
その間に、俺は杖へと走った。
……あっけないもんだ。
さっきアウロラを助けることを躊躇った自分を笑ってやりたい。
起こってもいないことを不安に思うほどムダなものはない、とは誰の格言だったか。
俺は意気揚々と杖を手にした。
「いっ……!?」
その瞬間、肩に衝撃が走って俺は呻き声を漏らす。
杖が余りに重かったのだ。
長さは指先から肘までくらいなのに、それは予想を超えた重さだった。人ひとりぐらいはあるんじゃないか。肩が外れたかと思った。
あの少年は、こんなものを腰に穿いて動き回っていたらしい。
俺には……到底、持ち上げられない。
引きずって行くしかないが、音が立つ。
犬はまだ肉に夢中だが……
悩んでいる暇は無い。
俺は意を決して、杖を引きずりながらテントを出た。
もちろん犬はすぐにこちらに気付いた。
肉を咥えながら、こちらに走ってくる。
ワッ、ワフッ……ワンワンッ!
途中、肉を落として、再び咥えてと繰り返し、やがて一息に肉を飲み込むと犬は激しく吠え始めた。
ワンワンワン、ワンッ!!
「おい! ガキが入り込んでるぞ!?」
野太い声が響き渡る。
俺は死にもの狂いで杖を引きずり、アウロラの待つテントに走った。
ワンワンワンッ!
犬の興奮が最高潮に達し、男たちが集まってくる。
「あっ、ヤロウ杖持ってやがる!」
「あのガキの仲間か!?」
なんとかアウロラの待つテントの裏に回り込み、破いた隙間に飛び込んだ。ケツを犬に噛まれたが、気にしている場合ではない。
「アウロラ! 持ってきたぞ!」
木箱が邪魔でなかなか鉄格子に近づけない。
全身から汗が噴き出し、腕が悲鳴を上げている。
しかし、あと少しだ。
「レオン!」
あと少しで、アウロラの伸ばす手に杖が届く――その時だった。
「残念だったな」
「ぅわっ……!?」
グイと服を引っ張られたかと思えば、身体が宙に浮いた。
見張りの男に掴まったのだ。
「いい友達を持ってんじゃねえか、ガキンチョ」
男はそう言うとゲラゲラと笑った。
俺は奥歯を噛み締めると、渾身の力を振り絞り、杖を持ち上げる。そして、勢いよく鉄格子に向かってそれを倒した。
俺を掴んでいた男が、杖の動きに気付くが遅い。
それはゆっくりと弧を描いて倒れていき、アウロラの小さな手がしっかりとそれをキャッチした。
即座に彼が何かを口の中で呟くと、眩い光が生まれた。
ふわりと浮く、長い黒髪。
青の瞳が、不思議な色合いに揺れる。
そして彼は、あの重たい杖をタクトのように軽々と持ち上げた。
現れるのは、業火の焔か。
それとも、疾風の刃か。
「お、おい、杖を置け! オトモダチがどうなってもいいのか!?」
「オトモダチじゃありません」
光が弾け飛ぶと同時に、アウロラは杖を持つのとは逆の右手で鉄格子を掴んだ。
次の瞬間、重い音を立てて格子がぐにゃりと歪む。
彼はアーチをくぐるような仕草で、檻から出てきた。
余りに予想外の出来事に、集まりつつあったならず者たちも、俺も、唖然としてしまう。
「おばあちゃんは言ってました。人質を取るような悪い人は埋めてしまいなさいって。それが世のため人のため、回り回って自分のためになるって」
彼は杖をくるりと手の内で回すと、キッと俺を掴んでいる男を睨みつけた。
「我が望みは彼の声と聞け。『門』は開いた――ビルド・アップ」
力ある言葉がアウロラの唇から放たれた瞬間、杖を中心に先程とは比べようもない強く青白い光が爆ぜた。
光の中で華奢な杖の影が形を変えていく。
それは、数秒にも満たない時間。
光が収まれば、アウロラが手にしていた杖は、ヘッド部分が雄牛の頭3つ分はあろうかという巨大なハンマーになっていた。
どうやら、荷馬車で俺の目の前に迫った影は、コレだったようだ。
「……嘘だろ」
思わず、俺は驚きの声を漏らした。
通常、魔法とは自分の体内に流れるマナを魔方陣を触媒に対象物へと流し込み、活性化させることで奇跡を起こすものだ。
例えば、魔方陣で生み出した炎を活性化させ、巨大な火の玉にして打ち出す、というように。
しかし、この少年は違う。
杖をハンマーに……変質させた。
こんな真似が出来る魔法使いを俺は見たことがない。
2000年という時は、魔法の根源的法則すら、変えてしまったのだろうか?
