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日常4
雨と心(9)
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「大変です! くつしたがいなくなってる!」
「ええっ!?」
僕が叫ぶと、走ってきたニャン太さんが裸足で庭に下りて言った。
「いなくなってるって、何で……隠れてるとかじゃないの?」
しゃがんで縁側の下を覗き込む彼に、僕はリードを縛っていたところを示す。
「たぶん、雷の音にビックリして逃げてしまったんじゃないかと」
「……マジで」
完全に判断ミスだった。
大人しいし呼び掛ければすぐに顔を見せてくれたから、大丈夫だろうと思い込んでいた。
強く引っ張るようなことがあっても、外れないよう大人が管理すべきだったのに。
今頃パニックになってしまっているだろう。見知らぬ土地で、一匹ぼっちで……くつしたは大丈夫だろうか。
「くつしたにげないよ!」
「にげたことないもん!」
ユウユウたちがニャン太さんの後を追って、縁側から飛び降りようとする。
それを間一髪で帝人さんが抱き上げて止めた。
「はーなーしてよーっ!!」
「濡れたら風邪ひいちゃうよ」
手足をジタバタさせる双子を、帝人さんが穏やかに宥める。
と、ソウさんを連れて類さんが戻ってきた。
「なんだなんだ。どうした?」
「それが……」
僕とニャン太さんは部屋に戻ると、くつしたがいなくなったことを話した。
「……ビックリして逃げたってことは、その内帰ってくるんじゃねぇの。犬は鳥と違って夜目もきくし」
「いえ、事は一刻を争うかと思うんです……」
「なんで?」
「リードを付けっぱなしなんですよ。この辺りは木が多いし、引っかかったりでもしたら首を吊っちゃいますし……」
言葉の途中で僕はじっとこちらを見つめてくる視線に気づいて息を飲んだ。
「くつしたしんじゃう……?」
ユータくんが不安げに瞳を揺らしている。
その大きな目が、みるみるうちに涙で潤んで、僕はやっと自身の失言に気付いた。
と、次の瞬間、
「いっ……!」
ユートくんがユータくんを拳で叩いた。
「うぇぇぇぇぇええええ! ニーニがなぐったぁぁあああ!」
「おまえがちゃんとしばらないからじゃん!」
「こらこらこら、ケンカしないの! 大丈夫だからっ!」
ニャン太さんが帝人さんの腕から、ユータくんを抱き上げる。
「だいじょうぶじゃない! くつしたしんじゃうんでしょ! しん……っ」
言葉の途中で息を引きつらせる。
それから、涙がポロポロと溢れ出した。
「ふ、ぅ、ヒック、う……うぇ、やだよぉぉぉぉおお!」
「だからーー」
「「うぇええええええええええっ!」」
耳をつんざく泣き声。
こういう時、どうすればいいのか……幼い子と関わったことがない僕は混乱するばかりで、助けを求めて類さんを見る。
が、彼もまた、びっくりしたように目を丸めて立ち尽くしていた。
と、そこに、
「外、見てくるよ」
と、双子が大きく息を吸ったタイミングで、帝人さんが言った。
その穏やかな声は不思議な力があるみたいに、幼子たちは声を飲み込んで彼を見つめる。
「くつした、みつかる……?」
「まだいなくなってから、そんなに時間も経っていないし、大丈夫だよ」
「待ってよ、帝人。凄い雨だよ。まだ雷も鳴ってるし……」
心配そうに外を見やるニャン太さん。
「僕も行きます」と言えば、類さんも「俺も行くよ」と続けた。
「心配するなよ、ニャン太。とりあえず2時間だ。2時間探したら、いったんココに戻ってくる。くつしたが自分から戻ってくる可能性もゼロじゃないしさ」
「わかった。俺も行く」とソウさんも続けた。それに類さんが顔をしかめ、帝人さんが首を振った。
「ソウは行かないよ。夜の森はかなり暗いから」
