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日常6
妄想過激と誤算スパイス(4)
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「帝人と類ちゃんのエッチ、めっちゃ見たくない……?」
「み、見たいって……」
ぶっちゃけ見てみたい気持ちは、ありよりのありだ。
しかし、両手を上げて彼に賛同は出来なかった。
そんなことをしたら、僕は二度と常識人ポジションではいられなくなる。
……いや、今も大概な自覚はあるが。
などと、内心で激しくツッコミを入れていると、ソウさんが口を開いた。
「混ざればいい」
「いやいや、そんな簡単に混ざるって……」
「混ざるかー……混ざりたい気持ちは確かにあるっちゃあるけどさー……」
うーん、といつになく冷静なニャン太さん。
「でもさ、帝人と一緒に類ちゃんのこと攻めるってなったら……
やっぱ、ちんちんの小ささを思い知って立ち直れなくなりそうだから、やめとく……」
「そうか」
「ソウちゃんは? 混ざっちゃう?」
「類が良い方がいい」
「それは100パー良い、だよ!
類ちゃん、絶対気持ち良くなると思う!」
ニャン太さんは拳を握り締め、唾を飛ばす勢いで語った。
「だってさ、帝人に抱かれて感じちゃうとか、めちゃくちゃ屈辱的じゃん!?
しかもそれをソウちゃんに見られるとか……
絶対、絶対、ずぇったい、興奮する。類ちゃん、意外とエムっ気あるし!」
「なら、混ざる」
「ま、待って下さい! ソウさんが混ざったら、いろいろとマズいのでは……っ」
「何でだ?」
不思議そうにするソウさん。
「何で、って……だって、帝人さんはソウさんのことが好きなわけで……」
「構わない。ふたりとも抱く」
即答だった。
僕は押し黙ると、視線を泳がせた。
やはり、ソウさんは全く想定していない。
帝人さんとソウさんが致すとなったら、抱くか抱かれるかの衝突が起こることを。
今までのことを思い返すに、帝人さんには抱かれる予定は一切無い。
そして、ソウさんもタチ専だ。
……しかし、今、ここでその話を挟んでもややこしくなるだけなので止めた。
「デンデンはどうする? 混ざる?」
「ぼ、僕は遠慮しておきます」
「なんで!? アヘアヘしてる類ちゃん見たくないの!?」
「み……見た、ぃ、ですけど……混ざったら、所在が無さそうで……」
だって、帝人さんと類さんがイチャイチャしている横で何をしろと言うのだろう。
屈辱的に感じてしまう類さんなんて貴重なのだから、見たいに決まっている。
僕には一生見せてくれない表情なのだ。
しかし、男優顔負けのふたりに、ちんちくりんな僕が混ざるだなんて邪魔以外の何物でもない。
「なら、録画にしとく? でも、リアルタイムで見たいよねえ……」
ニャン太さんが腕を組む。
ふと我に返りかけた僕は、すぐさま我を手放した。
今は冷静になってはいけない時だ。
「でもさ、帝人に思い知らされちゃった類ちゃんから、『もう無理、助けて』って言われたくない?」
「確かに」
僕とソウさんはウンウン頷いた。
「ってことは、ボクら動けないように縛られるかなんかして、目の前で見せつけられる……ハッ! これがちょっと前に流行ってたNTRってやつ!?」
ニャン太さんが手を打つ。
しかし、すぐに彼は顔をしかめた。
「でも、ボクのちんちんより帝人のがいいとか目の前で言われたら、冷静でいられる気がしない……」
「寝取られはやめておきましょう」
プレイ現場が、事件現場になってしまう。
「でもさ、でもさ、やっぱ『もうムリ、助けて』って言われるの捨てがたくない!?」
「『もうムリ、許して』もいいじゃん」
後ろから聞こえた声に、僕は「わかります」と頷いた。
確かに、『もう無理、許して』と言う類さんも捨てがた――ん?
