90 / 224
番外編2
セシルくんは素直になりたい。(10)
しおりを挟む
* * *
眠れない時間を過ごしていると、
隣のベッドでヴィンセントが、起き上がった気配がした。
彼は手早く着替えると、音を立てないように忍び足で部屋を出ていく。
ボクはうっすらと瞼を持ち上げて、
彼が戻って来ないのを確認すると体を起こした。
まだ、夕方だ。
ヴィンセントが仕事に行くには、だいぶ早い。
しかも、ボクに何も言わないで出て行くなんて、
怪しいこと、この上なかった。
絶対、ボクに後ろめたいことをしている。
「……黙って行くなんて、今までなかったのに」
ボクはカーテンの閉まった窓に目を向けた。
耳をすませば雨音がした。
恐る恐るカーテンを抓み上げれば、
幸いなことに外は雨で、暗かった。
これくらいなら、きちんと準備をすれば一瞬で灰になるようなことはない……はず。
ボクは入念に日光対策をすると、街へとヴィンセントを捜しに出た。
* * *
ボクは乗り合い馬車に乗り込んで街外れの歓楽街に向かった。
雨はどんどん激しくなって、土砂降りになった。
雨粒が石畳の上で跳ねて、
まるで白いカーテンが引かれたように視界がぼやけている。
空気は重苦しく、
行き交う人々の表情もどことなく暗く見えた。
ボクは必死でヴィンセントを捜し回った。
彼を雇った店の名前をボクは忘れていて、
この時ばかりは、ヴィンセントの話を適当に聞いていた自分に、ホントに腹が立った。
街は雨と時間のせいもあってか、人の姿はあまりなかった。
お陰で、なんとかヴィンセントを見つけることが出来たのだけれど……
「ふふ、早く来て。次はあの店よ」
小さな傘に身を押し込むようにして、ヴィンセントは女の人と歩いていた。
女の人は彼の腕に親しげに腕を絡め、
近くのお店に――少し高そうな装飾品を売っているお店に入っていった。
ボクは立ち尽くした。
誰? 今の女の人。
なんであんな、くっついてるの。
「……う、嘘だよね」
そうだ。ボクの見間違いだ。
あれは、たぶんヴィンセントじゃない。
背格好が似ていただけだ。
ヴィンセントを捜さないと。
そう思いながらも、ボクの足はフラフラと2人が消えたお店に向かっていた。
ガラス越しに店の中を覗き込んで、ボクは奥歯を噛み締める。
……分かってた。
ボクがヴィンセントを見間違えるわけないんだ。
ヴィンセントは、女の人が指さす髪飾りやらネックレスやらを手に取って、
真剣に悩んでいる様子だった。
「なに、してんの」
傘を握る手に力を込める。
しばらくして、ヴィンセントは店員に何かを手渡した。
ボクはそれ以上見ていられなくて目線を落とした。
自分の泥だらけの靴が目に入る。
酷く惨めだった。
「……ヴィンセント」
こんな店、お前は興味ないだろ。
なんで……誰だよ、その女。
ボクが髪飾りとかを『可愛いね』って言うと、
『分からん』って言うクセに。
その人とは、こういうお店に入るんだ。
入って、一生懸命、選んだりするんだ。
鼻の奥がツンとした。
目に雨の滴が入って、視界が潤んだ。
……傘に穴が開いてたみたいだ。
「…………ぅ」
ボクは。
ボクは……たぶん、ヴィンセントのことがスキなんだ。
スキだから、彼と一緒にいたいし、
ボク以外の誰かと仲良くしてるのを見て、傷ついてる。
スキだから、彼に抱いて欲しかったし、
彼にもスキでいて欲しくて、抱きたいって思わせたくて。
「……はは、なんだそれ」
好きなら、好きなりの態度があるよね。
ボクは今までのことに思いを馳せて、うっと呻いた。
ボクは全然ヴィンセントを大事にして来なかった。
いつも欲しがって、甘えるばかりで。
ボクは、ボクは、一つもヴィンセントに好かれる努力をしなかった。
いつも自分のことばかり。
こんなボクを、誰が好きになってくれるって言うんだ?