僕も帝人さんたちの意見に同意だ。
回復したとは言え、ソウさんを夜の森に連れ出すわけにはいかない。
「だが……」
「俺たちのことを信じて、蒼悟はニャン太たちと留守番しててくれ。頼んだぞ?」
類さんの言葉にソウさんは少し悩んでから、やがて頷いた。
「ボク、懐中電灯持ってくる!」
ニャン太さんが慌ただしく部屋を後にした。
* * *
僕と類さん、それから帝人さんは、懐中電灯を手に外へと繰り出した。
雨は降っているが、少しだけ落ち着いてきている。
貸別荘のある平地を出ると、森の中に伸びる散歩道と、国道へ続く大通りが現れた。
僕らは迷わず散歩道の方へ向かった。
犬が逃げたことは、ニャン太さんのお姉さんたちには連絡済みで、国道の方は彼女たちが車で見ることになっていたからだ。
やがて道が複雑になってくると、3人バラバラで探すことになった。
「くつしたー! おーい、くつしたー!!」
キレイに舗装された道を、僕はひとりでくつしたを呼びながら歩いた。
あまり傘は役には立たず、歩く度に靴がぐちゃぐちゃと鳴り始めるまで、そう時間はかからなかった。
寒くないのが、不幸中の幸いだ。
「どこにいるんだー? くつしたー! ユウユウたちの所に帰ろうー!」
ザワザワと風に葉が揺れる。
夜の森は予想以上に暗くて、だんだんと心細くなってくる。
暗い森は化け物みたいに黒く大きくて、不気味だった。
見つからないかもしれない、という不安が頭をもたげ、それを振り払うようにして、声を張り上げる。
そんなことをどれくらい繰り返した頃だろう。
前方から僕と同じように、くつしたを呼ぶ声が近づいてくるのに気付いた。
「あれ? 伝くん?」
鉢合わせたのは、帝人さんだった。
3人それぞれ別の道を進んでいたはずだが、道の先が繋がっていたらしい。
「そっちはどうだった?」
「いえ、何も。帝人さんは――」
「こっちも手掛かりナシ」
「そうですか……」
ガクリと肩を落とす。
「大丈夫? 疲れた?」
帝人さんが気遣わしげに問う。
「いえ、疲れたというより……心配で」
僕は、暗い森を見渡すようにした。
「……本当に、くつしたは何処に行っちゃったんでしょう?」
雨は落ち着いてきたとは言え、近くには川もある。今まで考えないようにしていたが、もしかしたら……
大丈夫だと何度も言い聞かせてきたが、1度考えてしまうと最悪なことばかりが頭を過る。
項垂れる僕の背中を、力付けるように帝人さんが軽く叩いた。
「これだけ探してて見つからないなら、意外と近くで丸くなってるかもしれないよ。よく、猫とか自宅のクローゼットに隠れてた、とか聞くじゃないか」
「そうでしょうか。そうだといいのですが」
「そうだよ」と話を切り上げて、帝人さんは僕の来た道を進んで行く。
「そっち行くと、戻っちゃいますよ」
「戻るつもりだからね。時計、見てみなよ」
僕は携帯で時間を見た。気が付かないうちに1時間半を超えていた。
今から折り返さないと、類さんと約束の時間には間に合わない。けれど。
「……帝人さん、先に帰っててください。僕はもう少し探してから戻ります」
踵を返そうとすれば、腕をキツく掴まれた。
「ダメだよ。2時間で戻るって約束だっただろう?」
「ですが……」
「一旦戻って仕切り直しだよ。服も濡れてるし、着替えないと」
そんな話をしていた時だった。
風の音に紛れて、微かに犬の鳴き声がした気がした。
「伝くん?」
しっ、と僕は立てた人差し指を口元に当てる。それから耳を澄ませた。
空耳かもしれない。
しかし、気のせいじゃないかもしれない。……そうであって欲しい、と祈りながら僕は意識を耳に集中させる。
雫が傘に落ちる音、さぁあと雨の音、ゴォゴォと聞こえる風の音。いや、これは川の音だろうか……
やがて「あっ」と帝人さんが声を漏らした。
僕は頷いた。確かに今、犬の声が聞こえた!
