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僕と高橋の関係
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高橋が僕の横で泣きじゃくっている。
泣きたいのは僕の方なのにな。
高橋は泣きながら僕に訴える。
僕の子供が欲しかったと。
だからって、飴玉をピルと偽って、僕を騙して妊娠して良い話なのか?
そんな訳はないよな。
そう思うと、高橋に対する怒りが沸き上がってくる。
だが...チョット待て。
冷静に考えるんだ。
変わる前の世界の常識は頭から捨てるんだ。
変わる前の世界ではだまし討ちでの妊娠なんて許される話じゃない。
では、今の世界ではどうなんだろう?
今の世界では避妊と言う考え方は一般的じゃない。
男が年に2回しかセックスが出来ない世界なんだからね。
セックスは子作りの為だ。
だから子作りを否定してのセックスは、基本ありえないんだ。
避妊を望んだ僕の方が不誠実なんだろうな。
まあ、高山商事が僕を誘っているセレブ達のいる世界は少し違うようだがね。
あの人たちは女同士とか、道具を使って男に奉仕させるとか、快楽は求めていたが、男とのセックスで快楽が得られることは期待していない。
違うな、手に入らないから期待できないんだ。
そこに僕の存在だ。
彼女たちは喜んだ。
そして僕はそれで勘違いしたんだ。
なにをかって!
この世界でも快楽を目的とするセックスが普通にあるという勘違いだ。
だから、高橋に快楽のあるセックスを与えた。
避妊を求めた。
快楽のためのセックスが当たり前だと思ったんだ。
その為には避妊も当たり前だと思ったんだ。
でも、少しも当たり前じゃなかったんだ。
ミサト姉とのセックスもそうだ。
僕はミサト姉を求めて......ミサト姉の愛を求めてセックスをした。
でも、ミサト姉は子作りを考えていた。
そして妊娠したらどうするかもだ。
だから妊娠すると夫の元に帰っていったんだ。
僕よりも、旦那よりも、僕との間にできた子供が大切だから。
ミサト姉にとっての一番は子供だったんだ。
そこには僕が居る場所は無かったんだな。
じゃあ、高橋はどうなんだろう?
やっぱり、一番は子供なんだろうな。
避妊させる僕がむしろ異質だったんだろう。
子供を作る数少ないチャンス。
それを逃すわけはないのに。
「なあ、高橋、高橋はいつまで妊娠を隠しているつもりだったんだ」
僕は高橋に聞いてみる。
「隠す、隠すって英ちゃんに隠すってこと?」
「そう、僕に」
「隠すっていうか、英ちゃんに何をいえば良いかなんてわからなかったよ。
だって、普通はだれの子種で妊娠したなんて誰も言わないし、知ろうともしないんだよ」
「それは、愛情と生殖が別々だからだろう」
「そうだね、だから判らなかったんだよ。
愛情と生殖が一緒になった時にどうすれば良いなんてだれも教えてくれないよ。
2人の関係は私が英ちゃんに興味を持ってセックスを求めただけで愛情から始まった訳じゃないし」
苦しそうな高橋の声。
「だったら、子供が出来ればハッピーエンドでしょう、終わりでしょう。
でも、終わりたくなかった。
だから黙ってた.....ごめんなさい」
「なあ、高橋は僕と結婚したいのか」
「英ちゃんと結婚、そんなの無理だよ、英ちゃんは高校生じゃん」
「それは高橋も一緒だろう」
「女は違うよ、女は多産を推奨されてるから、高校生で子供を産むことも期待されてる。
だから私はお腹の子と2人でも国の制度を使ってチャンと生きていける」
そう、高校生で母になっても国のサポートで高橋は子供と二人でチャンと生活は出来るんだ。
「でも英ちゃんは.....大体委員長だって妊娠してるかもしれないんだよ。
英ちゃんはその才能で大勢の女を妊娠させるんでしょう。
.....だったら私が妊娠しました、英ちゃんと結婚します。
そんなの無理でしょう」
そうだ、僕は今でさえ何人も妊娠させている。
きっと、これからも色々な女を妊娠させるだろう。
国の制度だって僕にそれを求めている。
「なあ、高橋、なにか、僕に出来る事はないか?」
僕の問いかけに、眼から涙を零しながらも高橋は気丈に答える。
「英ちゃんにしてもらうことなんて無いよ。
赤ちゃんをくれた以上の事なんて無いんだから。
私はお腹の子を、英ちゃんとの子を愛して育てていくよ。
それがうれしいの」
そして僕を見つめながら話を続ける。
「だから、平気だよ。
ごめんね、泣いたりして。
委員長なら笑って話すのにね」
涙を浮かべながら高橋は無理に笑う。
「ひとつあったよ。
私を嫌いにならないで......お願いします」
「なんで、僕が高橋を嫌うんだ。
そんな訳無いだろう」
「だって、嘘をついたから。
英ちゃんは私を妊娠させたくなかったんでしょう。
だからピルをくれたんでしょう。
それなのに嘘をついて妊娠したのは私だもん。
でも、嫌われたくないの.....ヒッ、ヒッ、ウエエエエン」
僕は泣きじゃくる高橋の頭を優しく撫でた。
そして高橋が期待している言葉を、僕の本位ではない言葉を高橋に伝える。
「僕の子供を妊娠してくれてありがとう」
その言葉で高橋は泣き止んで嬉しそうに僕を見つめる。
僕は自分の胸にこみあげる苦い思いを作り笑いの下に押し込める。
僕達の関係は変わるんだろう。
高橋の僕への愛情は高橋のお腹の子供に移っていくだろう。
だから、これからの高橋の一番の関心事はお腹の子供なんだろう。
高橋にとっての僕は子種を与えた存在として記憶されていくんだろう。
僕はそんな事を考えながら高橋を見つめるのだった。
泣きたいのは僕の方なのにな。
高橋は泣きながら僕に訴える。
僕の子供が欲しかったと。
だからって、飴玉をピルと偽って、僕を騙して妊娠して良い話なのか?
