普通の僕が性王と呼ばれる世界【R-18】

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学校での面倒ごとの始まり

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「おはよう」

僕は元気よくクラスメート達に朝の挨拶をする。

「おはようございます」

クラスメートから帰ってくるのは少し距離間の有る挨拶だ。
相沢とのあの日以来、クラスでのモブという僕の立場は雲散霧消してしまった。

そりゃそうだよね。
恐れと尊敬、自分とは違う得体の知れなさ。
それがクラスメートの僕に対する感情だ。

「おう、おはよう」

そんな中でも、ありがたいことに田畑は以前と変わらずに僕に接してくれる。

「久しぶりだな」

「ああ、仕事が忙しくてな」

本当はサボってるだけなんだけどね。

「ふ~ん、そいつは羨ましいことだ」

まあ、田畑的には僕の仕事は羨ましいんだろうな。
でも幻想を持ちすぎだよ、仕事なんだぞ。

「羨ましい話でもないだろう、所詮は仕事だからな」

「やっぱり、羨ましいぞ、俺もそんな風に言ってみたいもんだ。
で、嫁たちとはちゃんと連絡を取ってるのか」

お前、僕が学校になぜ来たくないか判っていてそれを言うんだ。

「嫁たち、悪い冗談だな、俺は独身だぞ」

「なあ、山本、そこはほら、少しは思いやれよ」

田畑の視線は高橋の腹に向いている。
まだ、妊婦って腹でもないのに何が言いたいんだ。

「なあ、田畑、種馬の役割は妊娠させるまでだぞ。
牝馬が妊娠したらそれでお役御免だよ」

「お前、牝馬はないだろう」

「判りやすいだろう」

僕はその話はしたくないんだよ。
いい加減に気づけよ。

「ふうん、山本はやっぱり種馬なんだ。
ねえ、ねえ、種付け用に牝馬はいりませんか?」

「なんだよ、また島村か...あれ、谷口か」

こいつ、あの日から積極的に絡んでくるんだよね。

「もう、島村と間違えるなんて、山本君、醜いよ」

「なに、醜いのは谷口じゃない。
次のお相手は私、島村、島村が妊娠する番なの」

今度は島村か。

「おう、その話は先生に預けてあるんだろう。
いい加減にしないと僕は帰るぞ」

「えええ、嫌だ、帰らないでよ、ごめん、ごめんなさい」

谷口はちゃんと謝ってくれるんだよね、島村は不貞腐れるだけだけど。
それでも、僕が怒って帰るのは不味いと島村も思ったようで席に戻ってゆく。

はあ、これで学生を出来るよね。

その後は、特段のイベントも無く、淡々と授業が続いていった。
高橋に委員長、それに相沢、僕が妊娠させてる3人も僕にかまってこないでくれている。
心なしか僕を見る3人の表情に何か言いたげな雰囲気が混ざるが、僕は気づかないふりをしている。

その癖、僕のほうは田畑じゃないけど、授業中や休み時間にチラチラと3人のお腹に眼をやってしまい、慌てて目を逸らすってことを何度かしてしまっている。

はあ、これってあれだ。
男の胸への視線に女が敏感に気づくように、僕の3人のお腹への視線もバレバレなんだろうな。
でも、3人とも僕の視線に気づかないふりをしてくれる、ありがたいよ!

こうして久々の学校は何の問題も無く6時間目を終えることができた。
まあ、あえて言えば、さぼってばかりの僕は完全に授業から落ちこぼれているって実感できてしまったのが問題と言えば問題だ。

さあ、帰るか、そう思って教室を出たところで声を掛けられる。

「すいません、山本君ですよね、申し訳ないのですが生徒会長が山本君と話をしたいと申しています。
お手数ですが生徒会室までお越しいただけませんでしょうか」

この人の胸の校章の色、これって2年生、先輩だよね?
その割には腰が低い人だ。

ちょっとおどおどした目で僕を見ている。
それに背も低くて天パーの髪も相まって小動物みたいだね。

「ええっと、事前のアポイントとかありましたっけ?」

そんなものが無いのは判っているけど意地悪で聞いてみる。

「ううう、すいません、突然のお願いです。
事前のアポイントをしなかった件は重々お詫びしますが、なるべくご都合をつけて頂いてご同行頂きたいんです」

都合ねえ?
今日は高山本部長と夕方に会う予定はあるけど、それまでは開いてるんだよね。

「ねえ、同行しても良いけど、対価は貰いたいかな」

「対価ですか?」

言われたら簡単についてゆく安いやつとは思われたくないんだよ。

「そう、対価、会いたいのは生徒会長で僕じゃない、そうだな、会っても良いけど対価として生徒会長にキスをしたいかなり
この対価が了承されるんなら生徒会室に伺いましょうかね!」

思いつきにしては中々良い対価の要求だよね.

「そんな、私は生徒会長じゃないんでそんな約束はできないですよ」

「そうかあ、残念だな、対価が無いんじゃパス、申し訳ないけどパスだね」

僕の言葉で先輩が泣きそうになる。
なんだか可愛い、あの天パーぽい頭をもふもふしたくてしょうがないよ。

「そんな、お願いします、来てください。
そうしないと私が生徒会長に怒られるんです
知ってますか、生徒会長は怖いんです。
私怒られてばかりで、これ以上怒られるわけにはいかないんです」

「そんなに生徒会室に僕を連れていきたいんですか。
でも、生徒会長って怖い人なんですよね。
だったら、会いたくないなあ。
貴重な情報を教えて頂いて感謝ですね」

「そ、そんな、怖くない、怖くないですから、本当、本当ですよ」

なにそれ、必死過ぎるわ。

「ううん、しょうがないですね。
じゃあ、生徒会長がキスを拒否した場合は代わりに貴方とキスできる。
どう、この対価でよければ生徒会室に行きますよ」

さてと、この子はどうするかな?

「ええええ、そ、そんな、無理、無理ですから」

「そうですかあ、それは残念、帰ります」

「ま、待ってください、困るんです。
私、貴方を生徒会室に連れて行かないと、本当に困るんです」

これは、この子のキスはゲットだね。

「じゃあ、対価を承認しましょうよ。
それに生徒会長がキスしてくれれば貴方にはなんの問題もないですよ」

「会長がキスをすれば??
そう、そうですよね、会長がキスをする...貴方と...ううううん」

悩んでるよこの子、悩むか普通、生徒会長がいきなり僕とキスするわけないじゃん。

「判りました、その対価を保証するのでどうか生徒会室にご同行願います」

おや、条件を飲んだね、予想通りだけど、良いのかな?
あ、判ってるのかなあ?

「対価としてのキスに同意いただけたのなら同行しますよ」

念を押してみる。

「ハイ、対価は理解してます」

「では行きましょうか」

どんな用事か知らないけれど、ぼくは生徒会長の呼び出しを受けて生徒会室へと向かうのだった
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