「そうすると帝人視点になるから、この場合は帝人にカメラを付けてもろて……
ギャーーーーッッッ!?!?!?」
僕が凍りついたのと、ニャン太さんが悲鳴をあげたのは、同時だった。
やっと、僕らは帰宅していた類さんと帝人さんに気付いたのだ。
「み、見たいって……」
ぶっちゃけ見てみたい気持ちは、ありよりのありだ。
しかし、両手を上げて彼に賛同は出来なかった。
そんなことをしたら、僕は二度と常識人ポジションではいられなくなる。
……いや、今も大概な自覚はあるが。
などと、内心で激しくツッコミを入れていると、ソウさんが口を開いた。
「混ざればいい」
「いやいや、そんな簡単に混ざるって……」
「混ざるかー……混ざりたい気持ちは確かにあるっちゃあるけどさー……」
うーん、といつになく冷静なニャン太さん。
「でもさ、帝人と一緒に類ちゃんのこと攻めるってなったら……
やっぱ、ちんちんの小ささを思い知って立ち直れなくなりそうだから、やめとく……」
「そうか」
「ソウちゃんは? 混ざっちゃう?」
「類が良い方がいい」
「それは100パー良い、だよ!
類ちゃん、絶対気持ち良くなると思う!」
ニャン太さんは拳を握り締め、唾を飛ばす勢いで語った。
「だってさ、帝人に抱かれて感じちゃうとか、めちゃくちゃ屈辱的じゃん!?
しかもそれをソウちゃんに見られるとか……
絶対、絶対、ずぇったい、興奮する。類ちゃん、意外とエムっ気あるし!」
「なら、混ざる」
「ま、待って下さい! ソウさんが混ざったら、いろいろとマズいのでは……っ」
「何でだ?」
不思議そうにするソウさん。
「何で、って……だって、帝人さんはソウさんのことが好きなわけで……」
「構わない。ふたりとも抱く」
即答だった。
僕は押し黙ると、視線を泳がせた。
やはり、ソウさんは全く想定していない。
帝人さんとソウさんが致すとなったら、抱くか抱かれるかの衝突が起こることを。
今までのことを思い返すに、帝人さんには抱かれる予定は一切無い。
そして、ソウさんもタチ専だ。
……しかし、今、ここでその話を挟んでもややこしくなるだけなので止めた。
「デンデンはどうする? 混ざる?」
「ぼ、僕は遠慮しておきます」
「なんで!? アヘアヘしてる類ちゃん見たくないの!?」
「み……見た、ぃ、ですけど……混ざったら、所在が無さそうで……」
だって、帝人さんと類さんがイチャイチャしている横で何をしろと言うのだろう。
屈辱的に感じてしまう類さんなんて貴重なのだから、見たいに決まっている。
僕には一生見せてくれない表情なのだ。
しかし、男優顔負けのふたりに、ちんちくりんな僕が混ざるだなんて邪魔以外の何物でもない。
「なら、録画にしとく? でも、リアルタイムで見たいよねえ……」
ニャン太さんが腕を組む。
ふと我に返りかけた僕は、すぐさま我を手放した。
今は冷静になってはいけない時だ。
「でもさ、帝人に思い知らされちゃった類ちゃんから、『もう無理、助けて』って言われたくない?」
「確かに」
僕とソウさんはウンウン頷いた。
「ってことは、ボクら動けないように縛られるかなんかして、目の前で見せつけられる……ハッ! これがちょっと前に流行ってたNTRってやつ!?」
ニャン太さんが手を打つ。
しかし、すぐに彼は顔をしかめた。
「でも、ボクのちんちんより帝人のがいいとか目の前で言われたら、冷静でいられる気がしない……」
「寝取られはやめておきましょう」
プレイ現場が、事件現場になってしまう。
「でもさ、でもさ、やっぱ『もうムリ、助けて』って言われるの捨てがたくない!?」
「『もうムリ、許して』もいいじゃん」
後ろから聞こえた声に、僕は「わかります」と頷いた。
確かに、『もう無理、許して』と言う類さんも捨てがた――ん?
「そうすると帝人視点になるから、この場合は帝人にカメラを付けてもろて……
ギャーーーーッッッ!?!?!?」
僕が凍りついたのと、ニャン太さんが悲鳴をあげたのは、同時だった。
やっと、僕らは帰宅していた類さんと帝人さんに気付いたのだ。
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