「ボーッとするな! そいつを止めろ!!」
テントに集まっていたならず者の一人が叫ぶ。
その言葉が終わらぬうちに、アウロラは忽然と消えた。
俺は目を見張る。俺を捕まえていた男も混乱した様子で、キョロキョロと辺りを見渡した。
視界の端に、微かに捉えた人影。
それは男の背後へと超速で回り込んだアウロラだった。
彼は勢い余って、低い姿勢でハンマーを構えると、男めがけてそれを振り下ろした。
「えいっ!」
どうにも締まらない声とは裏腹に、男は残像を引いて首まで地面に埋まった。
冗談としか思えない光景に、その場にいた誰もが言葉を失う。
しかし、アウロラの動きは止まらない。
彼は上段に構えると、続いてこちらに走ってきていた男にハンマーを振り下ろした。
間抜けな表情を浮かべたまま地面に埋まる男。
「次」
アウロラはフッと短く息を吐くと、真剣な表情で、次のターゲットに狙いを定めた。
……なんにせよ、彼は前世で見かけたような魔法使いではない。
彼は、ゴリゴリの物理派だった。
望遠鏡で見やれば、杖は無造作に木箱に立てかけられており、見張りは白い中型犬のみ。
そいつは暇なのか伏せの体勢で大きな欠伸をしていた。
あれなら、俺でもなんとか出来そうだ。
「おやくにたちまして?」
下級妖精が望遠鏡の先から覗き返してくる。
俺は目を離すと、笑った。
「ありがとな。助かったよ」
妖精は、「れいにはおよびませぬゆえ」と鼻息荒く胸を張ると忽然と姿を消した。
俺は荷物から携帯食の干し肉を取り出すと、手で千切り、さっそく杖のあるテントに向かう。
次いで、テントの影に潜り込むと、「おい」と、小さな声で犬を呼んだ。
耳をピンと立たせて、犬が身体を起こす。
干し肉の欠片を近くに投げた。
犬は訝しげに肉の欠片に歩み寄り、フンフンと匂いを嗅いでからパクリと食べる。
口の中が空になった頃合を見計らって、もう少し大きな欠片を投げた。
また犬が食べる。
次の欠片は、投げる前に犬の目の前で揺らした。
肉につられて犬が首を左右に振る。
そして――
今度は、思い切り倉庫の奥へとそれを投げ込んだ。
「!」
狙い通り、犬は一目散に肉を追いかけ、木箱に突進した。間に挟まったのだろう肉を取ろうと必死になる。
その間に、俺は杖へと走った。
……あっけないもんだ。
さっきアウロラを助けることを躊躇った自分を笑ってやりたい。
起こってもいないことを不安に思うほどムダなものはない、とは誰の格言だったか。
俺は意気揚々と杖を手にした。
「いっ……!?」
その瞬間、肩に衝撃が走って俺は呻き声を漏らす。
杖が余りに重かったのだ。
長さは指先から肘までくらいなのに、それは予想を超えた重さだった。人ひとりぐらいはあるんじゃないか。肩が外れたかと思った。
あの少年は、こんなものを腰に穿いて動き回っていたらしい。
俺には……到底、持ち上げられない。
引きずって行くしかないが、音が立つ。
犬はまだ肉に夢中だが……
悩んでいる暇は無い。
俺は意を決して、杖を引きずりながらテントを出た。
もちろん犬はすぐにこちらに気付いた。
肉を咥えながら、こちらに走ってくる。
ワッ、ワフッ……ワンワンッ!
途中、肉を落として、再び咥えてと繰り返し、やがて一息に肉を飲み込むと犬は激しく吠え始めた。
ワンワンワン、ワンッ!!
「おい! ガキが入り込んでるぞ!?」
野太い声が響き渡る。
俺は死にもの狂いで杖を引きずり、アウロラの待つテントに走った。
ワンワンワンッ!