『お前と生きたいと思うのは、俺も一緒だ』
ユリアの屋敷からの帰り、
ヴィンセントは馬車の中で、そう言ってくれた。
あれってどういう意味だったのかな。
あの時は、少なくとも一緒に生きたいとは思ってくれてた。
でも、今は……?
考えたら指先がビクリと震えた。
ここ数日、ヴィンセントはボクを見て、本当に苦しそうな顔をしてた。
……苦痛だったんだ。ボクのする、何もかもが。
ああ。
ボクはホントにバカだ。
ヴィンセントたちが、お店から出てきた。
彼に寄り添う女の人は、とても綺麗な人だった。
ボクは泣いた。
唐突に、ヴィンセントにはヴィンセントの人生があるのだと理解したからだ。
彼は人で、生きていて。
ボクは死んでいて、屍で。
彼には彼の幸せがあって。
ボクは、この20数年、彼を消費し続けてきた。
ヴィンセントがスキだ。その彼を、ボクが、ボク自身が――
その時、チリリと左腕に焼けるような痛みが走って、
ボクはハッとした。
気が付けば、雨は止んでいて、
西の方の暗雲に、夕日が透けている。
「っ……!」
次の瞬間、全身を痛みが貫いた。
ボクは咄嗟にその場に座り込んだ。
早く、日陰に移動しなければと思うのに、
傘からはみ出た部分が焦げ付くのを思うと、一歩も動けなくなる。
ボクはヴィンセントが去っていく方向へ、意識を向けた。
助けて。
そう叫べば、彼は気付いてくれるだろう。
一緒にいる女の人よりも、ボクを優先してくれて、
走ってきてマントでボクを包んでくれる。
宿屋に戻ったら怒られるだろうけど、
それでも、明日からはまたいつも通りの日々が続いて……
「ヴィ…………」
声がうまく出なかった。
このままボクがいなくなれば、
ヴィンセントは自由になれる、
そう思うと、声なんて出せなかった。
「大丈夫かい?」と、親切そうな声が聞こえた。
男物の革靴が目に飛び込んでくる。
「どこか悪いなら、病院に……」
その人は、しゃがみ込むとボクの傘に手をかけた。
「やっ……」
止めて。
傘を退かさないで。
そんなことしたら……ああ、でも、それで、いいのか。
終わりというのは、自分の想像以上に呆気ないものなのかもしれない。
「セシルッ!?」
眠れない時間を過ごしていると、
隣のベッドでヴィンセントが、起き上がった気配がした。
彼は手早く着替えると、音を立てないように忍び足で部屋を出ていく。
ボクはうっすらと瞼を持ち上げて、
彼が戻って来ないのを確認すると体を起こした。
まだ、夕方だ。
ヴィンセントが仕事に行くには、だいぶ早い。
しかも、ボクに何も言わないで出て行くなんて、
怪しいこと、この上なかった。
絶対、ボクに後ろめたいことをしている。
「……黙って行くなんて、今までなかったのに」
ボクはカーテンの閉まった窓に目を向けた。
耳をすませば雨音がした。
恐る恐るカーテンを抓み上げれば、
幸いなことに外は雨で、暗かった。
これくらいなら、きちんと準備をすれば一瞬で灰になるようなことはない……はず。
ボクは入念に日光対策をすると、街へとヴィンセントを捜しに出た。
* * *
ボクは乗り合い馬車に乗り込んで街外れの歓楽街に向かった。
雨はどんどん激しくなって、土砂降りになった。
雨粒が石畳の上で跳ねて、
まるで白いカーテンが引かれたように視界がぼやけている。
空気は重苦しく、
行き交う人々の表情もどことなく暗く見えた。
ボクは必死でヴィンセントを捜し回った。
彼を雇った店の名前をボクは忘れていて、
この時ばかりは、ヴィンセントの話を適当に聞いていた自分に、ホントに腹が立った。
街は雨と時間のせいもあってか、人の姿はあまりなかった。
お陰で、なんとかヴィンセントを見つけることが出来たのだけれど……
「ふふ、早く来て。次はあの店よ」
小さな傘に身を押し込むようにして、ヴィンセントは女の人と歩いていた。
女の人は彼の腕に親しげに腕を絡め、
近くのお店に――少し高そうな装飾品を売っているお店に入っていった。
ボクは立ち尽くした。
誰? 今の女の人。
なんであんな、くっついてるの。
「……う、嘘だよね」
そうだ。ボクの見間違いだ。
あれは、たぶんヴィンセントじゃない。