「くつしたーっ!!」
僕はここぞとばかりに声を張り上げる。
「おーい、くつしたー!」
帝人さんが続けた。
それに、ワン!と応える声。
空耳ではない。確かに、くつしたの元気な声だった。
僕と帝人さんは顔を見合わせる。
ついで、僕は声のした方向へ走り始めた。
「ちょっ、伝くん……!」
「くつしたー! どこにいるんだー!? 迎えに来たぞー!」
「ひとりで行ったら危ないよ! この辺、舗装もちゃんとしていないんだからっ」
「大丈夫ですよ。ちゃんとしてなくても、道は道ですし――」
ついてくる帝人さんを振り返る。その時、後ろに踏み出した右足が宙をズルッと滑った。
戸惑う暇もなかった。
「伝くん!」
帝人さんの裏返るような声。
咄嗟に伸ばされた手が、痛いほどに僕の腕を掴む。
しかし、傾いた身体を立て直すことはできず……僕らは、勢いよく斜面を転がり落ちていった。
「ええっ!?」
僕が叫ぶと、走ってきたニャン太さんが裸足で庭に下りて言った。
「いなくなってるって、何で……隠れてるとかじゃないの?」
しゃがんで縁側の下を覗き込む彼に、僕はリードを縛っていたところを示す。
「たぶん、雷の音にビックリして逃げてしまったんじゃないかと」
「……マジで」
完全に判断ミスだった。
大人しいし呼び掛ければすぐに顔を見せてくれたから、大丈夫だろうと思い込んでいた。
強く引っ張るようなことがあっても、外れないよう大人が管理すべきだったのに。
今頃パニックになってしまっているだろう。見知らぬ土地で、一匹ぼっちで……くつしたは大丈夫だろうか。
「くつしたにげないよ!」
「にげたことないもん!」
ユウユウたちがニャン太さんの後を追って、縁側から飛び降りようとする。
それを間一髪で帝人さんが抱き上げて止めた。
「はーなーしてよーっ!!」
「濡れたら風邪ひいちゃうよ」
手足をジタバタさせる双子を、帝人さんが穏やかに宥める。
と、ソウさんを連れて類さんが戻ってきた。
「なんだなんだ。どうした?」
「それが……」
僕とニャン太さんは部屋に戻ると、くつしたがいなくなったことを話した。
「……ビックリして逃げたってことは、その内帰ってくるんじゃねぇの。犬は鳥と違って夜目もきくし」
「いえ、事は一刻を争うかと思うんです……」
「なんで?」
「リードを付けっぱなしなんですよ。この辺りは木が多いし、引っかかったりでもしたら首を吊っちゃいますし……」
言葉の途中で僕はじっとこちらを見つめてくる視線に気づいて息を飲んだ。
「くつしたしんじゃう……?」
ユータくんが不安げに瞳を揺らしている。
その大きな目が、みるみるうちに涙で潤んで、僕はやっと自身の失言に気付いた。
と、次の瞬間、
「いっ……!」
ユートくんがユータくんを拳で叩いた。
「うぇぇぇぇぇええええ! ニーニがなぐったぁぁあああ!」
「おまえがちゃんとしばらないからじゃん!」
「こらこらこら、ケンカしないの! 大丈夫だからっ!」
ニャン太さんが帝人さんの腕から、ユータくんを抱き上げる。
「だいじょうぶじゃない! くつしたしんじゃうんでしょ! しん……っ」
言葉の途中で息を引きつらせる。
それから、涙がポロポロと溢れ出した。
「ふ、ぅ、ヒック、う……うぇ、やだよぉぉぉぉおお!」
「だからーー」
「「うぇええええええええええっ!」」
耳をつんざく泣き声。
こういう時、どうすればいいのか……幼い子と関わったことがない僕は混乱するばかりで、助けを求めて類さんを見る。
が、彼もまた、びっくりしたように目を丸めて立ち尽くしていた。
と、そこに、
「外、見てくるよ」
と、双子が大きく息を吸ったタイミングで、帝人さんが言った。
その穏やかな声は不思議な力があるみたいに、幼子たちは声を飲み込んで彼を見つめる。
「くつした、みつかる……?」
「まだいなくなってから、そんなに時間も経っていないし、大丈夫だよ」
「待ってよ、帝人。凄い雨だよ。まだ雷も鳴ってるし……」
心配そうに外を見やるニャン太さん。
「僕も行きます」と言えば、類さんも「俺も行くよ」と続けた。
「心配するなよ、ニャン太。とりあえず2時間だ。2時間探したら、いったんココに戻ってくる。くつしたが自分から戻ってくる可能性もゼロじゃないしさ」
「わかった。俺も行く」とソウさんも続けた。それに類さんが顔をしかめ、帝人さんが首を振った。
「ソウは行かないよ。夜の森はかなり暗いから」
僕も帝人さんたちの意見に同意だ。
回復したとは言え、ソウさんを夜の森に連れ出すわけにはいかない。
「だが……」
「俺たちのことを信じて、蒼悟はニャン太たちと留守番しててくれ。頼んだぞ?」
