人狼坊ちゃんの世話係

Tsubaki aquo

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エピソード14

♡忍び寄る「黒」と赤い過去(11)

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「んっ……」

 細く、長い指が敏感な部分を掠める。
 背をしならせれば、ユリアは探るように指を動かし始めた。

「中、凄く熱いね……
 絡みつくみたいに、中、うねってる……」

「んくっ、ふぁっ……ユリ、ア……」

 自分でも驚くような甘ったるい声が出た。
 それが余りに恥ずかしくて、オレは再びユリアの剛直を口に含む。

 すると、中を弄っていた指が2本に増えた。

「ん、んんっ」

 逃げ腰を掴まれ、奥まで指を挿入される。
 次第にユリアの指使いは大胆になっていった。

「こんなに……拡がっちゃうんだ……
 凄い……エッチだね……」

「ふ、は、ぁ……あぐっ……」

 じっくりゆっくりと掘削される。
 熱い視線が後孔に注がれているのを感じる。

 気が付けばオレは、ユリアの屹立をくわえたまま、
 されるがままになっていた。

「ねえ、気持ち良い?」

「ん……ぁ、いいよ……すげぇ……」

「本当? 僕、ちゃんとあなたのこと感じさせられてる……?」

 ユリアの片手が、陰茎を握り締める。
 すると彼はあっと声を上げた。

「バンさん。ココ、ちょっと硬くなってる……
 本当にお尻の穴で気持ち良くなってるんだ……」

 グウッと3本目の指が押し入ってきた。
 快感に内股が震えて、剛直を咥えた唇の端から唾液がつ、と垂れる。
 少し苦しくて、最高に気持ち良かった。

「指、3本も入っちゃったよ。バンさん。
 あんなに小さな穴だったのに……」

 粘膜を押し拡げるように、バラバラと指を動かすと、
 ユリアはほう、と熱い吐息をこぼした。

「お尻の皺、なくなっちゃった……
 僕の指、食べるみたいにモグモグ震えてる……
 気持ちいいんだね、バンさん。お尻、弄られて、感じちゃってるんだね……」

「ん……指も、ぁ、いいけどっ……
 もっとでけぇのなら……もっと……気持ちいい……から……」

 ちゅぱちゅぱと、ねだるようにユリアの屹立にキスを落とす。

「ユリア……オレ、もう我慢できねぇ……っ」

「僕も……バンさんの中に入りたい……」

 扱かれながら、指が激しく中をかき混ぜるように動く。

 たまらなかった。
 全身が快楽の坩堝になったように、気持ち良くてたまらない。
 オレは夢中でユリアの肉竿を舐め回す。

 これが欲しい。
 一息にぶち込んで、最奥をガンガン突き上げて欲しい。

 ーーその時だった。

「使用人。話があるんだけど」

 短いノックの後、廊下からセシルの声が聞こえた。
 快楽の階段を駆け上っていたオレたちは、一瞬動きを止める。

「おい。寝てるの? おーい」

 ノックの音が次第に大きくなっていく。

 ヌプンとユリアの指が中から引き抜かれる。
 オレはと言えば……何も聞こえなかったことにして、
 愛撫を続行することにした。

「ば、バンさんっ……セシルが……」

 無視して、ユリアの屹立を激しく扱く。

「ん、ちょ、あっ……っ」

 放っておけば、諦めて帰るに決まっている。
 話なんて、夜になってからでも聞けるのだ。

「バンさんてばっ……」

「ねえ、起きてるんだろ?
 ……さっきのこと、本当に悪かったよ。お前が怒るのも無理ないと思う。
 だけど、ボクには時間がなくて……
 ねえ、せめて話だけでも聞いてよ。
 ボク、どうしたらいいのか、分からないんた。お願いだよ……」

「ん、ぁ、うっ……い、イッちゃ……」

「……ちょっと! 聞いてるんだろ!?
 こんなに頭下げてるのに、無視するってありえないでしょ!?
 お前には血も涙もないのかよ!!」

 ガチャ、と、ドアノブが回る。

 ……え。
 あ、鍵。
 鍵は、閉め――――――

「みゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!?」

 屋敷中に響き渡る声で、セシルが悲鳴を上げた。
 鍵は、閉め忘れていた。
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