背格好が似ていただけだ。
ヴィンセントを捜さないと。
そう思いながらも、ボクの足はフラフラと2人が消えたお店に向かっていた。
ガラス越しに店の中を覗き込んで、ボクは奥歯を噛み締める。
……分かってた。
ボクがヴィンセントを見間違えるわけないんだ。
ヴィンセントは、女の人が指さす髪飾りやらネックレスやらを手に取って、
真剣に悩んでいる様子だった。
「なに、してんの」
傘を握る手に力を込める。
しばらくして、ヴィンセントは店員に何かを手渡した。
ボクはそれ以上見ていられなくて目線を落とした。
自分の泥だらけの靴が目に入る。
酷く惨めだった。
「……ヴィンセント」
こんな店、お前は興味ないだろ。
なんで……誰だよ、その女。
ボクが髪飾りとかを『可愛いね』って言うと、
『分からん』って言うクセに。
その人とは、こういうお店に入るんだ。
入って、一生懸命、選んだりするんだ。
鼻の奥がツンとした。
目に雨の滴が入って、視界が潤んだ。
……傘に穴が開いてたみたいだ。
「…………ぅ」
ボクは。
ボクは……たぶん、ヴィンセントのことがスキなんだ。
スキだから、彼と一緒にいたいし、
ボク以外の誰かと仲良くしてるのを見て、傷ついてる。
スキだから、彼に抱いて欲しかったし、
彼にもスキでいて欲しくて、抱きたいって思わせたくて。
「……はは、なんだそれ」
好きなら、好きなりの態度があるよね。
ボクは今までのことに思いを馳せて、うっと呻いた。
ボクは全然ヴィンセントを大事にして来なかった。
いつも欲しがって、甘えるばかりで。
ボクは、ボクは、一つもヴィンセントに好かれる努力をしなかった。
いつも自分のことばかり。
こんなボクを、誰が好きになってくれるって言うんだ?
『お前と生きたいと思うのは、俺も一緒だ』
ユリアの屋敷からの帰り、
ヴィンセントは馬車の中で、そう言ってくれた。
あれってどういう意味だったのかな。
あの時は、少なくとも一緒に生きたいとは思ってくれてた。
でも、今は……?
考えたら指先がビクリと震えた。
ここ数日、ヴィンセントはボクを見て、本当に苦しそうな顔をしてた。
……苦痛だったんだ。ボクのする、何もかもが。
ああ。
ボクはホントにバカだ。
ヴィンセントたちが、お店から出てきた。
彼に寄り添う女の人は、とても綺麗な人だった。
ボクは泣いた。
唐突に、ヴィンセントにはヴィンセントの人生があるのだと理解したからだ。
彼は人で、生きていて。
ボクは死んでいて、屍で。
彼には彼の幸せがあって。
ボクは、この20数年、彼を消費し続けてきた。
ヴィンセントがスキだ。その彼を、ボクが、ボク自身が――
その時、チリリと左腕に焼けるような痛みが走って、
ボクはハッとした。
気が付けば、雨は止んでいて、
西の方の暗雲に、夕日が透けている。
「っ……!」
次の瞬間、全身を痛みが貫いた。
ボクは咄嗟にその場に座り込んだ。
早く、日陰に移動しなければと思うのに、
傘からはみ出た部分が焦げ付くのを思うと、一歩も動けなくなる。
ボクはヴィンセントが去っていく方向へ、意識を向けた。
助けて。
そう叫べば、彼は気付いてくれるだろう。
一緒にいる女の人よりも、ボクを優先してくれて、
走ってきてマントでボクを包んでくれる。
宿屋に戻ったら怒られるだろうけど、
それでも、明日からはまたいつも通りの日々が続いて……
「ヴィ…………」
声がうまく出なかった。
このままボクがいなくなれば、
ヴィンセントは自由になれる、
そう思うと、声なんて出せなかった。
「大丈夫かい?」と、親切そうな声が聞こえた。
男物の革靴が目に飛び込んでくる。
「どこか悪いなら、病院に……」
その人は、しゃがみ込むとボクの傘に手をかけた。
「やっ……」
止めて。
傘を退かさないで。
そんなことしたら……ああ、でも、それで、いいのか。
終わりというのは、自分の想像以上に呆気ないものなのかもしれない。
「セシルッ!?」
0
お気に入りに追加
1,050
あなたにおすすめの小説
【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?
