68 / 82
生徒会室での攻防
しおりを挟む
ちょっとおどおどした目で僕を見ている先輩。
背が低くて天パーな髪の小動物みたいな女生徒に僕は生徒会室に付いてくるようにお願いされたんだ。
いきなりのお願いだったので断るつもりで無理な条件を出してみた。
そうしたら、その条件を受けるから、生徒会室にぜひとも来てほしいんだと。
この先輩は判ってるんだろうか。
僕を生徒会室に連れていくために僕とキスをすることを了承したという事を。
まあ、僕には空き時間もあったので彼女にドナドナされながら生徒会室に向かう事にしたんだ。
そして、生徒会室にある応接室に置かれるような立派なソファーに僕は座って、生徒会長の西城瑠璃と向き合っている。
「初めまして、私が生徒会長の西城瑠璃です。
今日は急にお呼びだてしてごめんなさいね」
無理に呼びつけたという意識はあるみたいで思ったよりも低姿勢で僕に接してくれる。
このくらい普通だろうと思ったキミ、それは西城瑠璃のことをよく知らないからだ。
彼女は大企業の社長令嬢で本校への入学試験には首席で受かり、県の高校生弁論大会で優勝するようなスーパーウーマンだ。
そして女性で有りながら生徒会長の職についていて校内の権力者でもある。
そのうえ、読者モデルの経験があるくらいに美人でファッションセンスにも溢れている。
あまり周りに興味が無い僕でさえ西城瑠璃の名前も顔も知っている。
まあ、モブだった僕とは決して交わらないはずの人だ。
そんな人が僕を呼びつけるのだ!
理由なんか一つしかない。
最近の僕の振る舞いに関わることだと容易に判るよね。
そして、きっと厄介ごとになるだろうという事もね。
「初めまして、山本英雄です。
西城さんのご高名は良く知ってます」
「あら、山本さんは私の事なんか知らないと思ったのに」
そんなわけないでしょう、謙遜もし過ぎると嫌味だよね。
「いやあ、流石に生徒会長の名前と顔ぐらいは知ってますよ。
生徒総会とかもありますしね。
それに、クラスの女子が西城先輩が読者モデルをしている雑誌を回し読みしていたのも見ましたし」
「それは光栄ね。
でも、私が読モをしている雑誌を見ているなんて、山本さんて意外に普通なのね」
「意外って、僕は極めて普通ですよ」
謙遜する僕の顔を見て西城先輩の口角が少しあがる。
なんか、面白がられてるね。
「あら、ご謙遜を、貴方みたいに度胸がある男子生徒は他にいないって評判ですよ。
それに、特別な能力も持ってるでしょう」
ふううん、やっぱりその件か。
「それって相沢との件ですかね。
あれは僕が彼女の思いを軽く見ていたせいで起きた、まあ不可抗力な事案ですよ」
なんだろう?
西城先輩の目が見開かれてまん丸になる
「まあ、あれを不可抗力っておっしゃるんですか」
「ええ、僕は不可抗力な事案とわりと遭遇するんです。
今日も、此処に来る対価として西城先輩とのキスを要求したら認められたんですよ。
僕は西城先輩とのキスを楽しみに今日はお伺いしてるんですよ」
「はあああ」
本当に目が真ん丸だよ。
「断るための方便のつもりでしたが、彼女がその対価を認めてしまって。
だから、ここに来たのも不可抗力って話ですかね」
「え、ええ、なんですか、それ!
ねえ、花園さん、それって本当なんですか」
流石の西城会長も焦ってるよ。
「え、ええっと、もちろん、会長がお嫌でしたら山本さんとキスをする必要はありません。
その場合は私が山本さんとキスをする約束です」
彼女は花園さんって言うんだ。
でも、その回答もどうかと思うけどね。
「はあああ、真底呆れましたわ。
花園さん、なんでそんな約束をされてんです」
「彼女は僕をここに連れてこないといけないと、テンパってしまったみたいですよ。
西城さんに怒られるのがよっぽど怖かったんですね」
「私が怖いですか?
こんな約束をしたほうが私は怖くなると思うんですが?
まあ、そんな事は置いておいて、わざわざお越しいただいたのはお願いがあるからです」
「はあ、お願いですか。
僕などに西城会長からのお願いを受ける資格は無いと思うんですが」
「そんな、このお願いは山本さんにしか受けて頂けません。
そもそも、お願いをしないといけなくなったのも山本さんのせいなんですけどね!」
思わせぶりだよね!