犬の興奮が最高潮に達し、男たちが集まってくる。
「あっ、ヤロウ杖持ってやがる!」
「あのガキの仲間か!?」
なんとかアウロラの待つテントの裏に回り込み、破いた隙間に飛び込んだ。ケツを犬に噛まれたが、気にしている場合ではない。
「アウロラ! 持ってきたぞ!」
木箱が邪魔でなかなか鉄格子に近づけない。
全身から汗が噴き出し、腕が悲鳴を上げている。
しかし、あと少しだ。
「レオン!」
あと少しで、アウロラの伸ばす手に杖が届く――その時だった。
「残念だったな」
「ぅわっ……!?」
グイと服を引っ張られたかと思えば、身体が宙に浮いた。
見張りの男に掴まったのだ。
「いい友達を持ってんじゃねえか、ガキンチョ」
男はそう言うとゲラゲラと笑った。
俺は奥歯を噛み締めると、渾身の力を振り絞り、杖を持ち上げる。そして、勢いよく鉄格子に向かってそれを倒した。
俺を掴んでいた男が、杖の動きに気付くが遅い。
それはゆっくりと弧を描いて倒れていき、アウロラの小さな手がしっかりとそれをキャッチした。
即座に彼が何かを口の中で呟くと、眩い光が生まれた。
ふわりと浮く、長い黒髪。
青の瞳が、不思議な色合いに揺れる。
そして彼は、あの重たい杖をタクトのように軽々と持ち上げた。
現れるのは、業火の焔か。
それとも、疾風の刃か。
「お、おい、杖を置け! オトモダチがどうなってもいいのか!?」
「オトモダチじゃありません」
光が弾け飛ぶと同時に、アウロラは杖を持つのとは逆の右手で鉄格子を掴んだ。
次の瞬間、重い音を立てて格子がぐにゃりと歪む。
彼はアーチをくぐるような仕草で、檻から出てきた。
余りに予想外の出来事に、集まりつつあったならず者たちも、俺も、唖然としてしまう。
「おばあちゃんは言ってました。人質を取るような悪い人は埋めてしまいなさいって。それが世のため人のため、回り回って自分のためになるって」
彼は杖をくるりと手の内で回すと、キッと俺を掴んでいる男を睨みつけた。
「我が望みは彼の声と聞け。『門』は開いた――ビルド・アップ」
力ある言葉がアウロラの唇から放たれた瞬間、杖を中心に先程とは比べようもない強く青白い光が爆ぜた。
光の中で華奢な杖の影が形を変えていく。
それは、数秒にも満たない時間。
光が収まれば、アウロラが手にしていた杖は、ヘッド部分が雄牛の頭3つ分はあろうかという巨大なハンマーになっていた。
どうやら、荷馬車で俺の目の前に迫った影は、コレだったようだ。
「……嘘だろ」
思わず、俺は驚きの声を漏らした。
通常、魔法とは自分の体内に流れるマナを魔方陣を触媒に対象物へと流し込み、活性化させることで奇跡を起こすものだ。
例えば、魔方陣で生み出した炎を活性化させ、巨大な火の玉にして打ち出す、というように。
しかし、この少年は違う。
杖をハンマーに……変質させた。
こんな真似が出来る魔法使いを俺は見たことがない。
2000年という時は、魔法の根源的法則すら、変えてしまったのだろうか?
「ボーッとするな! そいつを止めろ!!」
テントに集まっていたならず者の一人が叫ぶ。
その言葉が終わらぬうちに、アウロラは忽然と消えた。
俺は目を見張る。俺を捕まえていた男も混乱した様子で、キョロキョロと辺りを見渡した。
視界の端に、微かに捉えた人影。
それは男の背後へと超速で回り込んだアウロラだった。
彼は勢い余って、低い姿勢でハンマーを構えると、男めがけてそれを振り下ろした。
「えいっ!」
どうにも締まらない声とは裏腹に、男は残像を引いて首まで地面に埋まった。
冗談としか思えない光景に、その場にいた誰もが言葉を失う。
しかし、アウロラの動きは止まらない。
彼は上段に構えると、続いてこちらに走ってきていた男にハンマーを振り下ろした。
間抜けな表情を浮かべたまま地面に埋まる男。
「次」
アウロラはフッと短く息を吐くと、真剣な表情で、次のターゲットに狙いを定めた。
……なんにせよ、彼は前世で見かけたような魔法使いではない。
彼は、ゴリゴリの物理派だった。
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