MEIKO
BL
【完結】そのうち番外編更新予定。伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷うだけだ┉。僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げた。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなの何で!?
※R対象話には『*』マーク付けますが、後半付近まで出て来ない予定です。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ファミリア・ラプソディア エバーアフター
Tsubaki aquo
BL
「5人で恋人同士」なカップルの日常話+リクエスト頂いたお話をこちらでまとめています。
●ファミリア・ラプソディア本編完結済み●
本編→https://www.alphapolis.co.jp/novel/807616543/930403429
本編では悲喜交々ありましたが、こちらの日常回では大きな事件は起こらない(たぶん)です。
前書きに、お話の雰囲気のタグを記載しています。
イチャイチャ、まったり、コメディ、アダルトシーン多めの予定。
不定期更新です。
もしもリクエストなどございましたら、
マシュマロ(https://marshmallow-qa.com/aumizakuro)
または、
twitter(https://twitter.com/aumizakuro)
にて、お気軽にドウゾ!
落ちこぼれが王子様の運命のガイドになりました~おとぎの国のセンチネルバース~
志麻友紀
BL
学園のプリンス(19)×落ちこぼれガイドのメガネ君(18)
卵から男しか産まれず、センチネルという魔法の力がある世界。
ここはそのセンチネルとガイドの才能ある若者達が世界中から集められるフリューゲル学園。
新入生ガイドのフェリックスははっきり言って落ちこぼれだ。ガイドの力を現すアニマルのペンギンのチィオはいつまでたっての灰色の雛のまま。
そのチィオがペアを組むセンチネルを全部拒絶するせいで、マッチングがうまく行かず学園の演習ではいつも失敗ばかり。クラスメイト達からも“落ちこぼれ”と笑われていた。
落ちこぼれのフェリックスの対極にあるような存在が、プリンスの称号を持つセンチネルのウォーダンだ。幻想獣サラマンダーのアニマル、ロンユンを有する彼は、最強の氷と炎の魔法を操る。だが、その強すぎる力ゆえに、ウォーダンはいまだ生涯のパートナーとなるガイドを得られないでいた。
学園のすべてのセンチネルとガイドが集まっての大演習で想定外のSS級魔獣が現れる。追い詰められるウォーダン。フェリックスが彼を助けたいと願ったとき、チィオの身体が黄金に輝く。2人はパーフェクトマッチングの奇跡を起こし、その力でSS級の魔獣を共に倒す。
その後、精神だけでなく魂も重なり合った二人は、我を忘れて抱き合う。フェリックスはウォーダンの運命のボンドとなり、同時にプリンセスの称号もあたえられる。
ところが初めてペアを組んで挑んだ演習でウォーダンは何者かの策略にはまって魔力暴走を起こしてしまう。フェリックスはウォーダンを救うために彼の精神にダイブする。そこで強いと思っていた彼の心の弱さ知り、それでも自分が一緒にいるよ……と彼を救い出す。
2人の絆はますます強くなるが、演習で最下位をとってしまったことで、2人のプリンスとプリンセスの地位を狙う生徒達の挑戦を受けることになり。
運命の絆(ボンド)が試される、ファンタジー・センチネルバース!
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる