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日常2

勉強会とリベンジマッチ(1)

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◆◆◆前書き◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ひょんなことから、ニャン太、蒼悟からセックスレクチャーを受けることになった伝。

帝人も参加して、男子高校生みたいにワチャワチャするお話です。

果たして、伝は類とのリベンジマッチを成功させることができるのか…!?

9割下ネタ、最後の方に伝×類のアダルトシーンがあります。9~10回更新。



#R18 #下ネタ #ワチャワチャ #コミカル #リバ #類受け

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 気怠い身体に触れる、冷たい感触。

「ん……」

 瞼を持ち上げると、ボクサーパンツ姿のニャン太さんが、ちょうど僕の額に濡れたタオルを押し当てたところだった。

「あ、起きた? タオル冷たくない? 平気??」

「す、すみません……!」

 僕は慌てて身体を起こす。

「自分でやりますよ」

 どうやら、また……その、途中で意識を失ってしまっていたらしい。

「ダメでーす」

 タオルを受け取ろうとすれば、ニャン太さんはサッと手を引いた。

「やっとジャンケンで類ちゃんに勝ったんだから。今日はボクがデンデンのことサッパリさせてあげる」

 ずい、と顔を覗き込まれる。次いで、優しく唇を塞がれた。

「んっ……ニャン太さ……」

 彼はニコニコして、今度は僕の頬にタオルを当てた。

「ボクね、こうしてエッチした後に汗拭くのとか、凄く好きなんだよ。余韻に浸れるっていうか胸がキュンキュンしてさ~。……愛おしいなって思う」

 そう言いながら、首筋の汗を拭われる。

「デンデン、顔上げて。ウーってして」

「は、はい……」

 気恥ずかしくて目を閉じていると、指先が鎖骨の辺りを優しく突いた。

「エヘヘ。キスマーク、たくさん付けちゃったね」

 つつつ、となぞられ吐息が跳ねる。

「どれがボクのだろ。この歯形は、類ちゃんかな」

 ニャン太さんは僕の反応に気付いているのかいないのか、楽しそうに汗を拭ってくれる。
 やがて身体がサッパリした頃、濡れたタオルを片付けながら彼は口を開いた。

「……そういえばさ、デンデンってタチに興味ないの?」

「どうしてですか?」

「3人でしてても、ネコばっかじゃん? 興味あるなら言っていーんだからね。お尻とは違う気良さもあるし……類ちゃんの中、めっちゃ気持ちいいよ♪」

 ……知っている。
 なんと答えるべきか悩ましい。俯むくと、ニャン太さんは慌てて付け加えた。

「もちろん、ボクでもいいけどもっ」

「あ、いえ、そういうことではなくっ……」

「……およ? その反応はもしかして、したことある? 類ちゃんと??」

「え、ええ、1度だけですけど……」

「なんだ! なら、言ってよ~! 今度、ボクとポジション変えてしよーね!」

「い、いえ、僕はその……いつも通りで……」

「お尻のがいい?」

「は、はい」

 平然を装い頷く。
 まさか失敗したのがトラウマになっています、とは言えない。

「んんん?」

 ニャン太さんが腕を組んで小首を傾げる。
 僕は無意味に視線を彷徨わせ、部屋の扉の方を見やった。

「る、類さん、そろそろ戻ってきますよね。ドライヤーの用意を――」

「もしかして……失敗した?」

「ふぇあ!?」

 ドストレートに図星を突かれて、変な声が出た。

「し、しし、失敗なんて、そんな……」

 僕は無理やり笑い飛ばそうとするが、

「水くさいなぁ! 言ってよ、そういうことは!」

 もちろん、ごまかせなかった。

「誰だって失敗のひとつやふたつあるって。1度の失敗で諦められることじゃないでしょーよ!」

 バシバシ背中を叩かれる。

「でも……人には得意不得意がありますし。僕には、その、ちょっとハードルが高かったみたいで……」

「1度の経験じゃ、得意不得意なんて決めらんないって」

 ニャン太さんは、弾むようにしてベッドに座り直すと、ニッと口の端を持ち上げた。

「わかんないこととかあったら、聞いていーんだよ?」

「え? き、聞く?」

「ボクとか、ソウちゃんにさ。10年、類ちゃんとめっちゃセックスしてきたわけだし……言うなれば、類ちゃんのプロだよ。ボクらは」

「た、確かにそうですけど……流石に、そんなこと聞けませんよ」

「なんで?」

「なんでって……」

 何でだろう?

「勉強でわかんないことあったら、先生に聞くじゃん。それと同じでしょ?」

「お、同じ……でしょうか」

「同じだよ」と頷くと、ニャン太さんがベッドにゴロリと横になる。

「わからないことがあれば、勉強すればいい。わかる人に聞けばいいじゃん。
 みんな、勉強とか仕事の時はそうするじゃない? でも、恋愛のこととか、自分のこととか、家族のことになると、途端にできなくなっちゃうんだよね~フシギ」

 ニャン太さんを見下ろす。
 彼は頭の後ろで手を組むと、難しい顔をした。

「気持ち良くエッチできたら、最高じゃん? むしろ、それを勉強するのって相手への最大のリスペクトなんじゃないかぁ」

「……ニャン太さんは、凄いですね」

 思わず、感嘆のため息がこぼれ出た。

「凄い? なんで??」

「セックスを勉強するって発想が僕にはなかったので。目から鱗です」

 効率が大事とは思わないが、何事もやみくもに経験を重ねればいいというわけでもない。
 それは、相手を愛する方法も同じだろう。

 勉強の仕方の本はたくさんあるし、読んできた。一方、セックスについては……ハウツー本があるかも知らないし、あってもなかなか手に取ろうとはならない。
 言われてみれば、不思議なことだ。

「いろいろ調べたりしてみます。どうしてもわからないことがあったら、その……質問、させてください」

 諦めたと思っていたけれど、意外と自分はリベンジしたいと思っているようだ。

 いつも気持ち良くして貰ってばかりで申し訳ないし、それに……ニャン太さんのように、類さんを陶然とさせたい、という想いもある。

 質問するというのは、かなり勇気がいることだが、ニャン太さんとソウさんに尋ねれば解決しない問題はないだろう。それはとても心強いことだ。

「あっ、じゃあさ、じゃあさ、勉強会しよっか!」

 と、ニャン太さんが勢いよく身体を起こして言った。ベッドが軋む。

「べ、勉強会?」

 首を傾げると、彼は真剣な様子で頷いた。

「そ! 類ちゃんのお尻の勉強会!」
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