類さんの言葉にソウさんは少し悩んでから、やがて頷いた。
「ボク、懐中電灯持ってくる!」
ニャン太さんが慌ただしく部屋を後にした。
* * *
僕と類さん、それから帝人さんは、懐中電灯を手に外へと繰り出した。
雨は降っているが、少しだけ落ち着いてきている。
貸別荘のある平地を出ると、森の中に伸びる散歩道と、国道へ続く大通りが現れた。
僕らは迷わず散歩道の方へ向かった。
犬が逃げたことは、ニャン太さんのお姉さんたちには連絡済みで、国道の方は彼女たちが車で見ることになっていたからだ。
やがて道が複雑になってくると、3人バラバラで探すことになった。
「くつしたー! おーい、くつしたー!!」
キレイに舗装された道を、僕はひとりでくつしたを呼びながら歩いた。
あまり傘は役には立たず、歩く度に靴がぐちゃぐちゃと鳴り始めるまで、そう時間はかからなかった。
寒くないのが、不幸中の幸いだ。
「どこにいるんだー? くつしたー! ユウユウたちの所に帰ろうー!」
ザワザワと風に葉が揺れる。
夜の森は予想以上に暗くて、だんだんと心細くなってくる。
暗い森は化け物みたいに黒く大きくて、不気味だった。
見つからないかもしれない、という不安が頭をもたげ、それを振り払うようにして、声を張り上げる。
そんなことをどれくらい繰り返した頃だろう。
前方から僕と同じように、くつしたを呼ぶ声が近づいてくるのに気付いた。
「あれ? 伝くん?」
鉢合わせたのは、帝人さんだった。
3人それぞれ別の道を進んでいたはずだが、道の先が繋がっていたらしい。
「そっちはどうだった?」
「いえ、何も。帝人さんは――」
「こっちも手掛かりナシ」
「そうですか……」
ガクリと肩を落とす。
「大丈夫? 疲れた?」
帝人さんが気遣わしげに問う。
「いえ、疲れたというより……心配で」
僕は、暗い森を見渡すようにした。
「……本当に、くつしたは何処に行っちゃったんでしょう?」
雨は落ち着いてきたとは言え、近くには川もある。今まで考えないようにしていたが、もしかしたら……
大丈夫だと何度も言い聞かせてきたが、1度考えてしまうと最悪なことばかりが頭を過る。
項垂れる僕の背中を、力付けるように帝人さんが軽く叩いた。
「これだけ探してて見つからないなら、意外と近くで丸くなってるかもしれないよ。よく、猫とか自宅のクローゼットに隠れてた、とか聞くじゃないか」
「そうでしょうか。そうだといいのですが」
「そうだよ」と話を切り上げて、帝人さんは僕の来た道を進んで行く。
「そっち行くと、戻っちゃいますよ」
「戻るつもりだからね。時計、見てみなよ」
僕は携帯で時間を見た。気が付かないうちに1時間半を超えていた。
今から折り返さないと、類さんと約束の時間には間に合わない。けれど。
「……帝人さん、先に帰っててください。僕はもう少し探してから戻ります」
踵を返そうとすれば、腕をキツく掴まれた。
「ダメだよ。2時間で戻るって約束だっただろう?」
「ですが……」
「一旦戻って仕切り直しだよ。服も濡れてるし、着替えないと」
そんな話をしていた時だった。
風の音に紛れて、微かに犬の鳴き声がした気がした。
「伝くん?」
しっ、と僕は立てた人差し指を口元に当てる。それから耳を澄ませた。
空耳かもしれない。
しかし、気のせいじゃないかもしれない。……そうであって欲しい、と祈りながら僕は意識を耳に集中させる。
雫が傘に落ちる音、さぁあと雨の音、ゴォゴォと聞こえる風の音。いや、これは川の音だろうか……
やがて「あっ」と帝人さんが声を漏らした。
僕は頷いた。確かに今、犬の声が聞こえた!
「くつしたーっ!!」
僕はここぞとばかりに声を張り上げる。
「おーい、くつしたー!」
帝人さんが続けた。
それに、ワン!と応える声。
空耳ではない。確かに、くつしたの元気な声だった。
僕と帝人さんは顔を見合わせる。
ついで、僕は声のした方向へ走り始めた。
「ちょっ、伝くん……!」
「くつしたー! どこにいるんだー!? 迎えに来たぞー!」
「ひとりで行ったら危ないよ! この辺、舗装もちゃんとしていないんだからっ」
「大丈夫ですよ。ちゃんとしてなくても、道は道ですし――」
ついてくる帝人さんを振り返る。その時、後ろに踏み出した右足が宙をズルッと滑った。
戸惑う暇もなかった。
「伝くん!」
帝人さんの裏返るような声。
咄嗟に伸ばされた手が、痛いほどに僕の腕を掴む。
しかし、傾いた身体を立て直すことはできず……僕らは、勢いよく斜面を転がり落ちていった。
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