僕のせいですか?
一応、驚いてみますかね。
「ええっ、僕のせいとかなんの話です?」
「あら、山本さん。
山本さんや山本さんのクラスの女子たちを見る、他のクラスの女子の目に気が付いてないとは言わせませんよ。
貴方の力で妊娠した女子にみんな興味津々なんです。
そして期待してるんですよ、自分も子供を持てるんじゃないかと。
山本さんとセックスすることでね」
セックスって言うんだ!
随分とあけすけにものを言うんだな。
なんか、焦ってるのかね。
「ああ、その件は担任の先生がボールを持ってます。
それに、僕とセックスをするなら僕が務めている娼館に来ていただくのが近道だとおもいますよ」
「まあ、山本さんは人気で中々娼館での予約も取れないというのは有名ですよ。
それに、普通の高校生では山本さんのいらっしゃる娼館は金銭的な敷居が高すぎますしね」
「予約が取り難いのは申し訳ないと思いますが、僕にはどうにもできない話ですね」
また口角があがった、僕の言葉に空きでも見つけたのかな?
「そこ、そこですわ。
娼館では無理なので、相沢さんにされたように校内でご対応いただくことはできませんでしょうか?
場所や授業との調整は生徒会で行います。
山本さんは授業の一環としてこの学校の生徒とセックスをして子を成して頂きたいんです。
相沢さんにされたように」
また、都合の良いことをこの人は言いますね。
僕の気持ちは無視ですか!
「生徒会でですか?
流石にそれは難しいのでは?
そんな予算も無いと思いますし」
「予算ですか?」
「そうです、まさか僕にタダ働きさせる気じゃないですよね。
今の僕の娼館での収入は10万円/時間ですよ
そんなお金は生徒会では出せませんよね」
おっ、焦ってるよ。
「お金、お金を取りますか」
「もちろんです、だから先生にボールを預けてるんです
まあ、学校でも難しいとは思いますけど。
少なくとも生徒会でどうこう出来る話ではないと思いますよ。
この件ではこれ以上、話すことも無いと思いますので、これで失礼しますね」
僕はすかさず立ち上がる。
「あら、キスはよろしいんですか」
そんな餌には釣られないさ。
「ええ、高くつきそうですから」
こうして僕は生徒会室を退出したのだ。
背が低くて天パーな髪の小動物みたいな女生徒に僕は生徒会室に付いてくるようにお願いされたんだ。
いきなりのお願いだったので断るつもりで無理な条件を出してみた。
そうしたら、その条件を受けるから、生徒会室にぜひとも来てほしいんだと。
この先輩は判ってるんだろうか。
僕を生徒会室に連れていくために僕とキスをすることを了承したという事を。
まあ、僕には空き時間もあったので彼女にドナドナされながら生徒会室に向かう事にしたんだ。
そして、生徒会室にある応接室に置かれるような立派なソファーに僕は座って、生徒会長の西城瑠璃と向き合っている。
「初めまして、私が生徒会長の西城瑠璃です。
今日は急にお呼びだてしてごめんなさいね」
無理に呼びつけたという意識はあるみたいで思ったよりも低姿勢で僕に接してくれる。
このくらい普通だろうと思ったキミ、それは西城瑠璃のことをよく知らないからだ。
彼女は大企業の社長令嬢で本校への入学試験には首席で受かり、県の高校生弁論大会で優勝するようなスーパーウーマンだ。
そして女性で有りながら生徒会長の職についていて校内の権力者でもある。
そのうえ、読者モデルの経験があるくらいに美人でファッションセンスにも溢れている。
あまり周りに興味が無い僕でさえ西城瑠璃の名前も顔も知っている。
まあ、モブだった僕とは決して交わらないはずの人だ。
そんな人が僕を呼びつけるのだ!
理由なんか一つしかない。
最近の僕の振る舞いに関わることだと容易に判るよね。
そして、きっと厄介ごとになるだろうという事もね。
「初めまして、山本英雄です。
西城さんのご高名は良く知ってます」
「あら、山本さんは私の事なんか知らないと思ったのに」
そんなわけないでしょう、謙遜もし過ぎると嫌味だよね。
「いやあ、流石に生徒会長の名前と顔ぐらいは知ってますよ。
生徒総会とかもありますしね。
それに、クラスの女子が西城先輩が読者モデルをしている雑誌を回し読みしていたのも見ましたし」
「それは光栄ね。
でも、私が読モをしている雑誌を見ているなんて、山本さんて意外に普通なのね」
「意外って、僕は極めて普通ですよ」
謙遜する僕の顔を見て西城先輩の口角が少しあがる。
なんか、面白がられてるね。
「あら、ご謙遜を、貴方みたいに度胸がある男子生徒は他にいないって評判ですよ。
それに、特別な能力も持ってるでしょう」
ふううん、やっぱりその件か。
「それって相沢との件ですかね。
あれは僕が彼女の思いを軽く見ていたせいで起きた、まあ不可抗力な事案ですよ」
なんだろう?