そんな訳はないよな。
そう思うと、高橋に対する怒りが沸き上がってくる。
だが...チョット待て。
冷静に考えるんだ。
変わる前の世界の常識は頭から捨てるんだ。
変わる前の世界ではだまし討ちでの妊娠なんて許される話じゃない。
では、今の世界ではどうなんだろう?
今の世界では避妊と言う考え方は一般的じゃない。
男が年に2回しかセックスが出来ない世界なんだからね。
セックスは子作りの為だ。
だから子作りを否定してのセックスは、基本ありえないんだ。
避妊を望んだ僕の方が不誠実なんだろうな。
まあ、高山商事が僕を誘っているセレブ達のいる世界は少し違うようだがね。
あの人たちは女同士とか、道具を使って男に奉仕させるとか、快楽は求めていたが、男とのセックスで快楽が得られることは期待していない。
違うな、手に入らないから期待できないんだ。
そこに僕の存在だ。
彼女たちは喜んだ。
そして僕はそれで勘違いしたんだ。
なにをかって!
この世界でも快楽を目的とするセックスが普通にあるという勘違いだ。
だから、高橋に快楽のあるセックスを与えた。
避妊を求めた。
快楽のためのセックスが当たり前だと思ったんだ。
その為には避妊も当たり前だと思ったんだ。
でも、少しも当たり前じゃなかったんだ。
ミサト姉とのセックスもそうだ。
僕はミサト姉を求めて......ミサト姉の愛を求めてセックスをした。
でも、ミサト姉は子作りを考えていた。
そして妊娠したらどうするかもだ。
だから妊娠すると夫の元に帰っていったんだ。
僕よりも、旦那よりも、僕との間にできた子供が大切だから。
ミサト姉にとっての一番は子供だったんだ。
そこには僕が居る場所は無かったんだな。
じゃあ、高橋はどうなんだろう?
やっぱり、一番は子供なんだろうな。
避妊させる僕がむしろ異質だったんだろう。
子供を作る数少ないチャンス。
それを逃すわけはないのに。
「なあ、高橋、高橋はいつまで妊娠を隠しているつもりだったんだ」
僕は高橋に聞いてみる。
「隠す、隠すって英ちゃんに隠すってこと?」
「そう、僕に」
「隠すっていうか、英ちゃんに何をいえば良いかなんてわからなかったよ。
だって、普通はだれの子種で妊娠したなんて誰も言わないし、知ろうともしないんだよ」
「それは、愛情と生殖が別々だからだろう」
「そうだね、だから判らなかったんだよ。
愛情と生殖が一緒になった時にどうすれば良いなんてだれも教えてくれないよ。
2人の関係は私が英ちゃんに興味を持ってセックスを求めただけで愛情から始まった訳じゃないし」
苦しそうな高橋の声。
「だったら、子供が出来ればハッピーエンドでしょう、終わりでしょう。
でも、終わりたくなかった。
だから黙ってた.....ごめんなさい」
「なあ、高橋は僕と結婚したいのか」
「英ちゃんと結婚、そんなの無理だよ、英ちゃんは高校生じゃん」
「それは高橋も一緒だろう」
「女は違うよ、女は多産を推奨されてるから、高校生で子供を産むことも期待されてる。
だから私はお腹の子と2人でも国の制度を使ってチャンと生きていける」
そう、高校生で母になっても国のサポートで高橋は子供と二人でチャンと生活は出来るんだ。
「でも英ちゃんは.....大体委員長だって妊娠してるかもしれないんだよ。
英ちゃんはその才能で大勢の女を妊娠させるんでしょう。
.....だったら私が妊娠しました、英ちゃんと結婚します。
そんなの無理でしょう」
そうだ、僕は今でさえ何人も妊娠させている。
きっと、これからも色々な女を妊娠させるだろう。
国の制度だって僕にそれを求めている。
「なあ、高橋、なにか、僕に出来る事はないか?」
僕の問いかけに、眼から涙を零しながらも高橋は気丈に答える。
「英ちゃんにしてもらうことなんて無いよ。
赤ちゃんをくれた以上の事なんて無いんだから。
私はお腹の子を、英ちゃんとの子を愛して育てていくよ。
それがうれしいの」
そして僕を見つめながら話を続ける。
「だから、平気だよ。
ごめんね、泣いたりして。
委員長なら笑って話すのにね」
涙を浮かべながら高橋は無理に笑う。
「ひとつあったよ。
私を嫌いにならないで......お願いします」
「なんで、僕が高橋を嫌うんだ。
そんな訳無いだろう」
「だって、嘘をついたから。
英ちゃんは私を妊娠させたくなかったんでしょう。
だからピルをくれたんでしょう。
それなのに嘘をついて妊娠したのは私だもん。
でも、嫌われたくないの.....ヒッ、ヒッ、ウエエエエン」
僕は泣きじゃくる高橋の頭を優しく撫でた。
そして高橋が期待している言葉を、僕の本位ではない言葉を高橋に伝える。
「僕の子供を妊娠してくれてありがとう」
その言葉で高橋は泣き止んで嬉しそうに僕を見つめる。
僕は自分の胸にこみあげる苦い思いを作り笑いの下に押し込める。
僕達の関係は変わるんだろう。
高橋の僕への愛情は高橋のお腹の子供に移っていくだろう。
だから、これからの高橋の一番の関心事はお腹の子供なんだろう。
高橋にとっての僕は子種を与えた存在として記憶されていくんだろう。
僕はそんな事を考えながら高橋を見つめるのだった。
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