西城先輩の目が見開かれてまん丸になる
「まあ、あれを不可抗力っておっしゃるんですか」
「ええ、僕は不可抗力な事案とわりと遭遇するんです。
今日も、此処に来る対価として西城先輩とのキスを要求したら認められたんですよ。
僕は西城先輩とのキスを楽しみに今日はお伺いしてるんですよ」
「はあああ」
本当に目が真ん丸だよ。
「断るための方便のつもりでしたが、彼女がその対価を認めてしまって。
だから、ここに来たのも不可抗力って話ですかね」
「え、ええ、なんですか、それ!
ねえ、花園さん、それって本当なんですか」
流石の西城会長も焦ってるよ。
「え、ええっと、もちろん、会長がお嫌でしたら山本さんとキスをする必要はありません。
その場合は私が山本さんとキスをする約束です」
彼女は花園さんって言うんだ。
でも、その回答もどうかと思うけどね。
「はあああ、真底呆れましたわ。
花園さん、なんでそんな約束をされてんです」
「彼女は僕をここに連れてこないといけないと、テンパってしまったみたいですよ。
西城さんに怒られるのがよっぽど怖かったんですね」
「私が怖いですか?
こんな約束をしたほうが私は怖くなると思うんですが?
まあ、そんな事は置いておいて、わざわざお越しいただいたのはお願いがあるからです」
「はあ、お願いですか。
僕などに西城会長からのお願いを受ける資格は無いと思うんですが」
「そんな、このお願いは山本さんにしか受けて頂けません。
そもそも、お願いをしないといけなくなったのも山本さんのせいなんですけどね!」
思わせぶりだよね!
僕のせいですか?
一応、驚いてみますかね。
「ええっ、僕のせいとかなんの話です?」
「あら、山本さん。
山本さんや山本さんのクラスの女子たちを見る、他のクラスの女子の目に気が付いてないとは言わせませんよ。
貴方の力で妊娠した女子にみんな興味津々なんです。
そして期待してるんですよ、自分も子供を持てるんじゃないかと。
山本さんとセックスすることでね」
セックスって言うんだ!
随分とあけすけにものを言うんだな。
なんか、焦ってるのかね。
「ああ、その件は担任の先生がボールを持ってます。
それに、僕とセックスをするなら僕が務めている娼館に来ていただくのが近道だとおもいますよ」
「まあ、山本さんは人気で中々娼館での予約も取れないというのは有名ですよ。
それに、普通の高校生では山本さんのいらっしゃる娼館は金銭的な敷居が高すぎますしね」
「予約が取り難いのは申し訳ないと思いますが、僕にはどうにもできない話ですね」
また口角があがった、僕の言葉に空きでも見つけたのかな?
「そこ、そこですわ。
娼館では無理なので、相沢さんにされたように校内でご対応いただくことはできませんでしょうか?
場所や授業との調整は生徒会で行います。
山本さんは授業の一環としてこの学校の生徒とセックスをして子を成して頂きたいんです。
相沢さんにされたように」
また、都合の良いことをこの人は言いますね。
僕の気持ちは無視ですか!
「生徒会でですか?
流石にそれは難しいのでは?
そんな予算も無いと思いますし」
「予算ですか?」
「そうです、まさか僕にタダ働きさせる気じゃないですよね。
今の僕の娼館での収入は10万円/時間ですよ
そんなお金は生徒会では出せませんよね」
おっ、焦ってるよ。
「お金、お金を取りますか」
「もちろんです、だから先生にボールを預けてるんです
まあ、学校でも難しいとは思いますけど。
少なくとも生徒会でどうこう出来る話ではないと思いますよ。
この件ではこれ以上、話すことも無いと思いますので、これで失礼しますね」
僕はすかさず立ち上がる。
「あら、キスはよろしいんですか」
そんな餌には釣られないさ。
「ええ、高くつきそうですから」
こうして僕は生徒会室を退出したのだ。
0
お気に入りに追加
667
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。


男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる